- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061493766
作品紹介・あらすじ
身体の傷は治っても心の傷は消えない。人格を、ときには人生さえ支配してしまうトラウマとは何か。第一線での臨床活動をふまえて「子どもの虐待」の問題をとらえなおし、傷ついた子と親の心の回復を説く。(講談社現代新書)
トラウマの視点から親子の関係を問い直す。なぜ子どもを傷つけてしまうのか。傷ついた心はどのように癒されるのか。現場の体験を通して子ども虐待の深層をえぐり、子と親の心の再生と回復の道を語る。
感想・レビュー・書評
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トラウマや虐待について調べていた。
どんな原理でトラウマが埋め込まれてしまうのか、トラウマができてしまったあとはどうなるのか、対処法など、を色んな人の経験談などをたくさん混じえながら知ることができた。この1冊に情報がたっぷり詰まっていて、読み応えもあった。虐待は強い立場の親が弱い立場の子供に対して行う「親権の乱用」。こんな考えもあるんだなと新鮮だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
児童虐待にまつわる行動や関係性を、「トラウマ」の切り口から解説します。このトピックスが大きく取り上げられる直前の1997年初版ですが、表現がシンプルで明快なので、今でもまったく古さを感じませんでした。
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充実したテキスト。何回も読み直してます。
・PTSD
単純性PTSD
複雑性PTSD/DESNOS
・ヴァンデアコーク
自分にとってトラウマとなった体験を人に与える
自分自身でトラウマを繰り返す
トラウマとなった人間関係を繰り返す
・トラウマ刺激
テアによる分類 タイプⅠ、Ⅱ
マクファーレンによる分類 累積性指摘
・精神分析
カタルシス、除反応
・EDMRとインナーチャイルド
イメージ療法
・子どもへの心理療法
ギルによる分類 修正的接近と回復的接近
治療的養育(米)
・セルフヘルプグループ -
「児童虐待」を、「親による親権の『乱用』」と再定義している点が本書の最大の特徴であり、新鮮。
この解釈は、なぜ親が自分の子供を肉体的・精神的に傷つけてしまうのかという親側の心理を理解するための重要な補助線となる。
この問題が決して一部の特殊な家庭や親のパーソナルな問題ではないということを知らしめてくれる良書。 -
高校生の必読書に指定しても良いかも。知識として入れて置くべき内容です。
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性的虐待が統計上少ないが、実際には隠れているだけだという指摘や、abuseと虐待のニュアンスの違いなど、かなり前の本だが、見るべきところ多い。
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思索
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児童虐待について、知らなかったことがたくさん学べた。児童福祉について知識がない人にとってもわかりやすく書かれていると思う。
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C-PTSDの人には読んで欲しい一冊。しかしあまりにリアルで読みながら苦しくなるだろう。自分のペースで辛くなったら本を閉じて…しかしこんなに参考になった本はないという内容で満足だった。