- Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062138680
作品紹介・あらすじ
世界で初めて、ニホンウナギの産卵場をほぼ特定した東京大学海洋研究所の「ウナギグループ」。このたび、研究員の著者に下った指令は、ウナギ全18種類中、唯一まだ採集されていない種「ラビアータ」を捕獲することだった。-ドイツや台湾の研究チームを出し抜くため、海洋研のターミネーターはアフリカへ。
感想・レビュー・書評
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面白くて一気に読んだ!アフリカの宿やトイレ事情。忘れていたけどそうだった!と。「ん」で始まらない食べ物だ!と喜ぶ俊君。分かる分かる。地獄のようなカオスのバスでの移動。写真が欲しかった。ウナギの!
ブログに旅行記含め→http://zazamusi.blog103.fc2.com/blog-entry-131.html詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
摂南大学図書館OPACへ⇒
https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99007344 -
ミニコメント
たべておいしいウナギ。謎の多い生き物だってご存じですか?遠い海で生まれて日本で大きくなり、また海に戻っていきます。軽妙なタッチでウナギの学術調査について紹介してくれる本です。
桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/462932 -
にょろりはウナギ。世界にいる全18種のウナギをコンプリートするため、ウナギを求めてアフリカをわけいる調査旅行記。というかほとんど冒険記。
マラウイ、ジンバブエ、モザンビーク。虫と戦う宿、トイレ事情、なかなか乗れないバス、軽装の漁師。日々の記録から、東アフリカとひとまとめに認識していた国々が、それぞれ治安も生活も文化も違う国であることがよくわかる。
しかし過酷。旅行記といえば、食事だけれど、ヤギ肉のニャマチョマも主食シマも美味しそうな記述はない。うーん、食事が美味しくないところは旅するの厳しいなあ。
絶滅しそうな魚の本を読んで以来、ウナギの回遊にも興味があったのだけれど、冒険色におされて、生態についてはあまり触れられていなかった。次はこの本にもでてきた塚本教授の本をどれか読んでみたい。「世界で一番詳しいウナギの話」「うなぎ 一億年の謎を追う」あたり。 -
ウナギの研究者のハードなアフリカ探訪記。そもそもウナギが何種類いるのか知りませんでしたが、17種類と結構少ない数なんですね。その中の一種類を入手する為にかなり壮絶な旅をしています。おちゃらけて書いていますが死ななくて良かったねというレベルです。僕レベルでもウナギの産卵場所を探すために研究を重ねて、マリアナ海溝の中で産卵している事が分かったという事を知識として知っていますが、それを発見したのが筆者の師匠である教授なんですね。その教授は学会の為に帰らなくてはいけないので、弟子2人だけでディープアフリカを駆けずり回る姿は相当に困難だったんだろうなと想像に難くありません。
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東京大学の研究者が、ウナギを求めてアフリカの奥地を旅した壮絶なサバイバル紀行文。東京大学海洋研究所・行動生態研究室は、「ウナギグループ」として世界にその名を知られている。ウナギを食うのはそれこそ「日本の文化」だと思うが、その生態は謎に包まれている。淡水魚として知られてはいるが、実は海で産卵して川へのぼってくる魚であり、日本のウナギは2000kmも離れたグアム島近くの深海で産卵しているという。(この事実を突き止めたのも著者所属のグループ)
現在地球上に生息するウナギは前18種類。この19種類を集めた研究機関は、当時まだなかった。著者は世界中からウナギを集めまくり、とうとう最後の1種、アフリカに生息する「ラビアータ」を手に入れるため、アフリカへと飛んだのだが……。
熱暑、昆虫、マラリアや住血吸虫の危険など、ほんとーに過酷な旅なのだが……彼らは人跡未踏の地に行ったわけではなく、アフリカの人たちが暮らしているところへ行って「うなぎない?」「あれば高く買うよ」「探してきてよ」「自分で釣っちゃうよ」とやってたわけで。あらためて、アフリカの人々のたくましさと、日本人の温室育ちっぷりに感心できる(著者自身がそーいうふーに書いている)話ではある。
単純に読み物としておもしろい。字組もゆるやかで、適度にルビもふられていて、中学生くらいから読めるのではないか。 -
面白かったです。
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294.8
東大の研究者がウナギを探すアフリカ冒険記 -
何年か前に、東大の研究所が太平洋でのうなぎの産卵場所を特定したというニュースを聞いたときに、へぇ~と思ってはいた。でもそれがこんな苦心惨憺の試行錯誤の結果だったとは! 著者が「自分たちは探検家じゃないんだから」と述べているくだりがあるけれど、辺境探検にちょっと近いものがあるような。
東大の研究所なんだからさぞかし資金が潤沢だろうと思いきや、どれだけ長引くかわからないから、という理由でバックパッカーも真っ青のビンボー旅行をする教授とその弟子たち。基本的に皆さん楽天的であるところも辺境探検家と共通している。
アフリカの旅ではお約束の、すさまじい暑さ、蚊なんかの虫攻撃、ホテルの水は出ない、トイレは壮絶な有様、バスは当てにならないなどなど、まあよくやるなあの一言だ。ちょっとめげたりダウンしたりしながらも、「この世界を知りたい!」という気持ちをどこまでも持ち続ける姿がすがすがしい。