僕たちにデスゲームが必要な理由 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 547
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049132267

作品紹介・あらすじ

生きづらさを抱える水森陽向は、真夜中、不思議な声に呼ばれ、辿りついた夜の公園で、衝撃の光景に目を見張る――そこでは十代の子ども達が、壮絶な殺し合いを繰り広げていた。
夜の公園では、殺されても生き返ること。ここに集まるのは、現実世界に馴染めない子ども達であることを、陽向は知る。夜の公園とは。彼らはなぜ殺し合うのか。
殺し合いを通し、陽向はやがて、彼らの悩みと葛藤、そして自分の心の闇をあぶりだしていく――。

「生きること」を問いかける衝撃の青春小説に、佐野徹夜、松村涼哉、大絶賛!!
衝撃と感動の問題作、第26回電撃小説大賞「隠し玉」デビュー。

●大推薦の声!!●
「研ぎ澄まされた、直球の青春小説。殺し合いの中で、少年少女は胸に秘めた苦悩と葛藤と相対する。ぶつかり合うことを忘れた人々へ。僕たちにはこの物語が必要だ」――松村涼哉(『15歳のテロリスト』著者)
「多くの人にとってこれは、全く見たことのない刺激的で残酷な場所だ。でもある種の人にとっては、初めて見るはずなのに、かつて何度も訪れたことがある場所のように感じられる。だからそういう人は、この本を読むと不思議な感覚に襲われることになる。自分もかつて、ここで誰かと夜な夜な会っていた気がしてくるから不思議だ。ただ、きっとどんな人が読んでも、この壊れ方は気持ち良く感じられると思う。この作品の壊れ方が、僕は好きです」――佐野徹夜(『君は月夜に光り輝く』著者)

感想・レビュー・書評

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  • すごく面白かった。行きづらさを感じる人が行く夜の公園。そこでは殺し合いをする。でも、死んでも生き返る。
    学生の悩み、葛藤、心の闇。生きることを問いかけてくる作品でした。

  • 水森陽向がルービッグキューブで戦うのかっこいい!親に思っている事を言えて良かったね。

  • 生き辛さを抱える高校生の水森陽向は、真夜中に辿り着いた夜の公園で、殺し合いを繰り広げる子供達を見る。夜の公園では殺されても生き返り、集まるのは現実に馴染めない子供達。
    彼らはなぜ殺しあうのか。殺し合いを通し、陽向は彼らの、そして自分の悩みや葛藤を知ってゆく。


    うーん……、これはもう読み返したくないなぁ……。
    これは別にこの本が小説としてどうとかではなく、ある登場人物の境遇が自分とかなり重なってしまって勝手に抉られただけです。もういい大人なのにこんなショック受けるとは予想外でした。殺し合い云々はおいておいても、心をさらけ出せる場所、ぶつかり合える人は必要ですね。でないと大人になってもこんな状態になってしまう。

    日中それぞれの問題に直面し、不満や生き辛さを抱える彼らは、夜の公園でのデスゲームを通して自分を見つめなおしていく。デスゲームを通して知るのは、きっと他人との関わり方。押し殺していた自我や不満や希望を、行動や言葉にかえる方法なのかもしれません。
    少しぼんやりとした終わりではありますが、きっとみんないい方向に向かっていけるだろうという希望があります。

    デビュー作という事で、文章の技巧的には少し拙いのかもしれない。でも、それが逆に小学生から高校生の間という登場人物たちと重なってなんというか「生」っぽくて良いと思いました。

    多分ですけど、作者さんもかなりお若い方なんじゃないのかな。デスゲームなんてタイトルについていますけど、繊細な感性で書かれた、壊れやすくて優しい話です。

  • 感情と感情のぶつかり合い。
    毎日殺し合いが行われてて、それは刀とかを使って相手を殺す。
    でも本当は身体の殺し合いじゃなくて、感情と感情のぶつかり合いなんだなって思った。
    強くなろうとせずに、弱いなりに、しっかり考えて、1日1日を生きていく。
    弱いことは悪いことじゃないんだな、強くなろうとしなくていいんだな、1人でなんでも抱え込まなくてもいいんだな、っていろいろ考えさせられる。

    実際にこんな場所があるなら自分はきっと呼ばれない気がする。

  • 「デスゲーム」?と思い購入しました。いわゆるパケ買いです。「子どもたちが抱える問題や悩みとの葛藤について、夜の公園で繰り広げられるデスゲームを通して自分を見つめ直す」というように感じました。異世界ものと思っていましたが、自分を見つめ直す子どもたちの姿に影響を受け、私自身を見つめ直すきっかけになりました。

  • 生きづらさを抱える水森陽向は、真夜中、不思議な声に呼ばれ辿り着いた夜の公園で、衝撃の光景に目にすることとなる。そこでは、10代の子ども達が殺し合いを繰り広げていた…。

    夜の公園では殺されても生き返る。しかし、何故殺し合うのか、何故10代の子ども達が集められているのか、子ども達の共通点とはなんなのか。

    10代の頃に、誰しもが持つとは限らない葛藤や悩みについて、少しの答えが見つかるかもしれない。

  • 学生の苦悩が綴られていて、すごくリアルに感じました。
    この方の作品は惹き付けられます!

  • 全体的に靄が掛かったような印象のお話。
    デスゲームとなっておりますが、私の思うデスゲームとはまた違った印象でした(ちょっと残念)
    でも主人公やヒロインの抱える問題は大人な私でも直面している(恐ろしくも現在進行形)問題と近しく、胸が締め付けられる想いでした。
    思春期の頃から引っかかり続けている問題でもあるので、彼等の苦悩がとっても共感できました。
    ぼんやりとした終わり方ではありますが、主人公の持つ武器にも惹かれましたし、私も行ってみたい世界だと思いました。
    欲を言えば主人公以外の面々の問題をよりハッキリ&解決してほしかったです。

  • 中高生の繊細で複雑なの心がそのまま映されたような小説。

    それぞれの登場人物が抱える様々な苦しみ。そんな大人には理解してもらえないあの気持ちをこの小説は代弁してくれる。

    読んでいて心が軽くなるのを実感すると共に、この気持ちを忘れたくないとも思った。

    私はまだ高校生なので中高生の気持ちくらいしかわからないが、大人になると忘れてしまう感情もきっとあると思う。もし忘れてしまったとき、またこの小説を読もうと思う。

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著者プロフィール

電撃小説大賞への応募がきっかけで本作でデビュー。

「2020年 『僕たちにデスゲームが必要な理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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