舞台

著者 :
  • 講談社
3.09
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062187084

作品紹介・あらすじ

「生きているだけで恥ずかしい――。」自意識過剰な青年の、馬鹿馬鹿しくも切ない魂のドラマ!
29歳の葉太はある目的のためにニューヨークを訪れる。初めての一人旅、初めての海外に、ガイドブックを暗記して臨んだ葉太だったが、滞在初日で盗難に遭い、無一文になってしまう。虚栄心と羞恥心に縛られた葉太は、助けを求めることすらできないまま、マンハッタンを彷徨う羽目に……。決死の街歩きを経て、葉太が目にした衝撃的な光景とは――?
思い切り笑い、最後にはきっと泣いてしまう。圧倒的な面白さで読ませる、西加奈子の新境地長編小説!

感想・レビュー・書評

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  • 2014年初版。著者の作品は初めて読みました。今ひとつ私には合わないなあと言う感じです。あくまでも私感です。主人公は29歳の社会に適応することが苦手な男、父に対する憎しみに近い反感・母に対する歪んだ愛情。太宰治の「人間失格」に自分を見つける。私にもありましたが、青年期に全く裏表なく生きている人はいないような気がします。演じている人が、ほとんどのような気がします。ただ、主人公は、病の度合いが強いような。しかし、最後は灯りが見えたようで救われた気分もあります。

  • 自意識のかたまり。突き抜けている。面白かった!

  • 全く共感できない主人公が、最後にはとても愛おしい存在になっていました。人を許せず自分自身をも許せず、何もかも父親のせいにして、しかし父親の財産に縋っている。ダメな29歳の青年を、実際一番ダメだと思っているのは自分自身で、精神を揺るがせながらニューヨークの街をさ迷っている。躁鬱の中を苦しむ姿は滑稽であり切なくもあります。極限で気づいた父への想いや人の優しさ、そして愚かな自分の御し方を、これから少しずつ自分の骨身にして行けば良い。愚かな男の大きな葛藤に、最後は涙が溢れました。

  • ・・・・
    『自意識過剰』って、とどのつまり
    ・自分に自信がない。
    ・羞恥心の固まり。
    ・プライドが高い。
    要は、ええかっこしい⁈

    1番気にしてるのは
    人の目よりも自分自身。

    だれもが、こんな思いになった
    若くて青い頃あるあるかな(笑)

    オトナになるとラクになるよ〜。

  • もう一冊になるんだ!

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    「初めてニューヨークを訪れた29歳の葉太。有名作家の父をもつ葉太は幼いころから異常に「恥」の意識が強く、自らの行為すべてに他者の目を意識せずにはいられない。ここニューヨークでも立ち居振る舞いに細心の注意を払う葉太だったが、憧れのセントラルパークの芝生に寝転び、敬愛する作家の小説『舞台』を読むという悦びにふと自意識を手放した瞬間、思わぬ災難に襲われてしまう。見知らぬ土地で陥った危機的な状況の下で葉太の心身に訪れる変化、そして最後に葉太が出会ったものとは? 」

  • 場所はニューヨーク、本の題名は「舞台」ということで、勝手にブロードウェイの舞台に賭ける若者が主人公だと予想して読み出したら見事に違いました
    (笑)

    癖のある主人公。でも心の中で誰しもがチラッと思ったことがあるかもしれない自意識。

    物語が終盤にかけてだらけてしまった感があった。
    劇的な展開を期待してしまった。

  • #らしすぎる恥じる演じる生きている誰に見せたいヘヴンはあるか

  • 太宰治の「人間失格」みたいな主人公がニューヨークに一人で旅行に来て、初日に鞄を盗まれる話。
    人の目を気にしてしまうことや、なりたい自分を演じてしまうこと、そんな自分を恥ずかしいって思うことはわかるんだけど、行き過ぎてて、どんどん狂っていく主人公に、「早く領事官行けよ」って突っ込みたくなる。面白かった。

  • 情景描写よりも心理描写に重点を置いた話。らしさを求める心情が巧みに描かれている。好きな人は好きかもしれないけど、どんでん返しや推理を求める自分には合わなかった。

  • 面白さで言えば、お気に入りの円卓ほどではありませんでした。ただ、周りから見た自分についてとか妄想とかこっそり芽生える衝動的な感情とか(どんなに心許してもこういうことを他者と話す機会がない)、自分だけが変なわけではないのやな、と妙に自分の中ですとんと落ちるところのある内容でした。

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著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

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