- Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062144599
感想・レビュー・書評
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濃い読書体験を味わわせてくれる。時に筆は哲学的/思弁的に発展し、時に過去に遡行し時に女人の描写に走る。私たちの生活とすぐ隣り合わせにある狂気、もしくは日常の綻び。古井は書いているまさに「今ここ」に眼前している光景と過去のヴィジョン、あるいは想像上のなにかをトレースさせる。いや、ある意味ではあらゆる書き手は皆そうして小説を書いているのだ。だけれども、その重ね方というか重ねていく筆致そのものが晦渋であり、どこか自己言及的に自分自身を見つめている著者の眼差しの強烈さがある。内観を通じて著者は大いなる普遍へと至る
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読んでる最中しか存在しないかのような小説。
「雨宿り」が今まで読んだ古井由吉さんの短編の中で一番好き。 -
「白暗淵しろわだ」(古井由吉)を読んだ。深く濃く美しく苦い。芳醇なエスプレッソのようだ。古井由吉から抽出された言葉が鏨のように打込まれてくる。これまで古井由吉を読まずにいた自分の愚昧さを呪ってやる~!というくらいに素晴らしい短編集。言葉の持つ力というものを改めて認識させれれる。
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今のところの最新刊。今、新潮で連載持っているからそれが最新作なんだけど、実際は。「野川」と同様の流れを持っている作品と位置づけていいと思う。すばらしくよかった。何だ、この小説は、というくらいに流れに乗ってきてからの話の渦の強さはすごい。現役作家最強であることは間違いない。。。徐々に古井由吉は制覇していきたい。(08/11/30)
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購入日:2008/11/3
購入者:桃色博士