さらばスペインの日日

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 69
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (626ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062186667

作品紹介・あらすじ

著者渾身のイベリア・シリーズついに完結! 日本の無条件降伏、第二次世界大戦終結で、北都昭平、ヴァジニアにいかなる未来が──。

感想・レビュー・書評

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  • 作り話とは思えない静かな迫力がある。終わり方は何もかも上手くいきすぎって感じだけど、まぁ読者としては安心できた。戦争中の日本と同時期のスペインの様子はこんなだったのかとよく分かった。

  • 第1部から第7部まである長編シリーズ。

    第3部まで読んだところで、4部が出版されるまで少し間があき、4部を読み始めたところそれまでのストーリーをよく覚えてなくて、完結されるまで待ち、もう1度最初から一気に読みなおした。

    それにもかかわらず、1部からグイグイ物語に引き込まれ
    いった。



    日本のスパイとしてスペインに送り込まれた北都昭平、イギリスの情報員としてスペインに駐在のヴァジニア・クレイトンを中心に第二次世界大戦時代をスペインを中心に綴った物語。

    ヒトラーを始め実在の人物が登場し、作者の創作した人物の目を通してこの時代に何があったか、各国はどのように動いたかを描写し、北都昭平とヴァジニアの恋愛を描いた作品。

    ミステリー的な要素は少なく、最後に全ての問題が解決してくれればよかったという感じがしてならない。
    カナリス提督の生死、北都とヴァジニアの再開、などの問題は解決するのだが、キム・フィルビーのソ連スパイ疑惑は残ったままなのが気になったところ。

    キム・フィルビーについては解説で、実在した人物であり、その後かなり経ってからスパイであったことが史実で分かるようで、たぶんこの小説の中では明らかにしなかったのだろうと思うのだが、小説なのだから、作者なりに完結してほしかった気がする。

  • イベリア・シリーズを読みはじめたのが1997年。小説の中では6年、7冊、年月にして17年にも亘った北都の旅の終わりは自分には想像もできないものでした。
    読み終えた後、作者自身によるエピローグを読み、なんともいえない心地よい虚脱感にとらわれました。
    長い間楽しませてくれた逢坂剛氏に感謝、です。

  • 終戦直前から戦後の日本をヨーロッパのスペインを中心に日本の諜報部員北都とイギリスの諜報部員ヴァジニアの惹かれあう敵国同士の二人を中心に日本が迎えた終戦までを史実を織り込みながら終戦までの物語を書かれた小説。

    読んでいて引き込まれるし、当時日本がヨーロッパでどのような終戦までの活動をしていたかなど含めて楽しめる小説。

    かなり厚い本だが一気に読み終えた。

  • テーマとページ数は分厚いが、中身はむしろ軽い。

  • 逢坂剛のライフワークとも言える第二次大戦前後のスペインを舞台にしたイベリアシリーズ最終巻.分厚い本が7冊.完成までに16年だそうで,作者のあとがきにも作者自身の大きな感慨がうかがえる.私もよくつき合ったものだと思う.

    もちろんこれは娯楽作品で,一文一段落の書き方なので,分量の割にはスラスラ読めてしまう.

    さて,最終巻.私の方はストーリー自体への思い入れがあまりなくなっているので淡々と読んだけれど,欧州から日本に引き上げてきて,敗戦の日本を目の当たりにする場面はなかなか胸に迫るものがあった.

  • 予想していた欧州での終戦工作は描かれなかった。シリーズとしてのストーリーは前作で終了、今作は総出演者によるカーテンコール的雰囲気。
    前作からの謎・カナリス提督の生存説は、別作「バックストリート」のエピソードへとつながるサービス付き(著者あとがきによると、著者のカナリス提督に対する思い入れによる完全な創作らしい)。
    「イベリアの雷鳴」から16年。よく書き続けられ、読み続けたな。

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著者プロフィール

逢坂剛
一九四三年、東京生まれ。八〇年「暗殺者グラナダに死す」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。八六年に刊行した『カディスの赤い星』で直木賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞をトリプル受賞。二〇一三年に日本ミステリー文学大賞、一五年には『平蔵狩り』で吉川英治文学賞を受賞。「百舌」シリーズや「長谷川平蔵」シリーズなど著作多数。

「2022年 『最果ての決闘者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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