切ないOLに捧ぐ (講談社文庫 う 26-8)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061859180

感想・レビュー・書評

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  • 脚本家であり、小説家でもある内館牧子さんのエッセイ。
    新卒後、三菱重工のOLをしていたそうで、OLから脚本家に転身するまでの約10年間が綴られている。

    大企業のOLなんて羨ましいとい思っていたが、内館さんの時代はそうでもなかったらしい。
    現代では考えられないくらいの酷い男女差別。
    特に女性事務職員というのは、会社の戦力としては全然期待されていないため、25歳を過ぎても結婚せずに会社に残っていたら、「まだいたの?」、「まだ結婚しないの?」とあからさまな嫌味を言われたそう。

    それでも内館さんは、自分が理想とする男性と出会うまでは結婚しないと決めて、キャリアアップを模索する。
    はじめは転職を考えるが、やはり三菱重工の待遇を考えると、なかなか転職できない(そりゃそうだ)。
    それで、趣味の一環としてスタートさせた脚本家養成スクールに通い始めたのをきっかけに脚本家に転身されたのだそうな。
    その後の活躍を見れば、もともと才能があったのだと思う。
    その才能がスクールによって磨かれて、運が味方をして、ここまでの結果を出すことが出来た。

    大手企業とはいえ、普通のOLがここまで成功をおさめることができたのは、夢があってとても良い話だと思った。

  • 面白かった!!一気に読んでしまったー。
    かなーり共感できる。私は内館さんに少し似ているかもと思った。あまり考えずカンで行動するところとか、思い立ったらすぐ動きたくなるところ、ジタバタするところ。。。
    働いて、一応幸せなんだけど、どこか物足りなくて、自分を必要とされたくてもがいて・・・。
    私も内館さんのようにどこかで才能発揮出来たらなー。
    そのためには、映画を毎日見て、シナリオ書いて、徹夜や寝不足状態で頑張るということも必要なんだなー。本気のジタバタが。

  • 女性として、かなり共感できる作品。内館さんの何事にも体当たりで、一生懸命な姿、そして嫌味がないさっぱりした語りがすごくかっこいい。とことん悩んで、とことん立ち向かおうって勇気が出た。

  • 「何があっても面白がる」って、実は私もマネして座右の銘にしたい。

  • 私自身「切ないOL」ではないのですが、縁がありこの本を読む機会がありました。22歳から34歳までのOL生活から、脚本家に転身する彼女の生き方がありのままに書いてあり、とても面白かったです。

    自分自身も20代後半で転機が訪れ、いろいろ経験した職場を退職を経験があるので、実体験と重なるところもあったし、なによりも内館牧子さんをもっと知りたくなりました。

  • ”実体験に添ってて面白かったよ”と、お勧めしてもらって読みました。無視する人、される人、泣く人、笑う人、何だか誰にでも共感してしまいました。”京にんじん”のOLの気持ちとか、“時々口をきかない症候群”のOLの気持ちも、わかるなぁ・・・、と思いながら読みました。わかるわかるが続々。う~ん・・・。
    内館さんてもっと怖い人かと思っていました。ごめんなさい。頑張れって言ってもらった気がします。ありがとう、頑張るよ!。(と伝えたい。)

  • 正直言って最初はタイトルから手に取ることができなかった。なんだか自分が疲れたOLだと認めるのがイヤだったし、なんか丁度「私ってこのままで良いのかしら」とすごく悩んでいた時期だった。

    この本はシナリオライターの内館 牧子さんがOLからシナリオライターになるまでのことを書いているエッセイだ。

    OLからシナリオライターへの華麗な変身…と書くと聞こえは良いが、いろいろと地道なこともやっていたり、紆余曲折などもあったことなどを、暗くならず、軽快なテンポで語っている。

    この本を読み、いろいろ言い訳せずに実行することが大切と改めて感じ、新しいことへのチャレンジをする意欲がわいた。

    「このままで良いのかしら」と感じながらも行動ができないでいる人たちにお勧めの一冊。

  • 酒井順子「負け犬の遠吠え」は、あんなにメディアに取り上げられる前であったら素直に気恥ずかしくなく手に取れたのに、と思う女性は多いのではないだろうか。気恥ずかしい題名、それは本書も同じである。エロ本を買う男子が他の本に挟んでレジに持っていく気持ちにも似て、正直、あまり人に見られたくない。自分が切ないOLだと見られるのは、たとえそうであったとしてもやはり悲しい。が、しかし、そう思う感覚を持った人にこそ、その恥ずかしさを乗り越えてでもこの本を読むことをお薦めする。入社したてで大事にしてもらったこと。いじわるなのはハイミスの御局OLではなく、別の人たちであったりすること。嫁き遅れた、という事実を上司や年若い後輩に無邪気なまでの残酷さで突き付けられること。このままではいけない、何かしよう、とあせること。そんな独身OLの日々の暮らしを一年毎に綴ってありながら、読後、不思議と元気がでてくるのは、あくまでも前向きのエッセイだからである。自分が何の取りえもないというのであれば、若いというだけでちやほやされている極楽時代にとっとと結婚して子供でも産んでおくという選択もあるよ、と何気なくさりげなく文中で警告されていても、そこには筆者のやさしさがある。自分には一体何が出来るのか、よく見極めて生きよう、というのが裏主題、と見たがこれ如何に。

  •  この本は、22歳の就職した年から始まって、13年間に渡るOL生活についてのエッセイ。
      年齢を追うごとに書かれている内容に共感度が高まっていくのはナゼだろう(笑)

  • 以外にも体育会系な内館牧子のエッセイ。もがきながら新しい道を掴もうとする姿に、前向きなパワーがもらえます。

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著者プロフィール

1948年秋田市生まれの東京育ち。武蔵野美術大学卒業。1988年脚本家としてデビュー。テレビドラマの脚本に「ひらり」(1993年第1回橋田壽賀子賞)、「毛利元就」(1997年NHK大河ドラマ)、「塀の中の中学校」(2011年第51回モンテカルロテレビ祭テレビフィルム部門最優秀作品賞およびモナコ赤十字賞)、「小さな神たちの祭り」(2021年アジアテレビジョンアワード最優秀作品賞)など多数。1995年には日本作詩大賞(唄:小林旭/腕に虹だけ)に入賞するなど幅広く活躍し、著書に映画化された小説『終わった人』や『すぐ死ぬんだから』『老害の人』、エッセイ『別れてよかった』など多数がある。元横綱審議委員で、2003年に大相撲研究のため東北大学大学院入学、2006年修了。その後も研究を続けている。2019年、旭日双光章受章。

「2023年 『今度生まれたら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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