監獄に生きる君たちへ (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 1425
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049133752

作品紹介・あらすじ

廃屋に閉じ込められた六人の高校生たち。あるのは僅かな食糧と、一通の手紙――。【私を殺した犯人を暴け】差出人は真鶴茜。七年前の花火の夜、ここで死んだ恩人だった。
 謎の残る不審な事故。だが今更、誰が何のために? 恐怖の中、脱出のため彼らはあの夜の証言を重ねていく。
 児童福祉司だった茜に救われた過去。みんなと見た花火の感動。その裏側の誰かの不審な行動。見え隠れする嘘と秘密……この中に犯人がいる?
 全ての証言が終わる時、衝撃の真実が暴かれる。

 衝撃の結末、慟哭と感動が心に突き刺さる――! 発売から大重版を重ねる『15歳のテロリスト』『僕が僕をやめる日』松村涼哉の、一気読み必至の衝撃ミステリー、待望の最新刊!

感想・レビュー・書評

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  • 友だちにたまたま借りて読んだ本。正直こんなに面白いとは思っていませんでした!ミステリーの分類に入るのかな?6人の話をドキドキしながら読みました。最後のページをめくるのは惜しいぐらいでした!当然星5です!

  • '23年5月30日、Amazon audibleで、聴き終えました。松村涼哉さんの小説、三作目。

    過去に聴いた「15歳の〜」と「僕が僕を〜」と比べると、ちょっとなぁ、という感想です。

    設定は、面白いと思いました。でも、主人公たち(特に、アカネさんとリツくん)が、「背負い過ぎ」てて、ちょっと╮⁠(⁠╯⁠_⁠╰⁠)⁠╭凄く違和感がありました。

    児童福祉士(と、いうのかな?)が、足りない問題は良くわかるし、子供たちの問題は解決しなきゃいけないけど…ある意味ドライにやらないと、負荷がかかりすぎて、共倒れになっちゃうのでは?倒れたら、助けられる子供も助けられない。熱い心と共に、冷たい頭脳とでもいうのか…冷静さがないといけない、と感じました。僕は、福祉の仕事をする方には、それが絶対条件だと思います。ヘルパーが倒れるまで働いては、いけない!
    なので、ラストにも、違和感をもちました。

    若者を対象とした小説…だろうから、オッサンがあーだこーだと云う意味も無いのかもಥ⁠‿⁠ಥトホホ…ごめんなさいm(_ _;)m

  • おススメされた一冊。

    読んだ人は、この終わり方をどう捉えるんだろう。

    確かに生まれてから、ある程度の時を経るまで、子どもたちは大人に委ねるしかない面がある。
    子どもたちが幸せであることを願いながら、現実はそうではなく、彼らの苦しみに関わる人たちさえ疲弊してしまっていることを知っている。

    だから、真鶴茜の死は、こうした形で終わっていいんだろうか、と思う。
    彼女が目指したものは、誰かを助けることじゃなく、子どもたちを幸せにすること、なのだろうと思うからだ。

    彼らの置かれた場所が「監獄」であることに気付くことから、きっと変化は始まる。
    そういう意味で、出来れば、もう少し先のエピローグまで読みたかった。

  • 最初はこんなに深い物語だと思いませんでした。
    そして、ミステリーではあるのに、難しいことが苦手な私でもついて行きやすい素敵な小説でした。
    登場人物が私と同じくらいの歳というのと、鍵になる部分は幼い頃の彼らなのでなおさら分かりやすくてありがたかったです!
    私の勝手なイメージですが、ミステリーというものは謎が序盤に出てきて、それを解き明かすものというイメージでした。そこに隠された筆者の想いはあると思いますが、それが物語に大きく影響するようなものだとは思っていませんでした。悪く言えば謎を解いて終わり。よく言えば他には無い謎を解く楽しさがある。
    そのイメージが完全に壊されました!ミステリーではあるものの、終盤につれてそれぞれの想いが打ち明けられ、小説という短い物語の中でこんなにも胸がドキドキするのかと思いました。
    最初に心を掴まれて、ぐだぐだした部分がなく、淡々と物語が進んでいくので最後まで一気にスラスラ読めます!
    何度読んでも悲しくて素敵な物語です。
    いつかではなく今、不幸な子供たちが報われる現実へ。日本が海外や発展途上国に目を向け始めている今、日本で起きている問題について、深く考えて私は私に出来る最大限を、みんながみんなにできる最大限をと思いました。どうかこの本を手に取った人だけでも救う側へと、自己満でもなんでもいいから今泣いている子供が救われる現実へと変えるために行動しなければいけないと思いました。私がやらなきゃ誰もやらないって考えを常に持たなきゃ!って感じです!

