- Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062135122
感想・レビュー・書評
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コモディティなカテゴリーであっても
経営者の発想、理念次第で利益率の高い
商材をつくれる好事例。
こういうマーケティングの成功事例を
2番煎じでなく、1からつくりだす人の行動と頭は
どうなっているのかが
気になっているので、読む。
筆者自身、男前豆腐の商品の見せ方を
「色物的なパフォーマンス」と表現しており、
あくまで本筋は「究極の味」の追求だとしているところに
男前豆腐の本気がうかがいしれる。
筆者は
「豆腐職人としての情熱」と
「マーケティングの才能」を
高い次元で併せ持っている稀有な人物であり
本書で記される考え方、発想の数々は
とても、勉強になるものだった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今ある条件・環境の中で何ができるか、どこまで出来るかを追求する。奇抜場マーケティングで注目をあびるだけでなく、その後のリピートにつながる確かな商品力の裏付けがある。
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奇抜なパッケージとネーミングながら、美味い!ということで評判の豆腐屋男前豆腐店の社長が出した本。
商品の奇抜さから単なる色モノ的な一発屋として終わる商品展開と思いきや、商品に対する職人気質なこだわりと他社や小売店のプライベートブランドによる値下げ競争に巻き込まれないためのマーケティング的センスなどがそこかしこに見られ、こりゃ長寿ブランド化しそうな予感。マーケ的といってもガチガチの体系ではなくて、感覚ですすめてたら後から理論がついてきたくらいのテンション。バランス感覚良さそう。
読めばわかるけどこの社長、めちゃくちゃロックンローラーです。音楽的にも、生き様的にも。
いつも何か楽しそうなこと考えてられるってある種スタミナなんかなー。
非常に良いこと言っていたので、メモ。男前豆腐店主語録。
ものを売るときには、むしろ語感のほうが大切なんだと思い始めてたんでしょうね。ネーミングにそれほど意味はない。
本物の男前は、あなたを裏切ったりしない。
スキマを狙ってやろうと。
でも、僕は、中身を変えずに形だけ変えてどうするんだって思うんですよね。
排他的ないい方に聞こえるかもしれませんが、僕は半径100メートル以内に、自分が面白いと思ってることに同意して盛り上がれる人間がいるとは、最初から期待していない。
やっぱりクリエイティヴなところは個人作業じゃないと無理な部分がある。
つねに変化し続けるしか、生き残る道は無いと思ってますから。
妄想はあればあるほどいい。
図書館で借りたんだけど、買おうかな笑 -
商品作りはデータ集めじゃなくて、自分は今までの経験からどういうものを作りたいのかから始まる。
筆者が発信したのは原材料がどうとかじゃなく、世界観。
世界観の発信ていうのは人と人とをつなげていくうえでは、製品のスペック並べるより重要なものになるんじゃないかと思う。 -
「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」で有名な男前豆腐店の商品開発秘話が盛りだくさんの本。発想がかなり異端なので、普通のマーケティング本として読むとハズレ感が強いかも。でも、そういった異端の根底には基本中の基本があることが分かり、深い意味で非常に参考になる。この著者だからこそ、このやり方が成功したのであって、違う人がやっても多分成功しないんじゃないかと思う。表面上だけ真似しても絶対ダメなはず。
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豆腐業界の常識を覆した男前豆腐店の経営者である著者は、誤解をおそれずに言えば、「変人」である。同社の製品は、まずその奇抜なデザインのパッケージで店頭にて強烈な個性を放つ。いかにかっこ悪くということがカッコ好いらしいが、こうした感性は凡人にはまねができるものではない。しかしそれ以上に
同社の製品が売れる要因は、そのものづくりに対する妥協なき姿勢であろう。日本に数多くありる豆腐製造業のほとんどが3個100円などの低価格競争から抜け出すことができずに倒産していく中で、同社の高価格な豆腐が受け入れられたのは、間違いなくその味であろう。極端に特徴的なパッケージで人目を引き、関心を喚起し、お試し買いした消費者の期待を大きく上回る味を提供することで、大きな差別化を成し遂げている。
豆腐という伝統的で成熟した産業において、たった一社で短期間に業界のルールさえも変えてしまった同社は、決して所謂MBA的なマーケティング理論を元にこれを計画、実践したわけではない。社長である著者も書中で認めているように、本人は社長業や経営に興味があるわけではなく、ただひたすらにおいしい豆腐をカッコ悪いカッコ良さという独自の世界観をもってお客様に満足してもらいたいという思いで突っ走った結果であるという。
こうした製品は、大手企業の組織の中で計画的な製品開発、マーケティングという流れの中からは決して生まれてくることがないものであろう。
