流星ワゴン

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062111102

作品紹介・あらすじ

37歳・秋「死んでもいい」と思っていた。ある夜、不思議なワゴンに乗った。そして-自分と同い歳の父と出逢った。僕らは、友達になれるだろうか。

感想・レビュー・書評

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  • ① この本を選んだ理由
    なにがきっかけか忘れたが、筆者とタイトルには惹かれた。


    ②あらすじ 
    家族がめちゃくちゃになってしまった38歳の男性が主人公。もう、死んでしまいたい、というぐらいに、気持ちが落ち込んでいる時に、ワゴンに乗った不思議な親子に出会う。そこから、人生の分岐点にワープして、人生を振り返っていく。


    ③感想
    面白かった。
    ファンタジーだが、泣けてくる。
    一気に読める。
    人生について考えさせられた。


    ④心に残ったこと
    人生の分岐点に、多くの人は気が付いていないということ。振り返りもしないだろう。


    ⑤登場人物 
    カズ
    妻 美代子
    子ども 広樹

    橋本義明
    橋本健太 息子

    父 チュウさん

  • 泣きました。
    何度も、何度も。
    「長編小説」という割には、一気に
    読み終わりました。読みやすい文体、構成、登場人物達の感情に、目が離せません。 
    「こんなワゴンがあったらいいのに」
    そう思う本です。
    父親とはなんぞや。生きるとは。
    そんな問いかけに、十分すぎるほどに応えてくれる一冊です。

    #一気読み #父親とは #生きる #ヒューマン #小説 #感動

  • 親孝行したい時には親はなし…という言葉を思い出した。子どもの頃に親に対して思っていた気持ちはいつまでたっても忘れることのないものだ。だからこそ自分が親になってから、親の気持ちが分かったりすることも増えてきた。もちろん、カズみたい親を反面教師にしているところもある。

    最後の最後にカズとチュウさんが分かり合えて良かった。そう思うともっと早くにちゃんと向き合える機会があったら良かったのに…。

    ドラマでこのお話がどんな風に表現されるかが楽しみだ。

  • 家族崩壊してしまったサラリーマンが深夜に出くわした不思議なワゴン。
    それに乗って人生の岐路だった時に遡り、未来を変えようとするが、現実は無情にも変わらない。

    生きていると、「ああしておけば良かった」と思うことは多々あると思うが、その時はその時の判断が正しいと思って選択する。

    後悔が無い人間はいないと思う。
    だから一期一会の精神がよく分かる気がする。
    生きる意欲が湧いてくる作品だ。

    またこの物語では親子の確執が解けていく情景も描かれており、
    「親子は別れようと思っても、別れられないものだ」
    と言うセリフが感動した。

    まさに重松作品の真骨頂だと思う。

  • 過去のどこかの時点で重要な分岐点があったに違いないと今の私はよく思う。別の選択肢があったのかもと。
    その半面、重要な分岐点にあったとしても、その頃の稚拙な頭と経験の不足さとではどのような選択をしていても、今の私とは行末(現在)が大して変わらないのだろうとも思う。
    サイテーな現在をつくった過去の一場面を経験し「少しでも未来を作り替える」ことを望んでも、やはり待っているのはサイテーな未来で、ただ少し幸せの感じ方や、希望の持ち方が変わる……そんなお話だ。
    父と息子が朋輩になって時間軸のいち部分で交わる、その展開が面白かった。
    男性だったらもっと共感する部分もあるのかな?
    読みながらクリスマスキャロルを思い出すのも確か。

  • 自分の人生にとって、とても大切な岐路。

    誰でもすぐに思いつくものなのかな?

    それは、見逃している瞬間であったり、目をそむけているような瞬間だったかもしれない。

    私もあった。

    今でも「あのときこうしていれば」と悔しくて悲しくて居たたまれない後悔の選択。

    でも、大切なのは悔やむことではなくて、

    事実を受け入れて、未来を信じること。

    知っていることと信じることは並列しない。

    知っていることは過去。
    信じることは未来。

    何もできないことを悔やむより、
    まだまだ長いこれからを信じたい。

    受け入れて先に進む。
    そうすれば明るい未来が開ける。

  • 特に誰が悪いということではないのだが、思いや行動がすれ違い関係の修復が難しくなった夫婦と親子のお話でした。
    ちょっとした気遣いや、思いやりが足りなかったことが積み重なり、いつのまにかバラバラ。
    こんなはずじゃなかったのに・・・・
    ちょっとわかる気がします。
    でも、決定的な何かがあるわけじゃない。
    そんなことが。運転手親子、主人公と父親、主人公と子供、主人公夫婦の間でとても切ない話が続きます。
    ほんとに切ないけど先が気になりページが進みます。
    ただ最後に、予断は許さないものの持ち直すかもと光が差すような終わり方でよかったです。

  • SF小説。出だし5ページ程で引き込まれてしまうストーリー構成がいいと思う。エロティックな表現方法も上手く、最後まで飽きさせない。最後は親子愛に感動して泣いてしまった。必読の小説だと思う。

  • 人生って、選択の連続。入試や就職、結婚など、大きな選択もそうだけど、日々の何気ない行動も、全て選択の連続なんだなぁ。重松清さんの作品は、2冊目だけど、この本も、色々と考えさせられ、内容の濃い本でした。後半は、涙が止まらなくて、一気に読んでしまいました。

  • お母さんがこの本を読んで、「お父さんの気持ちがよく分かる」と言っていた。
    お父さん目線で子どもの成長や家族の幸せを願う姿がとてもあたたかくて、ほっこりする。
    自分の父や、自分の息子と、苦悩しながらも向きあう強さは、不器用でもかっこいい。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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