遠いアメリカ (講談社文庫 と 13-4)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 59
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061845060

作品紹介・あらすじ

世の中が、ずっと貧しかった頃。クリーネックス・ティシューもまだ日本に入ってきていなかった、そんな時代にひたすらアメリカに焦がれ続けた青年重吉と、演劇に熱中した娘椙枝。愛と希望だけが頼りの、そのふたりのひたむきな生、揺れ動く心の襞を、鮮やかに浮かびあがらせた、直木賞受賞の名品集。

感想・レビュー・書評

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  • 1986年(昭和61年)の直木賞受賞作品。
    戦後から10年経過した1955年(昭和30年)が舞台。怠惰で内向的な主人公の能力を信じて励ます恋人の献身が印象に残った。

  • 今年の初めに著者が亡くなったことをニュースで知った。代表作は『遠いアメリカ』かつてハンバーガーもピザもクリネックスも日本にない時代。アメリカに憧れて、戦後アメリカ兵が読み捨てて古本屋に流れたボロボロのペーパーバックを読みながら、社会に出ることと自由に生きることのジレンマや故郷の父母へのアンビバレントに苛まれつつ生きる一人の若者。そのペーパーバックは彼以外の人にとってはただのゴミの山。著者の青春時代の幻影。この人のことは知らなかったが、アメリカに夢中だった自分にとっては読まずにいられない本だった。もう絶版になっていて古本で取り寄せ、ずっと積ん読していたけれど、ようやく読んだ。文章自体は別になんてこともなく上手くもないけれど、とにかく清々しい。

  • 【本学OPACへのリンク☟】
    https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/712173

  •  
    ── 常盤 新平《遠いアメリカ 1986‥‥ 19890801 講談社文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4061845063
     
     
    (20231128)

  • たまたま図書館で「ニューヨークの古本屋」手に取って読んだのが、常盤新平さんとの出会いでした。タイトルに惹かれたのです。その後、マフィア物を多く翻訳していること知り、「汝の父を敬え」を読みました。
    最近お亡くなりになったと聞いて、常盤さんの翻訳以外のものを初めて読みました。自伝的小説らしく、何だか今の私の境遇とすこし似ている所があり、ぐっときました。

  • 20091015-20091018

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著者プロフィール

1931-2013。岩手県生まれ。長年にわたってアーウィン・ショーなど現代アメリカ小説やニュージャーナリズム作品を数多く紹介してきた名翻訳家。86年、自伝的小説「遠いアメリカ」で直木賞受賞。洗練されたエッセイにも定評がある。

「2022年 『新版 O・ヘンリー ラブ・ストーリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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