MILGRAM 実験監獄と看守の少女 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.24
  • (12)
  • (9)
  • (3)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 186
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049142723

作品紹介・あらすじ

一人の看守の少女が、五人の囚人たちの有罪/無罪を決める謎の監獄を舞台に、現代の「罪と罰」が暴かれる衝撃の問題作!
大人気ボカロP・DECO*27とゲームライター山中拓也による話題の音楽プロジェクトから生まれた物語。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 自分が読んできた本の中で一番の問題作でした。
    いろいろとヤバすぎる。次々と出てくる真実に自分の感情や表情が何度も変わっていって、最高に楽しかった!!

  • ようこそ。ここは実験監獄。あなたの倫理観を試す物語
    五人の「ヒトゴロシ」の囚人たち、その有罪/無罪を決める謎の監獄「ミルグラム」。彼らが犯した「罪」を探るのは、過去の記憶を一切失った看守の少女エス。
    次第に明らかになる「ヒトゴロシ」たちの過去と、彼らに下される残酷なまでの「罰」。そして「ミルグラム」誕生にまつわる真相が暴かれた時、予測不能な驚愕の結末になだれ込む――。
    すべてを知ったあなたは赦せるかな?
    DECO*27×山中拓也による楽曲プロジェクト「ミルグラム」から生まれた衝撃作。

  • 最近、本家ミルグラムを友達からオススメされて瞬く間にどハマリした作品の過去のミルグラム実験の物語。
    本家の方は何度も曲やドラマパートなどを聞いて、赦す、赦さないの判断が一審、二審と変わっていくことに自分でもかなり悩んでいた。
    この物語では今のような三審制ではなく看守エスのその場の判決で許されなかった場合たちまち粛清が行われるシステム。
    登場人物もみんな一つの因果で繋がっていて、あのとき誰か一人でも行動を変えていれば結果が変わりそうなものだったり、審判の順番によっても結果は大きく変わっていただろうと思う。
    物語の一面だけみて、赦す、赦さないを判断するのはむずかしく、ここでも捉えられていた「罪の解像度」がキーだなと思う。
    解像度が上がるほどに判断が難しくなり、何が正解か分からなくなる。極論現代の法治国家では単純に直接人を死に追いやった「ヒトゴロシ」はしてはいけないことではあるけど、直接手を下さなくても人は死ぬし、人はコロせてしまう。
    この物語ではすごく限られた情報だけで判決をしなければならなかった点でヒトゴロシ=悪という構図にしか結果なれなかったと思うからシステムとしては不完全。
    人を裁くと言うのは、表面だけで悪と決めつけ判断するのもいけないし、と言っても結果として人が死んでいるという事実と向き合い、判断しなければならないから本当に何が正解なんだろうなと思う。
    今のミルグラムは多数決制であり、一人の主観ではなく様々な視点で赦す、赦さないを決定している場ではあるけれど、その代わり一人一人の判決に対する責任の重さが無くなってしまうと思う。自分の判決で人の命を奪うことになる可能性への罪悪感からは逃れられてしまう。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

小説、マンガ原作、ゲームシナリオ等、幅広い分野で活躍中。『小説 二息歩行』『青鬼 調査クラブ』『ラストで君は「まさか!」と言う』シリーズ(共著)など多数。

「2023年 『MILGRAM2 正当な善なる殺人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

波摘の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×