僕がアップルで学んだこと 環境を整えれば人が変わる、組織が変わる (アスキー新書 214)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
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感想 : 117
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048865395

作品紹介・あらすじ

一時はその存続が危ぶまれたアップルという会社が、回復に向けてどのような環境を構築し、人材を集め、優れた製品やサービスを生み出すに至ったのか。本書は、その一部始終を経験した元・米国本社シニアマネージャーが語る指南書です。
スティーブ・ジョブズの着眼点と彼が用いた手法、そしてそこから著者が学んだノウハウには、これからの社会を生きていくうえでのヒントが数多く含まれています。

著者による2011年10月のブログエントリー「Steve Jobs の思い出」は、1000はてなブックマークを超える話題の記事となり、この本が執筆されるきっかけとなった。

感想・レビュー・書評

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  • アップルで働いた経験から感じたこと、考えたことを日本の社会・会社のあり方はたまた自分自身の磨き方生き方にまで、アドバイスという形に替えて書いている本です。
    アップルという会社の中身(システム)、上司との付き合い方、自己の磨き方については参考になることが多く、ためになりました。つねに新しいことにはチャレンジしなければおもしろくないと思うし、そこからの広がりは自分にとっても周りにとっても有益だと強く感じます。
    会社や人を変えるのは環境、ということも共感できました。

  • iMacでアップルを知って、iPodあたりから親しみはじめた世代としては、まずアップルが腐ったリンゴだったその事実すらよく知らなくて、そのへんの歴史を学べたことが新鮮でした。

    アップルの成功を支える方程式が自分としてはためになりました。
    説明を求め続けてひらめくとか、仕様書にとらわれない開発ってのも自分にとって新しい視点でした。
    あと社内政治ってすごいのか…社会人の端くれとしてそういうのがあるってことは理解しているけど。

    己を磨くって章もおすすめ。
    考え過ぎのワナって項がとても同意できる。挑戦。説明の練習。やりたいことリスト。失敗に慣れる。全部これからの課題だな。

  • 著者の松井博氏は米国大学卒業後、沖電気、アップルジャパン、アップル本社と言う経歴を持つ。アップル本社在籍の2002年から2009年までの経験をふまえ、中から見たアップルについて貴重な経験が暴露されている。

    1、2章ではアップル社の歴史、スティーブジョブズ氏復帰後の経営の変化について簡単にまとめられている。3〜5章が著者が実際にアップル本社で働いていたときの仕事のやり方が詳細に書いてあり、最も興味を引いた。また、6章では著者の仕事哲学・人生哲学がまとめられている。


    以下、特に印象に残った部分をまとめる。
    3章では、マネジャーとして職場環境改善に取り組んだ事例が書かれている。これが、至って泥臭く、日本企業でもやられているような地道な改善活動なのだ。整理整頓、職場のレイアウト、部下とのつきあい方。こういった当たり前がきちんとできることが、世界一の会社でも評価されるということが確認できただけでも本書を読む価値があった。

    4章では社内政治だ。アップル社は米国の企業でも社内政治が強烈な会社らしい。そんな中、社内政治との、向き合い方が書かれていたのは斬新で面白かった。日本のビジネス書ではあまり語られない内容だからだ。これも、日本の会社にも通じるところがある。

    5章は上司とのつきあい方。これはほとんど日本の会社でも同じだと感じた。国、業界、会社制度が全く異なるにもかかわらず!


    全体の感想は、日本の一般的な企業でも、米国の世界一の企業でも多くの共通項があることが分かりよかった。その共通項は仕事を進めて行く上で本質的なところだろう。(良くも悪くも)

    世界一の会社が、世界一の製品を作るために苦労していることは、他の会社でも仕事を進めるときに当然問題になってくる。それらの一部が3章の職場環境改善や、4章の社内政治、5章の上司とのつきあい方だろう。そしてより上位概念としては、6章の著者の仕事哲学が参考になる。

    1、2章は内容がやや一般的になりすぎて、内部から見た目線でないところが☆ひとつマイナス。あと、個人的にはアップルジャパンとアップル本社の違いにももっと切り込んでよかったと思う。

