特攻隊振武寮 証言・帰還兵は地獄を見た

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062155168

作品紹介・あらすじ

昭和20年5月、陸軍が福岡に設けた生き残り特攻隊員の収容施設・振武寮で、大貫少尉は上官に殴打され、怒声を浴びつづけた-。伝説の「黒マフラーの飛行隊」の真実が、いま明らかに-。

感想・レビュー・書評

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  • 「不死身の特攻兵」を読み、その流れから振武寮に関連する書籍を探してこの書籍を知る。読みたいのですが、第二次大戦からみの戦記だと8月15日周辺でないと出回らないのでしょうか?それとも憲法を改正したい現政権に対する遠慮でも働いているのか2018年3月3日現在、どのブックショップを見ても「取り扱いできない商品」になっているのが残念。

  • 2021.8.20

    すごい本を読んでしまった。
    何度も涙を流しました。
    大貫さんが体験され、語られていることは真実です。
    イメージだけで歴史を語ることは陳腐ですね。こういう本をたくさん読みたいと思いました。

  • 当時の心境、状況、経緯を語る元特攻隊の言葉ひとつひとつが現実感を伴って迫ってくるドキュメント。証言パートと解説パートで構成され、手記に留まらず、包括的に特攻作戦を捉えられる内容。統帥の外道である特攻について語れるのは、これを経験した人のみと言え、その点本書は貴重且つ優れた、後世への教訓を遺したとなっている。振武寮とは特攻帰還兵の収容施設のことだが、主人公がそこで過ごしたのは16日間で、その日々の描写も割合としては少ない。これをタイトルとしたのは、数多い特攻関連本との差別化と、そこに軍隊の恥部が凝縮されているから、でもあるのだろう。高齢になった証言者が知覧を訪れ、かつての仲間に最後の別れをする場面は印象的。巻末、著名人でもある娘の、父とはちがったアプローチによる平和への祈念で本文を締めるところも秀逸。

  • 「不死身の特攻兵」を読んで、この本のことを知った。NHKスペシャルをもとにした一冊。過去に、特攻隊振武寮についての番組を過去に見たことを思い出した。
    NHKディレクターと特攻隊の生き残りの大貫さん(大貫妙子さんのお父さん)の共著。大貫さんの部分は、実際に体験した人が、何を経験しどう考え、戦後をどう生きたかを伝えている。
    心を揺さぶられる一冊。既に絶版となっているようで、非常に残念。この本を読まずに、「戦争」を語れないのではないかと思う。

  • 2018.0309

  • フォトリ84。誤解を覚悟で言えば、特攻は国土防衛のためですらなく、軍のメンツのための作戦だった?とさえ思えてしまう。軍神が生還しては困るという振武寮の存在がそれを物語る。

  • 特攻隊員としての大貫さんの苦悩、仲間達との別れや上官達に対する怒りが伝わってきた。名前だけではわからない特攻隊員のそれぞれの人生が詳しく記してあって本人や遺族の思いを察すると切ない。また、解説もありわかりやすく最後の『上官たちの戦後』は興味深かった。

  • 死を必然とした特攻隊員の悲しみ、理不尽さへの怒り、当時の隊員のリアルな心情が迫ってくる本。

  • やっと読み終わったノンフィクションの特攻隊の話。

    序章+6章+終章の構成で、それぞれその章の終わりに解説が付いていてとても読みやすかった。
    ただ、現実的にヘビーでなかなか前に進めなかったのが悲しい。
    著者の『大貫氏』は知覧から特攻機で沖縄に向かって生還した一人。
    とても重たい話ですが、目をそむけてはいけないと思った。

    著者の『特攻を美談にしてはいけない』との言葉。
    そして『20前後の若者が笑顔で死にたいわけないじゃないか』の行には大いに賛同。
    全世界で、二度とこのようなことがないように。
    二度と戦争等起さないようにするのが、後世に残されし人達の役目ではないかと思った。

    ちなみに、『大貫妙子』さんとは親子でいらっしゃいます。ビックリしました。

  • (200907)

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著者プロフィール

テレビディレクター。1966年東京生まれ。早稲田大学政経学部卒。1990年NHK入局、福岡放送局、番組制作局、大型企画開発センターなどを経て現在はNHKエデュケーショナルプロデューサー。制作した番組に、ETV特集『もういちどつくりたい~テレビドキュメンタリスト木村栄文の世界~』『シリーズBC級戦犯(1)韓国・朝鮮人戦犯の悲劇』、NHKスペシャル『学徒兵 許されざる帰還~陸軍特攻隊の悲劇~』などがあり、3作品とも、ギャラクシー賞選奨(テレビ部門)を、またETV特集『戦場で書く』は、橋田賞を受賞している。他にも放送文化基金賞などを受賞。近年は映画制作にもかかわる。
著書に『戦場で書く火野葦平と従軍作家たち』、『特攻隊振武寮 帰還兵は地獄を見た』(大貫健一郎氏との共著)、『プロパガンダラジオ 日米電波戦争 幻の録音テープ』(筑摩書房)、『最後の言葉 戦場に遺された二十四万字の届かなかった手紙』(重松清氏との共著)ほか多数。『ゲンバクとよばれた少年』(中村由一氏、宮尾和孝氏との共著)は第24回平和・協同ジャーナリスト基金賞を受賞。近著に『まなざしの力』(かもがわ出版)。

「2020年 『少女たちがみつめた長崎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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