    私がいちばん伝えたいことは、この物語は謎を解いてはい終わり!ではないということです。ただ「胸糞悪い物語だったな」で終わるミステリーではないです!感想を見るより読む方が早い!とても面白いので是非!

  • 松村先生、連続3冊目。
    僕〜、15歳〜が面白かっただけに、結末がちょっとわかりづらかったかもw
    それでも、児童相談所の大変さや子供たちの虐待ネグレストいじめなどの状況がわかって良かった。
    大変な子供たちが世の中にはたくさんいて、その状況も子供の数だけあるってことも知った。
    助けてあげれる命があるならば、茜と同じように助けてあげたい

  • 児相の仕事。テレビとかである程度は知ってたけどここまで大変だとは考えてもいなかった。
    『苦しむ子どもを救うヒーロー』
    監獄の世界で、幸せを求め、普通を求め、自分なりの人生を歩み続ける。
    そのためには誰かの助けが必要なんだなって思う。
    あーやっぱり人は1人じゃ絶対に生きられないんだなって再認識させられる。

  • 作者の文章は、とても読みやすく、さらっと読めました。ただ、自分的には、今作はいまいちハマらず…。辻褄が合わないとかではなく、盛り上がりに欠けた印象。

  • 胸が締め付けられた

    誰かが死なないと変えられない状況が悲しすぎる

    少しでも多くの子どもたちが心穏やかに、健やかに成長できるよう変わっていってほしい

  • 読み終わってからタイトルの意味が分かって感動した!
    展開が休む間もなく進んで、ずっと心臓がバクバクしてた〜面白かった〜

    虐待とか、児童相談所とか。虐待問題が大変なことは分かっていたけど、児童相談所も想像絶する激務で、ある意味仕事に虐待されてない?って思ってしまった。現代の社会問題は難しい。

  • 「私を殺した犯人を暴け」
    廃屋に閉じ込められた六人の高校生。七年前にここで不可解な転落死をした真鶴茜からの手紙。児童福祉司だった彼女に救われた六人は真相を導き出して脱出できるのか。

    死者からの手紙!閉鎖環境での議論!覆される証言!仲間の秘めた過去が言葉の綻びから顔を出す。虐待から子どもを救うヒーローに見えた茜を憎む人間はいたのか。人間ドラマに虐待や児童相談所の対応件数の急増という社会問題を絡め、それでいて読みやすい社会派ミステリに仕上げる手腕はさすが。

    団地を監獄に見立てるところも興味深い。隣人とは壁一枚で近いのに、内情はわからない矛盾をはらむ距離感。監視されているような箱という雰囲気は何とも不気味。そこで生きてきた彼らの議論は、真相が近づくほどに切なくなる。善意と悪意の連鎖。松村先生は人間関係のドミノを作るのが上手いよね。

    真実は何ともやり切れないものだったけど、茜の遺した言葉に救われた。愛は人を生かし、時に人を殺す。それでも人は愛を求めて、罪と傷を抱いて生きていくのだ。

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著者プロフィール

第22回電撃小説大賞で《大賞》を受賞した『ただ、それだけでよかったんです』(電撃文庫)でデビュー。『15歳のテロリスト』(メディアワークス文庫)が発売から反響が続き20万部を超える代表作に。以降、『僕が僕をやめる日』『監獄に生きる君たちへ』『犯人は僕だけが知っている』も発売即重版のヒット作となっている。

「2022年 『暗闇の非行少年たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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