  • 当初期待していたのと比較すると非常に残念。買って読む本ではない。
    まず筆者はアップルにいたものの、いわゆるメインの製品開発ではなく、品質保証部門にいたため、これは私の憶測だが、本当の意味でのアップルの醍醐味を味わっていないのではないか。
    少なくとも私の知人のアップルUSにいた人間の言説と比較しても、圧倒的に現場感が足りない。
    当然守秘義務などあると思うが、それにしても筆者の主観に過ぎないレベルの低い議論が多く、かつ、それがこれまた筆者の主観の「日本の大企業」批判につながっているあたり、非常に残念。
    アメリオ、および、ジョブスの改革前のアップルの雰囲気が知れたのがよかったくらいか。

  • アップルの内側で学んだことが書かれているが、アップルではなくてもどこの会社でも活用できることが色々書いてあった。

    「自由と自己責任のバランスをとっていくこと」、これは国を問わず、当たり前のことであるにも関わらず、日本企業では国民性なのかなかなかシビアに対応することができない。もしかすると、転職した方が本人の可能性を拡げることにもなり得るが、労働市場であったり、価値観の問題もあってなかなか浸透していかない。
    日本企業は技術の活かし方だけではなく、ヒトの活かし方までもがガラパゴス化していることを改めて感じた。


    <メモ:激動の時代を生きていくうえで、できるだけ心がけておきたいこと>
    ○自分の人生を生きる
    ・やりたいことのリスト作り
    ・他人の期待値を生きない
    ・失敗を恐れない
    ・考えすぎない

    ○生活にリズムをつくる
    ・身軽に生きる
    ・職住の距離を短く
    ・昔の生活を取り戻す(早寝早起き等)
    ・未来の課題を今日の課題にする(1年先のスキューバではなく、1週間後のプール練習等)

    ○視野を広げる
    ・何でも挑戦する
    ・ネットワークを作る
    ・転職のオプションを持つ

  • 著者は、アップルでiPodやマッキントッシュ等のハードウェア製品の品質保証部のシニアマネージャー等を務めた方で、ジョブズ復帰前のひどいアップルの状況からジョブズ復帰後の再生の過程を経験されている方で、アップルの内情が若干ですが垣間見えます。

    ですが、この本の言わんとしているところは、そのアップルで学んだ、環境を整えることによる人、組織の変化についてです。
    人間は弱い生き物で、どうしても今所属している環境から少なからず影響を受けます。そのような環境をどのようにして変えればいいのか、レイアウト等のハード面から社内政治の振る舞い方、上司を味方につける方法、自己の磨き方などソフト面にも言及されています。

    特に参考になったのは以下の点です。
    ・日本=登山感覚の製品開発
     アップル=サーフィン感覚の製品開発(コストとのバランス、仕様書にとらわれない開発、開発状況の定点観測)
    ・コンセプトづくりやデザイン等、開発の上流にお金をかけずに優れた製品を作ることはほとんど不可能
    ・日本のメーカー=訴求力はないが不具合だけは少ない製品
     アップル=価格相応の品質を求め、人的リソースを効率よく活用する
    ・やりたいことリストを自分の寿命があと10年、5年、1年だったらの3パターンで作り、3つに共通しているものから優先的に実行する
    ・生活リズムを作る(準備、実行、後始末)
    ・説明上手になる

    さっそく、やりたいことリストを作ることに決めました。

  • 「アップルから学んだ」に期待しすぎて読むと拍子抜けする。著者が学んだことも、アドバイスしていることも期待はずれ。そんなことは他のビジネス書にもっといいことが書いてある、アップルにいたんだからもっと面白いことはなかったのかというのが率直な感想。

  • 環境は人を変える。人を育てる、あるいはマネジメントポジションの社会人は読んで損はない。

  • 時代が少しずれちゃったけど基本的なこと、考え方を押さえてるので若い人にはいい本

  • 時間があれば

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著者プロフィール

米国にて大学卒業後、沖電気工業、アップルジャパンを経て、米国アップル本社に移籍。iPodやマッキントッシュなどの品質保証部のシニアマネジャーとして7年間勤務。2009年に同社退職。カリフォルニア州にて保育園を開業。15年フィリピン・セブ島にて Brighture English Academy を創設。

「2019年 『なぜ僕らは、こんな働き方を止められないのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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