- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784054057920
作品紹介・あらすじ
古事記全文をライブで講義した伝説の講演を書籍化! あるときはシュウォウォウォウォ~ン、ファッファッファッファ~などという奇怪な擬音語が出てきたり、話が脱線して進化論の話になったりと、とにかく飽きさせない前代未聞・抱腹絶倒のスーパー講義録!
感想・レビュー・書評
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『現代語古事記』をテキストに、著者が行った講義をまとめたもの(DVD版の講義録もあり、その書籍化とも言える)。
『現代語古事記』は現代語訳した文章と、和歌の解説が淡々と続くので、だんだん退屈して最後の方は読むのがつらいところもあった。
でも、この本は著者がしゃべっている言葉をほぼそのまま文字にしてあるので、面白い。スイスイ読める。
著者の解説がわかりやすいので、納得して理解が深まる。
「日本人は全員『古事記』を読むべき」というのが著者の主張。「自然観、死生観、歴史観の3つが民族の精神には重要で、それが全部書いてあるから」なのだそうだ。
現代語訳を読んだだけでは、もうひとつそれがよくわからなかった。
ところが、講義だと著者の見解がわかるので、よく理解できる。
日本人の考え方のルーツなので、やはり読んでおいた方がいいと感じた。
ただし、面白く読めたのは退屈だと思いながらも『現代語古事記』を読み切って、だいたいの内容が頭に入っていたからだと思う。
可能なら、2冊並べて読むのがおすすめです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本当に読んでよかったと思える本でした。500ページ以上あり、最初は読む気が失せましたが1週間程で読み終わってしまいました‼️文字が大きい訳でもないのですが、文章自体簡単なので読みやすいと思います‼️
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久々に良いものを読ませてもらった。
眼からうろこの連続だった……!!
根の堅洲(かたす)国≠黄泉の国(死後の世界は複数あり、アリの巣のようになっている説)
神は寿命や病死で無くなることはないが、外傷で死ぬということなど。何度も古事記を読み返してきたはずなのに、初めて気づかされたことも多かった。
……ただ、箸についてアルバイトにクレームをつけたのはいただけなかった。 -
なぜ私たちは日本人なのに自分の国の神話を知らないのかということや、今の私たちの生活に強く結びついている考え方、そしてなぜ宗教戦争が世界中であっていた中でも日本では宗教戦争が起こらなかったのかなど色々なことを学ぶことができとてもいい本だと思った。
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軽快な語り口でめちゃくちゃ楽しかった
古事記というとどうしても構えてしまうけれど、昔の人にとってはジャンプのような気軽に楽しめるものだったんだろうな〜
斐伊川の氾濫をヤマタノオロチに喩えたり、教訓的な寓話と読み解くのも面白いかも
教科書は猿からじゃなく天地初発から始めてほしい
最初の人物は邪馬一国の卑弥呼じゃなくて、イザナギでしょ!
ただ、ちょっと偏り過ぎている部分も。。 -
著者の「現代語古事記」を講義した内容を書籍化したもの。入門用として良い本だと思う。
話し言葉で書かれているのでスルスルと読める。難しい古事記の話を、現代に対する視点も絡めながら面白く書いている。いくつか声を出して笑ってしまった。
全体的には保守的な論者らしく書かれている。日本人は古事記を読むべきだという話は納得もする。大まかなストーリーを簡単に掘り下げているので、ここから古事記の世界に入って、逆の論法や難しい歴史を追って行っても分かりやすいだろう。 -
『現代語古事記』と併せて読むのがおすすめ。
現代語古事記をテキストにして著者が開いた講義を書き起こした本。
現代語古事記でも面白い解説が沢山入っていたけど、あの訳を更にくだいてそこにさらに上乗せして面白い解説や豆知識が沢山なのでついつい笑ってしまう。
日本の神様は万能ではないが、その分人間味が溢れている。
教科書もちゃんと日本の初代天皇から書くべきだよなぁ。
古事記がそれまでの漢文ではなく、日本語が記された初めての書だってのがまた凄い。
太安万侶が居たおかげで、今の日本語の表記がある。
日本人ってやっぱり凄いわ。 -
「古事記」を現代風味で、面白おかしく読み易く解説した本。実際に起こったことなので、それが天皇家にとってマイナスイメージであったとしても記されているという著者の考えには一理あると感じた。古事記を愉しく読むための入門書としては最高の一冊かも。
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古事記に書かれてあることが事実かフィクションかということはさておき、読み物として充分面白いと思います。神様でも失敗があったり、周りに翻弄されたり、また人間臭さ漂うキャラクターの数々は、今に通ずるドラマを見ているかのようでした。それにはやはり著者の軽妙な語り口と分かりやすい例え話、そして節々に関連したエピソードやアドリブの数々があってこそ。でなければ、321柱登場すると言われている神様の長く読み難い名前に気が滅入ってしまうかもしれません。そんな筆者の話は結構脱線しますが、それはそれで単に笑い話で息抜きになったり、古事記とは別の部分で勉強になったりと無駄な部分はありません。ただ、元々が「現代語訳古事記」をテキストとした講義録を文字に起こしたものですので、原文の引用がなく理解ができないところもありました。そこはあらためて「現代語訳古事記」を読んでみたいと思います。また、古事記に初めて触れる方にとっても導入として素晴らしい書籍だと思います。