今夜、世界からこの涙が消えても (メディアワークス文庫)
- KADOKAWA (2022年6月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784049144666
作品紹介・あらすじ
僕の大学生活は平凡だった。綿矢先輩と出会うまでは――。
「先輩って大恋愛とかしたことなさそうですよね」「君が知らないだけだよ」。そんな会話から始まった勢い任せの告白。
しかし先輩は“私を本気で好きにならないこと”を条件に告白を受け入れるという。
そうして始まった儚い恋人ごっこ。浮かれていた僕はやがて知る――先輩が“忘れられない恋”を抱えていることを。時折見せる悲しい表情のわけをどうしても知りたくなった僕は、偶然出会った、先輩の高校時代の親友・日野真織に声をかけるのだが……。
映画化で話題沸騰、世界中で感動の声続々の恋と記憶の物語『今夜、世界からこの恋が消えても』の続編がついに登場。
原作でも物語の鍵を握るキャラクター・綿矢泉を中心に描かれる、誰にも気づかれることのなかった“もう一つの切ない恋”。
◆目次◆
さよならの仕方を教えて
知らない彼女の、知れない彼女
この世の光の只中で
終氷
拝啓、あなたへ
感想・レビュー・書評
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「今夜、世界からこの恋が消えても」のスピンオフ作品。
「今夜、世界からこの恋が消えても」の終わり方も、悲しさはあれど、進んでいる感じで良かったが、今作も終わり方がハッピーエンドな感じで良かった。
今度は泉が主人となっていて、複雑な心境を吐露しながらも物語が進んでいく。
途中、泉の両親の関係性についての描写があるが、その部分を読むと、今の泉の関わり方がはっきりイメージできるようになった。
無理に記憶を消そうとしなくていいよ、というメッセージは、個人的に印象に残った。
生きている限り、いいこともそうじゃないことも色々覚えていくことになるが、それも含めて、自分を形成していると思うと、必要な思い出だなぁと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『今夜、世界からこの恋が消えても』のスピンオフ。主人公は綿矢泉。大学の後輩・成瀬透と付き合うが、すぐに別れる。神谷透への想いがつのるばかりで、悲しいエンディングを予想したが、自分にとっては意外な結末に。スピンオフの方が良かった。
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優しすぎる世界、好きな人を思い好きな人より長生きする。こんな世界を当たり前だと思わず、こんな世界が目の前にあることに、家族に感謝しかないです。
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前作のスピンオフ。こちらは泉が主人公。
回想シーンで登場する真織と透に、前作の感動が蘇ってウルウルきてしまった。
今作の泉と成瀬君の関係も、負けず劣らず素敵!
2冊とも読んで初めて、この物語が完結した気がする。
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透くんにまた会いたくて、こちらのスピンオフも。
愛とはなんだろうか。
泉と同じように、その感情をフィクションのように思っていました。
自分よりも大切にしたいと思える人の存在と、大切にして生きるために頑張ることが、愛なのかなと、この物語を読んで感じました。
「全ての憂いや心配を忘れさせ、自分をただの女の子にしてくれる。ひょっとしてそれが恋愛なんだろうか。」 -
続編のような感じですが、綿谷目線で過去のことも振り返るのでこんな事を思ってたんだ、とかが分かり楽しめました。
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どこまでも友達想いな泉ちゃんに惚れた
決してハッピーエンドでは終わらせず登場人物がどのように成長するのか読者が考えさせられるのがよき、、 -
セカコイのスピンオフで新しい人物も出てきたけど充分楽しめた。
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大切な人をもっと大切にしようと思わせてくれる作品です!
今夜、世界からこの恋が消えてもを読んだ人はこれもセットで読んだ方がいいと思います! -
愛は一番美しくて、なおかつ、1番歪んでいる。
人にはあまり言わないけど、自分の中で忘れたくないと思う感情って、誰しもが持っていると思う。それを無理して棄てようとするのではなくて、受け入れた上でそのままでいいと思えると未来の自分が辛い想いをしなくて済むのかなと感じた。
時間は良くも悪くも過去を置き去りにして過ぎ去っていってしまうから、つなぎ止めておきたい大切な感情を、生涯大事にしていく生き方を私はしたい。