今夜、世界からこの恋が消えても (メディアワークス文庫)
- KADOKAWA (2020年2月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784049130195
作品紹介・あらすじ
僕の人生は無色透明だった。日野真織と出会うまでは――。
クラスメイトに流されるまま、彼女に仕掛けた嘘の告白。しかし彼女は“お互い、本気で好きにならないこと”を条件にその告白を受け入れるという。
そうして始まった偽りの恋。やがてそれが偽りとは言えなくなったころ――僕は知る。
「病気なんだ私。前向性健忘って言って、夜眠ると忘れちゃうの。一日にあったこと、全部」
日ごと記憶を失う彼女と、一日限りの恋を積み重ねていく日々。しかしそれは突然終わりを告げ……。
唐突にやってくる衝撃の瞬間。その先に待つ驚きの結末に、読む人すべてが感動に包まれる!
第26回電撃小説大賞《メディアワークス文庫賞》受賞作!
感想・レビュー・書評
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2023.1.11 読了 ☆8.4/10.0
ずっと読みたいと気になっていた本です。
大好きな写真家さんの写真がカバーを飾り、装丁がとても美しいです。
本作で、一条さんがテーマとした「手に入れること」と「失うこと」。
物事のどこに目を向けるかで、どう捉えるかで、その人の生き方や感じ方が変わってきます。
新しいことに向おうとする真織、人を幸せにしようとする透、人の苦しみや痛みを抱えようとする泉。
それぞれに何かを失い、何かを手に入れているのでしょう。
生きていれば、人は失う。大切な人を、大切なものを。
だけど、その悲しみや苦しみはずっとは続かない。
受け入れて、前を向き、立ち直った時、その大切な人やものは、その人の中で生まれ変わり、生きることができる。
心の中で、描き続けられる。
失うことは怖い。だからこそ、いつか失うかもしれないと想像しながら、そのありがたみや今ある小さな幸せに気づいて、抱きしめてあげたいと、そう思えました。
あとがきの言葉がすごく印象的です。
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“生の中に死が含まれているように、人はあらゆるものを得る傍らで失ってもいます。失って初めて、そのものが持つ本当の価値に気付いたりします。
健康もそうです。風邪をひいて損なってから、その大切さに気づく。
人との関係もそうです。失くしてようやく、得難い関係だったと知る。
取り返しがつくものもあれば、つかないものもある。
人生は一度きりなのに、失くして気付いた頃にはもう遅い。
私はある時期から、今当たり前に持っているものについて、いつか失くすものだと考えるようにしました。
それは決して、悲観的になっているわけではありません。失くすかもしれないと想像することで、それをより一層大切にしたいという気持ちになるからです。
今一緒に仕事をしている人も、いつか接点がなくなり顔を合わせることすらなくなるかもしれない。なら今の時間や関係性を大切にして、親切にしたい。
今遊んでくれている友人も、いつか距離や時間を置いて疎遠になることがあるかもしれない。なら今を精一杯楽しんで、感謝して笑い合っていたい。
家族や大切な人ですら永遠はない”
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今、私たちが生きる上で当たり前にもっているものは、いつか失ってしまうもの。
だからこそ、心を込めて大切にしたい。
心からそう思わせてくれる一冊でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あれ?? ː̗̀(☉.☉)ː̖́
今、目が点になっている
帰りの通勤ラッシュの中、不覚にもウルウルしてしまうのかと身構えていたはずが
読み終わった?
自分の心はピュアではないのか、
薄汚れているのか。。。
まあ、仕方ないよね
長く生きているんだもん( ; ꒪ꈊ꒪ ; )笑
気を取り直して、次に行こう!!-
ハッピーアワーをキメたK村さん、おはようございます!
この作品、私も積んでるんですよぉ…
きっと同じ読後の感想を持つんじゃないかなぁ~と...ハッピーアワーをキメたK村さん、おはようございます!
この作品、私も積んでるんですよぉ…
きっと同じ読後の感想を持つんじゃないかなぁ~と
思いました!
こういう、レビューも参考になりますし、
なにより、読んで面白かったです(*^▽^*)
(って、申し訳ないけど、そう思っちゃったんです。)
これからの、ハッピーアワーをキメたK村さんのレビューも
楽しみにしていますね♪2023/12/01 -
かなさん、お返事遅くなってすみません(^^;)
コメントありがとうございます♪
そ、そうなんです
積読気になって読んだんですが、
期待虚し...かなさん、お返事遅くなってすみません(^^;)
コメントありがとうございます♪
そ、そうなんです
積読気になって読んだんですが、
期待虚しく終わっちゃったんですよ笑
ちょっと他の方と感想違うじゃない?
でもこれが正直な気持ちです
みんな同じだったら気持ち悪いですよね(๑・̑◡・̑๑)2023/12/01
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作品に描かれている生と死、記憶と記録、それぞれに作者ならではの色づけがあった。読んでいる今の気持ちが、作品を感じるその時のありのままの自分なのかな。けれど、明日の自分はこの作品をどう感じるかは分からない。
ただ、変わらず、大切な人やものやこと、それをしっかりと見つめ、楽しく過ごしていきたいと願う。 -
泣けるぅぅぅ( இωஇ)
映画見に行きたい…
なにわ男子の…道枝駿佑さんだったかな?が主人公だった気がする。 -
記憶障害の真織ちゃんと、友達をクラスメートのイジメから護る為に真織ちゃんに告って何故か付き合う事になった神谷くんとのラブラブで切ないお話。
いやー泣かされました!
続きが気になってほぼ一気読み。いーヤツだなぁ神谷くん。
あたしはとても好きなお話でした(о´∀`о) -
読み始めからすらすら読めちゃうので良いと作品だと思います。
切ない内容ではあるけれど読んでみる価値はあると思います。
詳細には触れないでおきます笑 -
眠ると記憶を失ってしまう脳の病気を抱えた少女と、父親と二人暮らしの優しい文学青年の青春恋愛物語。内容は想像がついたけれど、それでも優しい気持ちに包まれました。青春、かけがえのない友達、いいなぁ。
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今一緒にいる人たちは、今後過去の人になりも会えなくなるかもしれない。だったら優しくしよう。透の優しさがきれいで透き通っていて、真織の病気が治った後の真織の未来の幸せを祈れるってすごい。
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とてもせつない。。
神谷くんの人柄がとても素敵で、一途に真織ちゃんを大事にする姿が儚くも美しい。
これからの人生を真織ちゃんが真っ直ぐに生きていけるといいな。