英国人写真家の見た明治日本 (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061597105

作品紹介・あらすじ

スコット南極探検隊の映像記録を残したポンティングは、世界を旅し、日本を殊の外愛し、この世の楽園と讃えた。京都の名工との交流、日本の美術工芸品への高い評価。美しい日本の風景や日本女性への愛情こもる叙述。浅間山噴火や決死の富士下山行など迫力満点の描写。江戸の面影が今なお色濃く残る百年前の明治の様子が著者自らが写した貴重な写真とともにありありと甦る。

感想・レビュー・書評

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  • 2005年(底本1988年、原著1910年)刊行。
     
     日露戦争の時期に日本に滞在したイギリス写真家による日本探訪記である。カメラマンとしての写真も幾つか掲載される。

     京都や保津川下り、あるいは富士登山はさして目新しくはないが、薩摩出身軍人との会談、女性の暮らしぶり(一面ではあるが)が目を引くところ。

     ただし、抄訳であるのはいただけない。

  • かなりの読み応えのある分量なのに、訳者後書きを読んで愕然。これでも、いくつかの章が割愛されているのであった...。文庫本なので、写真が小さくて不鮮明なのが残念ではあるが、明治日本の雰囲気は十分に伝わる。

  • 明治日本の風景が目に浮かびます。写真も興味深いです。

  • 富士山の山頂近くで過ごしたエピソードが印象的でした。女性ポートレートも秀逸!

  • 100年前の日本がこの本の中にあった。
    著者が日本の観光地をめぐり、自分の体験を写真と共に紹介している。
    風景や環境は大きく変わってしまったようだが、日本人の本質などは大きく変わっていないように感じた。これは著者が数ヶ月に及ぶ日本滞在の中で日本人を正確に観察した結果が、素晴らしい文章で表現され、それを私が感じ取ることができたからではないだろうか。特に女性は、社会的地位は高くはないものの、家庭では絶対的権限を持っていたことがよくわかる。また、当時の日本人には当たり前のようなことが、外国人(著者)の目を通すと変わったことや素晴らしい文化であったことなど紹介されていたが、これらも現代でも残っていることが書かれていて、とても面白く読むことができた。

  • 明治時代後期の日本に関する日本滞在記です。

    著者のポンティングは、スコット大佐の南極探検にカメラマンとして同行した経験を持ちます。

    日本の風景、風俗などに関する写真を見るだけでも楽しい1冊ですが、著者の紀行が生き生きと描かれており、最後まで読者を飽きさせることがありません。

    東京湾からの富士山の眺めに心奪われ、京都の寺や名工の技に感嘆し、保津川の川下りを満喫し、富士登山を決行するなど、著者自身が日本生活を心行くまで楽しんだことがうかがえます。

    個人的には、日本の婦人についての考察がとてもユニークでした。

  • 昔の日本人を理解するには明治に日本に来た外国人の視点がわかりやすい。変な感じだが。

  • 克明な描写と写真で100年以上前の日本の雰囲気を感じ取れた。日露戦争時の日本人の振る舞いや、見知らぬ若い男女が混浴して談笑していたことなど、新鮮に感じる部分があった。

  • 100年前出版された本。イギリス人写真家で特派員が来日し、あちこちで撮影。見た事や感じた事が書かれている。
    彼が絶賛するのは富士山と女性。日本の婦人は優雅で愛嬌が良くて控えめだそうである。周りを見回しておおかた当たっているようにも思う。
    彼は日露戦争にも従軍し、旅順の戦地にも病院にも行っている。そこでも健気でやさしい日本の看護婦に対して絶賛している。
    それにしても明治の日本はなんと美しかったのだろう。白黒写真だが、情緒が伝わって来る。
    なんとか風光明媚なところの景観を残してほしいと思う。

  • (欲しい!)/文庫

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