- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784049148732
作品紹介・あらすじ
――応募総数4,128作品の頂点――
第29回電撃小説大賞《大賞》受賞作
具合が悪い日、面倒な日直の仕事がある日、定期テストの日……。彼女が学校に行くのが億劫な日に、私は呼び出される。
愛川素直という少女の分身体、便利な身代わり、それが私。姿形は全く同じでも、性格はちょっと違うんだけど。
自由に出歩くことはできない、明日の予定だって立てられない、オリジナルのために働くのが使命のレプリカ。
だったはずなのに、恋をしてしまったんだ。
好きになった彼に私のことを見分けてもらうために、髪型をハーフアップにした。
学校をさぼって、内緒で二人きりの遠足をした。そして、明日も、明後日も、その先も会う約束をした。
名前も、体も、ぜんぶ借り物で、空っぽだったはずの私だけど――この恋心は、私だけのもの。
海沿いの街で巻き起こる、とっても純粋で、ちょっぴり不思議な“はじめて”の青春ラブストーリー。
感想・レビュー・書評
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可愛いお話しでした。
突っ込みどころはたくさんありましたが、もし自分にレプリカがいたら?自分がレプリカだったら?
想像の膨らむ1冊でした。
中高生に良さそうです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
電撃大賞作品。
読んでみたいなと思ったきっかけは、本の絵柄が凄く好きだったのと、小学館文庫大賞の『わたしはあなたの涙になりたい』の作者、四季先生(金賞受賞)をおさえて大賞をとったというのでどんな作品なのか気になって。
ちなみに、去年感動した四季先生をおさえて大賞なんて許さん!じゃなくて、四季先生の受賞作の文章、めちゃめちゃ綺麗な文章だったなと思っていたので、あの文章書く人が金賞取った中で更に上の賞をとったというのでどんな作品よ?と期待を込めての気になってっていう意味です。
正直、はじめの100ページくらいは、私の好きな展開の話ではなくて、陰鬱で「うわぁ~、これしんどいかもなぁ」なんて思っていました。
文章が入り込みやすすぎて、序盤が私が好きな展開じゃない分、余計にしんどくて。
ところが、100ページ程度読んだあとにくるアオハル感が素敵で、途中、ヒロインである、レプリカのナオの感情に引きつられて泣いてしまったり、嬉しくなったりで、私のいろんな感情をナオによって揺さぶられました。
いや、全く大したJKですよ、ナオさん。
ある意味ボーイミーツガールならぬガールミーツボーイな話ですが、実は、自分とは何者なのか?と悩む若者に対して、
「自分が何者かなんてわかるはずないのだから、そんなことで悩んでないで、全力でいまを生きて楽しんでみろ」
そんなメッセージも聞こえてくるような気がする、そんなアオハル小説です。
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まず設定で惹き付けられるし、展開もベタなシーンも予想外の妙もあるし、それを一気に読ませる瑞々しくも鋭利な文体が心地よい。さすが電撃大賞を受賞した作品だなと感じました。
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美しい比喩表現の下で語られる、瑞々しい青春物語。 レプリカが、自身のアイデンティティに思い悩む様子が精緻に綴られた、心温まる物語でした。 また、ナオとアキの、動物園や夏祭りでの交流などが、透明感のある丁寧な分筆で綴られており、彼らの心温まる交流が目の前に浮かぶようで、良かったです。 ただ、正直に言うと、ロボットの意識の話の変形にしか見えない割に、レプリカ周りの設定が詰まっていないように見えるのが気になります。また、シナリオ展開も普通といった所で、大賞作品としてはもう一捻り欲しかった所です。
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ヒロインはりっちゃんだった
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ドッペルゲンガー的存在のナオ。オリジナルが不調な時に代わりに学校に生活をしていました。
ニセモノとして目立たないようにしている中、クラスメイトの一人が気になり、見てほしいと思うようになってしまいました。
めちゃくちゃ面白い。
恋愛の揺れ動きが本作の設定だからこそより強く描かれているし、その文章も流れるように、けれど確かにあるような感情を描いていて、めちゃくちゃ良かったです。
そしてニセモノが最後まで、ちゃんとオリジナルとは異なる存在として描かれていくのもすごく好きでした。自身の存在への疑問、恐ろしさ。恋愛との兼ね合いもとても好きです。 -
電撃小説大賞受賞作品。ライトノベル新人賞の作品は単巻できりよく纏まっているものが多いので結構好き。普段ラブコメとか恋愛小説はあまり読まないけど、忘れた時にふと読んでみると、優しい気持ちになれる。レプリカの主人公が贈るちょっと不思議な日常はとても引き込まれるし、何気ない日常の大切さを再認識させてくれるストーリー・キャラクターはすばらしかったです。一番気に入った登場人物はりっちゃん。重要な役回りを担うだけでなく、ほっこりするシーンも多くて素敵でした。