不道徳教育講座

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048834001

作品紹介・あらすじ

世の良識をひっくり返し、その一流のウィットと絶妙の逆説的レトリックで"道徳"をしゃれのめすユーモア人生論。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館借り出し。
    逆説的。つーか、1958年って戦後から13年しか経ってないのに覗ける日本社会がすげぇ。

  • 『不道徳教育講座』という題名が気になりました。著者は「潮騒」や「金閣寺」などで有名な純文学者で、ノーベル賞候補にもなった人でした。「弱い者をいじめるべし」といった世間の常識や倫理に反する表題が目次にズラッと並び、それらを意表を突く論理で真意を説明しています。昭和30年頃の世相を知らないと理解しにくいですが、当時の世相がプンプン伝わってきます。

  • 三島の純文学作品では窺えない機知、逆説、笑いにあふれた内容で、人気が高い作品である。「知らない男とでも酒場へ行くべし」「人に迷惑をかけて死ぬべし」「スープは音を立てて吸ふべし」など、世間の良識的な道徳観や倫理に反するタイトルが、それぞれ70章に及ぶ各章に付され、中国の『二十四孝』をもじって親不孝の話を並べた井原西鶴の『本朝二十不孝』式パロディに倣っている。(Wikipediaより)

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    面白い。
    ちゃんと現代語訳?されてて旧仮名づかいとかではないので軽く読めます。
    軽妙洒脱、とはこう言うことを言うんだろうなぁ、と漠然と思ったり。

    本文は今も現役活躍中「明星」で連載されていたとのこと。
    今と読者層は違うんでしょうかね?
    小難しい文学作品ではなく、あくまで「コラム」的なイメージ。
    たぶん今でも「TVブロス」あたりで誰かが似たようなこと書いてそう(苦笑)
    って思えるくらい、「今」にも通用しそうです。

    とは言えもちろん時代を感じる部分もあり、
    それはそれで昭和ノスタルジーでよいです^^

    媒体が「明星」だからか、時代がそうさせたのか、
    「裕ちゃん推し」「慎太郎推し」が面白かったですね。
    あと現役時代の長嶋さんのこととかもあって、
    昭和の風俗も面白く読めました。

    ときどき、胸が痛くなったのは、「自殺」について書かれているところ。
    もちろんコラムなので、そんな重い内容ではないのですが、
    これを読むと三島氏は自殺否定論者のように思えて。

    でもこの数年後には、派手ですが自刃を遂げてしまう...

    もちろんその姿はこのコラムで三島氏が伝えたかった「自殺」とは違う、と怒られてしまうのでしょうが、こんなに自殺を否定してたのになぁ、と少し思ってしまったりもするわけです。

    でも、今に通用する含蓄ある言葉もたくさん!
    ただ、鵜呑みにはしないように(笑^^
    あくまで洒落として読むのがお洒落ですね(● ´艸`)

    この作品がテレビドラマや映画化されてるのがまた面白い。
    映画にはご本人も出演されてるそうで、どこかで見られないでしょうかね~。
    昭和のブラックユーモアは、本当自由でいいなぁ。

  • 明朗快活。発想の独自性を感じた。

  • 1959年(昭和34年)第3位
    請求記号:Fミシマ 資料番号:111032728

  • 孤高の天才の言葉のお遊び。

  • ベスト三島作品

  • 一度読んでみたいと思っていた三島由紀夫の本を初めて読んだ。といっても、小説とは大分趣向が違ったエッセイ集だったが、言いたいことをはっきり言っていて、読んでいても痛烈で面白かった。道徳という言葉がタイトルに入っているが、要するに著者のユーモアあふれる考えを知ることができて、思わず笑ってしまうところもあって、なかなか興味深かった。もっと難しくて読みづらい印象があった。エッセイだったから読みやすかったのかもしれない。

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著者プロフィール

本名平岡公威。東京四谷生まれ。学習院中等科在学中、〈三島由紀夫〉のペンネームで「花ざかりの森」を書き、早熟の才をうたわれる。東大法科を経て大蔵省に入るが、まもなく退職。『仮面の告白』によって文壇の地位を確立。以後、『愛の渇き』『金閣寺』『潮騒』『憂国』『豊饒の海』など、次々話題作を発表、たえずジャーナリズムの渦中にあった。ちくま文庫に『三島由紀夫レター教室』『命売ります』『肉体の学校』『反貞女大学』『恋の都』『私の遍歴時代』『文化防衛論』『三島由紀夫の美学講座』などがある。

「1998年 『命売ります』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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