しかし、この会社の成功は、押しなべて同質的な製品による低価格競争に終始している多くの食品メーカーが学ぶべきものが少なくない。 -
奇抜なパッケージで目を引く豆腐、ただし評判も悪くない、ぐらいにしか知らなかった。たまにジョニーは買ってくる。確かに美味しいとは思っていた。上梓されてすでに10年経つので、最近はどういう会社になっているのかな、と思うが、筆者が書いた、開発の奮闘努力を読んで、なるほどそこまで工夫を重ねて、作り込んでいる豆腐だということを初めて知った。
日本人には身近で、馴染みがあるからこそ、商売は難しいのだろう。でも、その難しさに、既成概念にとらわれずに、面白みを見出して、ひたすら挑戦し、挫折もしながら研究を繰り返してヒット商品に育ててきた。話の内容からは、筆者の性質はおそらく、いわゆるオタクと呼ばれるものに近いと思う。
ただ目立ちたいというのとは違う。面白ければいい、というだけでもない。全体から伝わって来たのは、徹底した自分の好みに対するこだわり。その好み、の部分がすんなり理解するのは難しく、安易に翻訳が許されない気がするが、あえて言えば、とにかく普通の常識の逆を行きたい、そして、おそらくは、自分自身の常識すら裏切りたい、ということのような気がする。予定調和は絶対に嫌なんだろうと思う。爆発的に最初から受けてやろうとは思っていない。あれ?と思わせたい。でも、ちょっといいかも、と思わせたい。それがやがて本人の想像を超えたヒットにつながっている。やはり、オタクの世界に通じる部分がある。オタクは他人の評価はあまり気にしない。オタクが世に出て、大きく受ける時は、オタク本人は最初から受けを狙っているわけではなく、本人は好きなことを追求しているだけ。筆者がたどって来た道はそれと同じに思える。
父親が大きな豆腐会社を経営していた、という境遇があり、そこに筆者のような息子が存在した、ということは偶然かもしれない。しかし、その境遇の上で、筆者は並々ならぬ情熱で、真摯に味、品質に研究を重ねて来た。奇抜なビジュアルだけで売ろうとする安易な発想では一切なかった。その横で、豆腐業界は全体としては、がんばって企業努力をしてきても、価格競争に陥り、大きな会社がどんどんつぶれてしまった。企業コンサルが考えるような対策とは縁のない世界で、筆者が、境遇をうまく利用し、オタクのノリで大成功した、そのストーリーが面白い。世の中の多くのビジネス本にはまったく書かれていない、学ぶべき点がたくさんある点が面白い。 -
伊藤信吾さん、イイ!!
この本を読んで、ファンになりました。
「ジョニーって豆腐旨いよね?」
と、次女の塾の先生が言っていたそうで…
家に帰って来て、
「ジョニー食べたことあるよね?」
「あるある男前豆腐じゃん」
「でも、最近、ジョニー食べてないな~見かけてもいない」
ネットで検索をかけると…
男前豆腐店のHP
http://otokomae.jp/
には、ジョニーが無い!
最近、食べているのは「濃厚ケンちゃん」豆腐だ!
ジョニーは廃盤?と、再度、検索…
http://www.sanwatousuian.co.jp/products/johnny/index.html
株式会社三和豆水庵…て、どこ?
そして、この本にたどりつく。
読んで、感動しました。
豆腐の味へのこだわり…マーケティング戦略…
面白い!いいな~楽しそうだ~!
ジョニーの味も日々変化している…と、
段々研究を重ねて、旨くなっていると…
それは、わかります。
ジョニー、以前、私は大好きで食べましたが…
子どもが、にがりのクセがあって嫌だと言っていました。
言われてみれば、確かに感じましたが、
最近、全く、感じません。
まあ、ケンちゃんしか食べていませんが…。
ケンチャンの安さの秘密も…
2006年発行なので、本には書いていませんが…
輸入大豆を使って、ジョニーと同じ製法で
美味しくて安い豆腐を作り始めたと書いてあったので…
ケンチャンは、その方向なんだなあ…と。
三和豆水庵は、もともとお父さんの会社で…
別ブランドとして、「男前豆腐店」を作ったけれど…
お父さんが、社長を退任してしまい、今は、別会社になってしまったとか…。
とりあえず、昨日は、
・男前豆腐店の「ケンチャン豆腐」
・三和豆水庵の「枝豆豆腐」
を購入し、食べました。どちらも美味しい~! -
単なる豆腐屋の話だと思ったけど
まあ、うまい豆腐だし、ネーミング面白いし
と思って手に取ったが
結構いろんな意味でヒントになることが多くあった
差別化の仕方、顧客第一主義からくる発想
安売り戦略からの脱却
そしてネーミングを含めた遊び心
品質を追求して、いいものを提供する
だからこそ、そこにある遊び心が際立つ
そして高価格帯で勝負する
単に笑えるかな って思って買ったけど
読み終えて 確かに 納得 と思えた一冊たった -
男前豆腐店の設立から「ジョニー」の完成秘話・進化の過程を綴った本。
現在のような「キャラ立ちした豆腐」の背景には様々な試行錯誤があり、根底には大量生産風の豆腐に対する嫌悪感があった。
予定調和の世界に背を向け、意外性を計算した上での「ダサカッコよさ」を演出しているところがポイント。それによって強烈なインパクトを与えて、意外な美味しさ(背景には徹底的な品質へのこだわり)で、二回目への購買意欲を誘う仕組。
モノ作りの現状に甘んずることなく、進化を追求し、常にアンテナを張り続けている社長のハングリー精神にも脱帽。