実さえ花さえ

著者 :
  • 講談社
3.83
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本棚登録 : 232
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062150422

作品紹介・あらすじ

江戸・向嶋で種苗屋を営む若夫婦、新次とおりんは、人の心を和ませる草木に丹精をこらす日々を送っている。二枚目だが色事が苦手な新次と、恋よりも稽古事に打ち込んで生きてきたおりんに、愛の試練が待ち受ける。第3回小説現代長編新人賞奨励賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 江戸で種苗屋を営む夫妻の物語。
    出てくる一人一人の造形が豊か。
    綺麗な文章で清らかな世界観。
    後半盛り込み過ぎて一つ一つのエピソードが薄まってしまったのが残念。
    夫妻と雀にまつわるあれこれをもっと深く読みたかった。
    でもこれがデビュー作とは驚き。

    【図書館・初読・10/10読了】

  • 日本語遣いが上手で美しいから、職人たちの暮らしぶりが目に浮かぶようです。植物の知識が豊富で、次々披露されるのも楽しい。ただ、江戸中期の向島、種苗職人の新次おりん夫婦と雀の物語で纏めて欲しかった。吉野太夫のお話はスピンオフです。むしろ、新次と利世が決着をつけたあと、新次はおりんとどう接したか、おりんはどう折り合いをつけたかは書いて欲しい。ポーカーフェイスの新次と鈍感なおりんでは納得できませんね。

  • 2009はじめて☆5かも。
    文章もゾクゾクするよ。『水で洗い上げたような月夜である。・・』
    『実さえ花さえ、その葉さえ、今生を限りと生きてこそ美しい』
    誰が主人公だったのか、わからなくてもいいといえる。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「文章もゾクゾクするよ。」
      引いてくださってる二つから充分判ります!
      全然知らない作家さんなので、試しに読んでみようかな。。。
      「文章もゾクゾクするよ。」
      引いてくださってる二つから充分判ります!
      全然知らない作家さんなので、試しに読んでみようかな。。。
      2013/02/07
    • こんぺいとうさん
      花まる、ありがとうございます。ぜひ読んでみてください。題名を「花競べ・・・」に変えて、文庫収録されたみたい。
      花まる、ありがとうございます。ぜひ読んでみてください。題名を「花競べ・・・」に変えて、文庫収録されたみたい。
      2013/02/08
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「文庫収録されたみたい。」
      有難うございます。文庫購入しました「職人小説」って良いですよね、しかも「育種」ってモダンな感じ(杉浦日向子の本か...
      「文庫収録されたみたい。」
      有難うございます。文庫購入しました「職人小説」って良いですよね、しかも「育種」ってモダンな感じ(杉浦日向子の本か何かで、朝顔の品種改良とか盛んだったと読んで、ビックリした記憶があります)。
      読むのが愉しみです。。。
      2013/03/21
  • 時代小説だけれども武士は絡まない作品で
    主人公は花師と呼ばれる花の育種を手掛ける男です。

    何やら彼にはある心に秘めたものがありました。
    かつて修業したものにその裏は
    あるようですが。

    そしてそんな彼、新次に桜草を依頼した
    上総屋六兵衛にもある秘密がありました。
    それは若かりし頃の過ちだったのです…

    最後の方は結構きついかもね…
    時代は残酷なのですよ。

    だけれどもその悲しみののちに
    あるものが生まれるのです。
    まるで、その名前を関した高潔で
    仕事を貫いた花魁のように…

  • 種苗屋を営む若夫婦、新次とおりんは、人の心を和ませる草木に丹精をこらす。二枚目だが色事が苦手な新次と、恋よりも稽古事に打ち込んで生きてきたおりんに、愛の試練が待ち受ける…。

  • 江戸時代、植物の育種が盛んで、各家庭に園芸が普通だった。というイメージだった。
    育種家が職業として成立していたんだと驚き。
    庭師ぐらいしかいないと思っていた。

    紫式部、ソメイヨシノが取り上げられていた。
    寒天や羊羹を作っていて、砂糖は手に入りづらいという先入観があってので意外だった。

    いろいろ江戸時代を見返した本。

  • なぜだ?
    何度トライしても10ページも読めない
    文章運びが合わないのか
    興味をそそる題材じゃないのか

    そんな本も読んだことあるんだけどなぁ
    とりあえず、本棚で肥やすかな

  • 2019.1.25

  • 江戸の町を彩る花の種や苗を商う「なずな屋」を舞台とした話。新人さんですが、ぜんぜん新人っぽくないこなれた文章だなー。しかも面白い!私の好きな「人情過ぎない」「戦わない」江戸ものにぴったりでした。
    江戸の花といえば、朝顔か菊、それもかなりいびつなまでに交配を繰り返すものばかりしか読んだことがなかったので、こういう市井の人々も楽しめた花について描かれていたのが新鮮でした。
    ラスト二話は、ちょっと展開がどっちつかずで疑問でしたが、最初の二話は完璧に面白かった。無理に時代ものにしないで、架空の話にしたほうが面白くなると思う。おすすめです。

  • 「後は野となれ、山となれ」と言えるのは、豊かな自然のある土地で育った言語であることが前提だなんて、気がつかないくらい、ドップリ日本人で幸せデス (^O^)
    舞台は江戸時代、隅田川界隈の向島。この辺、大好き。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『朝星夜星』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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