だれもしらない小さな国 (講談社文庫 さ 1-10 コロボックル物語 1)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061311831

感想・レビュー・書評

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  • 誰もが幼い頃に読んだことがあるであろう不朽の名作児童文学。
    大人になった今、改めて読んでも、やはり面白い!時代の古さは多々感じるものの、佐藤さとるさんの持つ少年のような心、発想、理屈抜きで没頭できる世界観。
    そして、コロボックル物語にぴったりの村上勉さんの、個性的なイラスト。
    ファンタスティック!

    ところで、解説がまた別の意味で凄いんですよ。当時青山学院大学の教授だった神宮輝夫さん。こんな理屈っぽい解説、久し振りに見た(笑)。私の弱い頭では、何回読んでも云わんとすることがよく理解できん(笑)。そもそも、褒めてるの?貶してるの?どっちや(笑)

  • ・こぼしさま
    ・コロボックル
    ・せいたかさん
    ・おちび先生

  • 滅多に本を読まない母からすすめられた唯一の本。

    小学生のときに読みながら「コロボックルがいたら…」とよく想像していました。
    とにかく夢がいっぱい詰まった本です。
    私が生まれる随分前に出版された本だけど、こうして年代問わず読み継がれる本がいつまでも残ってくれるようにと願います。

  • 中学の頃に読んだ本。

    ほのぼのしていて自然の描写が綺麗で、こういう本が好きだったことを思い出させてくれた。

  •  コロボックル物語を知ったのは18歳の時だった。その時なぜ児童文学を読もうと思ったのかはもう覚えていない。単に表紙の絵が良かったという理由だけだった様な気がする。しかし、読んでみたら、すぐに引き込まれてしまった。こんなに自然で素敵な物語はどこを探してもないと思う。

     コロボックル物語は児童文学作家・佐藤さとるさんの作品で5つのシリーズからなっている。コロボックルとは大昔から日本に住んでいる小人の一族のこと。彼らは小指程の大きさで、とてもすばしっこい為、見つけることは難しい。また、言葉は日本語を話すが、とても早口なのでゆっくり話してもらわないと「ルルルルッ」としか聞き取ることができない。大昔は人との交流もあったが、コロボックルを金儲けに使おうとする人間がたくさんいたので、隠れてしまったのだそうだ。

     シリーズ第一巻「だれも知らない小さな国」で主人公のせいたかさん(コロボックル達から付けられた名前)は、コロボックルに出会い、コロボックルの住む小山を守り、その小山を買取る。そして、だれも知らない小さな国・コロボックル小国が生まれる。人とコロボックルの交流の物語はどんどん発展していく。

     佐藤さとるさんは第一巻のあとがきで「なぜコロボックル物語を書いたか?」についてふれている。

     「わたしたちの日本には、どういうわけか、小人族の話があまり伝わっていません。なんとなくおかしみがあって、そのくせ、いくらかおそろしいところもあるような、ひとくちにいえば西洋の妖精のような小人を、わたしたちの祖先は残しておいてくれなかったようです。
     はじめのうち、わたしは、このことがざんねんでたまりませんでした。しかし、アイヌ伝説のなかに、コロボックルの話を見つけ出してからは、いまからでもけっしておそくはないと思うようになったのです。これから日本人の心に、おにやてんぐやかっぱなどにくわえて、もうひとつ、わたしの手で小人をわりこませることができたら、どんなにゆかいだろう!そんな願いを持ったのです。そして、その小人にはぜひとも、コロボックルに再登場してもらわなければならないと考えました。そんなことからいって、この物語は、大むかしのコロボックルを、わたしが、あらためて現代の世の中に紹介しようとしたものだといっても、ほとんどまちがいありません。
     しかし、ほんとうのことをいうと、わたしがこの物語で書きたかったのは、コロボックルの紹介だけではないのです。人がそれぞれの心の中に持っている、小さな世界のことなのです。人はだれでも心の中に、その人だけの世界をもっています。その世界は、他人からのぞいたくらいでは、もちろんわかりません。それは、その人だけのものだからです。そういう自分だけの世界を、正しく、明るく、しんぼうづよく育てていくことのとうとさを、わたしは書いてみたかったのです。
     自分だけの小さな世界は、たいせつにしなければいけないと思います。同時に、他人にもそういう世界があるのだということ、よく知って、できるだけ、たいせつにしてやらなければいけないでしょう。
     とにかくわたしは、この物語で、コロボックル小国をえがきだしてみました。それは、わたしの心の中の小さな世界でもあります。」

     少し文をまとめて紹介しようと思ったが、そのまま載せてしまった。自分の文章力の無さもあるが、この文ひとつで、佐藤さとるさんの文の素直さ、誠実さ、やさしさと、佐藤さとるさんの人柄がそのまま表れているように思ったため、手を加えることなく紹介した。佐藤さとるさんの野望を述べている部分(「これから日本人の心に、おにやてんぐやかっぱなどにくわえて、もうひとつ、わたしの手で小人をわりこませることができたら、どんなにゆかいだろう!」)が、とても気に入っている。

  • ここから始まる「コロボックル・シリーズ」。
    中でもこの作品はいちばん好きです。

    もしも、あなたのそばに小人がいて、素早い動きと注意深さで人間に見つからないように暮らしていたとしたら…
    いや、かれらが実はいるのだということがわかるお話。

    そんなかれらと出会い、友人になることができたやさしい青年のお話。

  • 私の原点といってもいいかもしれない。
    母が持っていたもので、「おもしろいよ」と言われて手にした本。
    本当におもしろくて、ワクワクしながら読んだ記憶があります。
    このシリーズは通しで今でも時々振り返って読み返していてやっぱり大好きです。
    母娘二代で受け継いだ本なのでボロボロです(笑)

  • ころぼっくる。民俗学の奥深さを知った本。ではなくて、コロボックルの生活が幼心に楽しそうでついつい探してしまった。限られた人の前にしか姿を見せないというのもツボです。

  • 2009/10/19購入

  • 全巻収集(読了済)。

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著者プロフィール

1928年、神奈川県横須賀市に生まれる。1959年、『だれも知らない小さな国』を出版し、毎日出版文化賞、国際アンデルセン賞国内賞他を受賞。コロボックルシリーズをはじめ、『かえるのアパート』、『おばあさんのひこうき』などの名作を次々に発表。日本の児童文学の代表的作家の一人。

「2009年 『もうひとつのコロボックル物語 ヒノキノヒコのかくれ家 人形のすきな男の子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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