- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062162456
作品紹介・あらすじ
真実は奇なり、愛は変なり。世にヘンアイの種はつきまじ
ギャルが漂着した孤島にはイケメン男子だけが住んでいた……「彼氏島」
体の中にブリザード吹き荒れる空虚を持つ少女の哀しみ……「スペシャリスト」
会ったこともない友人の妹への妄想愛を育む独身老人の物語……「妹」――など新たに発掘された11編の“変愛高濃度・現代英米文学”
“変な愛”の探求者、岸本編訳による人気シリーズ第2弾!
「彼氏島」 ステイシー・リクター
「スペシャリスト」 アリソン・スミス
「妹」 ミランダ・ジュライ
「私が西部にやって来て、そこの住人になったわけ」 アリソン・ベイカー
「道にて」 スティーヴン・ディクソン
「ヴードゥー・ハート」 スコット・スナイダー
「ミルドレッド」 レナード・マイケルズ
「マネキン」 ポール・グレノン
「『人類学・その他 100の物語』より」 ダン・ローズ
「歯好症(デンタフィリア)」 ジュリア・スラヴィン
「シュワルツさんのために」 ジョージ・ソーンダーズ
感想・レビュー・書評
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またしても変愛小説だ(決して恋愛小説ではない)
1よりも滑稽さは消えて背筋がヒヤッとする変愛が増えてる気が。
中でもヴードゥ•ハートは背後にヒタヒタと迫る狂気か見え隠れして一番印象的な作品だった。
巻末の編訳者あとがきが1の時から楽しみにしていたが、「スペシャリスト」がThe big emptyの名で短編映画になっているようでyoutubeでも公開されてるようだ。(→先ほど確認したら著作権の申し立てがあったようで現在は削除されていました、残念。)こちらも印象に残る作品です。
変愛と言いつつこれは純愛なのではという話も1より多いかなとも思う。
1の時も強く感じたのだが、原作を読むと英語の勉強になりそうだなと個心的に思いましたがどうでしょうね?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白かった!おぃおぃ、そっちに行っちゃうのかよ。な「妹」ニヤニヤさせられた「私が西部にやって来て、そこの住人になったわけ」後半に、しまった!これ、変愛小説だったと期待を裏切られる捻りの効いた「ヴードゥー・ハート」が、お気に入り。
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1より評判控えめですが、なかなかどうして「私が西部にやってきて、そこの住人になったわけ」にはやられました。
訳が分からないし凄いシュール、だけど最後はなんか心温かくなった。不思議惑星キンザザみたいだ笑
他に「歯好症」も良かったけど、全身に歯が生えまくる妻をひたすら愛し続ける夫の話なんだけど、これよりもっと凄い愛の話あるかと考えたら、あった。チェルノブイリの祈りに出てくる、消防士の妻だ。現実は小説の斜め上をいく。 -
変愛二作目。こうも変なことを思いつく人がいるもんなんだね。どれも面白かったが、ヴードゥ・ハートが一番好き。一作目でもこの人のものが一番好きだった。飛行船に乗って行ってしまった恋人をずっと追いかけていく話。どこか不思議ででも輪郭があって、この人の別の作品も読みたいな。
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今回も良かった。変わったグロテスクで愛と悲しみのある短編集。こんなストーリーをよく思いつくなぁと思う。スペシャリスト/私が西部にやって来て、そこの住人になったわけ/ヴードゥー・ハート/歯好症/シュワルツさんのために、が良かった。歯好症とシュワルツさんのためにはグロテスクなのに美しい物語。
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【選書者コメント】やっぱり誤字ではない。でもなにかがおかしい。
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変愛小説の二弾目。
前回はちょっと片寄った不思議な「物」に恋する話が多かった気がしたが、今回は恋愛自体は変ではなかった。確かにどこかはおかしいのだけれども、静かで波のない海を漂っているのにそれが通常だと思わせるような…どことなく孤独感が感じられた。
一弾目より好きかもしれない。
「人類学.その他100の物語」より
一番好みだ。 -
2冊目も素敵に変な恋愛小説だらけで、うれしい。
1発目は、ギャルが難破してイケメンだけの孤島にたどり着く、という「彼氏島」(ステイシー・リクター)。逆女護ヶ島かい!って突っ込みたくなる妄想設定のなかでフェミニズムの問題を追求してるのが、ナイスすぎ。
友人の妹と脳内恋愛をしているはずだったら、いつのまにか兄貴が・・・というミランダ・ジュライの「妹」は、老人同士の話であるところが味噌。
「人類学・その他100の物語」(ダン・ローズ)は、いかにも岸本さん好みらしい、シュールな極短小説。
個人的には、レナード・マイケルズの「ミルドレッド」が拾いものだった。悪態まじりの優しいモノローグと、場面の転換の妙。ときおりシュールな描写を含むそっけない場面の中から、切なさがたちのぼってくる。