- Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048842433
作品紹介・あらすじ
宇多喜代子、大串章、長谷川櫂、復本一郎、黛まどからが選考する、若手俳人の登竜門、神奈川大学全国高校生俳句大賞。青春が結晶する、高校生俳句の珠玉の作品集。
感想・レビュー・書評
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高校生俳句大会の入賞作品を掲載している本が毎年出ているようなので気になっていたところ、たまたま図書館の本棚で見つけて読んでみた(だからちょっと古い)。
必ず三句書いて応募しないといけないらしく、三句での表彰となっていて、落選三人含む最優秀選考8人の句には、選者五人の会話形式での講評が書いてあり、面白かった。なお、最優秀は五人。高校生ともなるとかなりハイレベルで、小学生の俳句参考本には少し遠い感じ。中学生以上なら、授業参考になりそうです。
句は、上手いけどやはり、若い印象を受けるものが多く、これだけたくさんあるのに恋愛のドロッとしたものがないっていうのが逆に新鮮。あと、LGBT 系の俳句はこの年から見られるようになったらしい。2018年9月締め切りのものだと思うので、なるほどなーと時代を振り返る気持ちにもなった。だから、これは年ごとに読むと時代思想が見える本なのかも。
詠み人色々で、三句にこだわらず印象に残った句
父の湯灌終へて父の林檎食ふ
食べられるために食べをる夏の牛
しゃぼん玉はぜる天使が触れるから
夕月や同性愛という普通
菜種梅雨超難問を解いている
数学や君の想いは受け取れぬ
金魚鉢抱える少女踊る赤
賀状書く名字の変はりたる姉へ
盆休み父の実家にエロ雑誌
口論の最中に扇風機止まり
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何気なく手にしたところ、一気読みしてしまいました。
なぜだろう。
若者の感性。
切り取られた日常。
世界に付属するキモチ。
笑い、切なさをかみしめて楽しみました。