狩猟と編み籠 対称性人類学2 (芸術人類学叢書 1)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 87
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (330ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062147385

作品紹介・あらすじ

宗教と映画は同じ仕組みで、「心の野生」を開くイメージと精神の深いつながりを読み解く。「カイエ・ソバージュ」の新展開。

感想・レビュー・書評

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  • 大学生の時に読み、中沢新一ってめっちゃ頭いいなと思った。今読んだらまた違う読み方できるんだろうなー

  • 2006年9月、中央大学の夏季集中講座としておこなわれた 『比較宗教論』 の講義もとに、当然、前作 「対称性人類学」 の続編をなす新たな展開です。
    対称性人類学の問題意識と映画の構造と宗教の実践とが、たがいに密接に結びついていることを解き明かす、いつもながら非常にスリリング本です。表題は、エイゼンシュテインの著作 「無関心な自然でなく」 からとられています。
    対称性人類学という考えを通じて、新しい人間科学をつくりだそうと試みている著者が、今回思いついた主題は 「映画」 です。映画は、21世紀に誕生した新しい芸術形式だけれども、エイゼンシュテインによれば、それは生命とその本能を生き生きと蘇らせる力をもつもので、彼はそのなかにホモサピエンスの 「心」 の素型から直接生み出される、野性の芸術としての可能性をみいだそうとしていました。エイゼンシュテインは人類の 「心」 が、数万年もの間少しもかわることのない素型と本質を保ち続けていることを、固く信じて疑わなかった。そして、その 「心」 の素型を生き生きと蘇らせることこそ、芸術の使命であると考えたのでした。

  • 2014/8/12購入

  • 積読にするのは惜しいので、3冊飛びぐらいにして早く読む

  • [ 内容 ]
    宗教と映画は同じ仕組みで、「心の野生」を開くイメージと精神の深いつながりを読み解く。
    「カイエ・ソバージュ」の新展開。

    [ 目次 ]
    プロローグ 狩猟と編み篭
    第1章 映画と一神教―セシル・B・デミル『十戒』
    第2章 映画はキリスト教である―ピエル・パオロ・パゾリーニ『奇跡の丘』
    第3章 イメージの富と悪―ロベール・ブレッソン『ラルジャン』
    第4章 家畜化された世界で可能な交通―クリス・ヌーナン『ベイブ』
    第5章 洞窟の外へ―TVの考古学
    エピローグ 哲学の洞窟とテラス

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 対称性人類学の続編。

    映画と宗教、そして音楽の構造の類似・同一性を手がかりに、人間の心の構造、成り立ちを議論している。

    非常におもしろい。

    旧石器時代から、男性は秘密結社的な組織を通して、通常の家族中心とした集落のルールを離れ、洞窟で、「第一層」とここで示されているものに触れる試みを続けてきた。

    女性がそれに加わらなかったのは、
    第一層と第二層が不可分な形で、女性の身体の中、あるいは女性の身体リズムの中にあったからだろうと思う。

  • 購入日:2009/4/4
    購入者:桃色博士

  • 対称性人類学第2弾。映画編?

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著者プロフィール

1950年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。京都大学特任教授、秋田公立美術大学客員教授。人類学者。著書に『増補改訂 アースダイバー』(桑原武夫賞)、『カイエ・ソバージュ』(小林秀雄賞)、『チベットのモーツァルト』(サントリー学芸賞)、『森のバロック』(読売文学賞)、『哲学の東北』(斎藤緑雨賞)など多数。

「2023年 『岡潔の教育論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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