わたしの茶の間

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062166973

作品紹介・あらすじ

自分の「暮らし」と向き合えば人生は、より良く生きられる。初めてなのに、懐かしい。日本人が心に秘めた「美」と「徳」を呼び覚ます珠玉の名エッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • キリッと性根の座った貞子さんのエッセイ。

  •  沢村貞子さん(1908.11~1996.8.16 享年87)、一級建築士、マッサージ師、歯科の先生、魚屋、呉服屋、家政婦さんなど、まわりに底抜けの好人物で仕事熱心、物欲のない人たちがいっぱいと。きっと沢村さんのお人柄が為せる技でしょうw。やさしい心の内が偲ばれるエッセイ集です。「わたしの茶の間」、2011.2発行(1982.12刊行)①日常の挨拶は潤滑油、暮らしの中のけじめにもなる ②生き甲斐は自分で作るもの ③薬代を食物につぎこみ、おいしいものを少しだけ ④私の絵葉書を何十年も大切にしまってくれてた母

  • 沢村さんの子供時代の話。ノスタルジー
    沢村さんの暮らし素敵。
    でも自分は自分の暮らし方を大切にすることが重要だと感じた。そうすれば沢村さんに近づける気がする。
    「人並みの暮らしとは、他人と同じ暮らしをすることではなく、今のあなたにふさわしい、個性のある、人間らしい暮らしのこと」
    しあわせの小さな点の話し好き。
    繰り返し繰り返し読みたい。

  • 生き方は本当にかっこいい。だけどたまに若者へのただの愚痴みたいなときがある。まあそれもまた一部なんだろう。
    こういうふうに生きていきたいよなー。心がけというか、心意気というか、粋というか。

  • 昔の人の考えと生活風景という感覚で読み始めたけれど、今の私の生活を見直すためのヒントがたくさん散りばめられた一冊でした。
    夫や仕事仲間に対する付き合い方や日々の生活を大切にする姿がとても綺麗だなぁという印象を受けます。特に沢村さんの食に対する考え方に共感を受けて私もそんな風な食生活を送れたらなんて贅沢なんだろうと思いました。病気なんて無縁の生活になって体の悩みやなんかがパッと消えてしまうかもしれないです!

  • 凛とした女性。
    シンのある女性。
    あんな風に生きていきたいと思う。

  • 沢村さんがしんせきのおばさんだったら、いろいろ相談できるのにと思う。この本にはそんな思いに応えてくれる沢村さんの含蓄のある言葉がたくさんあって、時々手にとって読み返したいと思わせる。取りあえず覚えておきたいこと、「昨日のお礼」。してもらった時は、次回あった時必ずお礼を言うことだ。感謝知らずの私は、恩をすぐ忘れてしまう。心しておきたい。

  • 色々なところから集めてきたのか、何回か同じような文章があった。
    ひとつひとつは好きだけど、ちょっとバラバラな印象。「わたしの台所」の後だっただけにちょっと物足りない感じ。

  • 沢村貞子さんは1908生-1996没の女優さんですね。
    お父様が役者だったらしく、弟が加東大介さん、甥が津川雅彦さん&長門裕之さんという血筋。
    詳しくは知りませんが、ご結婚されたけどお子さんはいらっしゃらなかったらしい。
    俳優としては美人女優さんではまったくなくて、脇役人生。
    後半生はテレビドラマの母親役が多かったようですね。

    で、浅草下町育ちで風俗の記憶に詳しいらしく、
    特に70歳くらいの頃に書かれた「私の浅草」が有名みたいですね。

    という訳で、「私の浅草」を読んでみたかったんだけど、電子書籍でなくて。
    代わりに「わたしの茶の間」というエッセイ集があったので購入。スマホで読みました。
    並行して色んな本を読みながら、電車待ちとか、チョコチョコした合間に。
    短い短いエッセイばかりなんでね。片手で読めるし、小説などだったら、3分5分読んでもしょうがないなあ、と思うところを、コレなら2分でも一つ、読める。便利この上ない。

    内容は、衣食住や考え方などについての、チョットしたこととか、沢村貞子さんがモノ思ったこと。
    基調は<浅草下町飾らない人情ざっかけない暮らし、豊かじゃないけど心が豊かだったね良かったネ>、という懐古な精神、<翻って今日は豊かで便利だけどどうなんだろうねエ>という低い目線の現代批評。
    初版は1983年らしいですね。雑誌や色んなところに書いたものを纏めた本だそう。

    特に目新しくはないんですけど、戦前東京下町暮らしみたいな風情が良く分かりますね。ひねくれて言うとかなり美化されてますけど(笑)。
    エッセイとして厳密に考えれば玉石混交ですけど、面白いものもありました。

    一つ挙げると、銀座にとある和菓子(だったか)が欲しくてお店に。顔なじみの店員さんが挨拶してくれる。
    繁盛しているので、目当ての菓子は売り切れだった。なんだか諦めきれずに。残念だなあと言っていると、店員だか女将さんが奥からそっと持ってきて。
    「沢村さんですから特別に」と、そのお菓子をくれました。
    めでたくゲットで帰宅したのだが、道道、「有名人だから売り切れでもきっと、奥から出してくれるに違いない」と内心期待していた自分に気づく。
    ものすごーく自分で自分がキライになってしまって、気まずくて。以降その店に行けてません・・・。

    という内容の短文とかありまして。すごく正直で潔い。面白いエッセイでした。

    いつか機会があったら、「私の浅草」は読んでみたいかな、と。

    しかし、こういうエッセイを一つ電子書籍に入れておくと、活字中毒者としてはなかなかヨロシイと思いました。

  • 「いま、夫が何を食べたいと思っているか、妻はそれをわかってあげなければ-夫婦の長いおつきあいは出来かねる。
    いつも、会社の定食はそばと決まっている夫が、今日は友人と珍しく豚カツを食べてきたと聞いたとたん、用意していたビフテキはいさぎよく引っ込めてのりにお漬物、あとは味噌汁に腕をふるい、ゆめゆめ「あら、せっかく高い肉を買ってきたのに-一口でも食べなさいよ」などの押し付けや愚痴は言わないこと。料理は夫が食べる為にこしらえるもので、その料理を食べる為に夫がいるわけではない。」

    「人並みの暮らしとは、他人と同じ暮らしをすることではなく、今のあなたにふさわしい、個性のある、人間らしい暮らしのこと」

    自分の身の丈に合った生活に満足し、創意工夫でより豊かに彩ろうという姿勢。ぴしっと背筋が伸びた生き様。

    憧れの人です。

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著者プロフィール

1908年(明治41年)東京・浅草生まれ。俳優・エッセイスト。本名大橋貞子。日本女子大学在学中に新築地劇団に参加。前衛演劇運動に加わって投獄を経験する。34年、日活太秦現代劇部に入社、映画俳優としてデビュー。小津安二郎監督作品をはじめとした映画、舞台、テレビで名脇役として活躍した。生涯で出演した映画は100本以上。78年には、半生をとりあげたNHK連続テレビ小説「おていちゃん」が放送された。89年に俳優を引退。文筆にも長け、77年『私の浅草』で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。ほか『貝のうた』『わたしの台所』『わたしの献立日記』など著書多数。96年(平成8年)没。

「2023年 『沢村貞子の献立 料理・飯島奈美3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

沢村貞子の作品

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