黄金旋律 旅立ちの荒野 (カドカワ銀のさじシリーズ)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048739061

作品紹介・あらすじ

医者を夢見る少年・臨は、数百年後の廃墟と化した病院で目が覚めた。ファンタジーの世界に迷い込んでしまったかのような未来に戸惑いながらも、優しい看護師ロボットたちと共に生活をはじめる。しかし人との触れあいを求め病院を飛び出した臨は、地図にない街に手紙を届ける野性的な少年・ソウタと、どこか懐かしさを感じさせる黒い翼のはえた猫のアルファと出会い…!?希望の旋律が暗闇に光を照らす子供たちの新世紀ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 『コンビニたそがれ堂』の村山早紀さんの作品にして
    しかも表紙では、少年の肩の上で翼の生えた猫がこちらを見ている、となると
    これはもう、読まずにはいられません♪

    さあ!いざファンタジーの大空へ! と高揚して読み始めると、
    大好きな兄が事故死して以来、歯車が狂い始めた家族を
    必死の笑顔で支えてきた少年 臨が背負う、あまりにも重苦しい現実に
    空に向かって羽ばたいていた気持ちが急降下して
    地表どころか地底のマグマにまでめり込みそうになってしまうけれど

    そんな第一章に耐えたあなたには、その先に

    冷凍睡眠で辿り着く数百年後の未来、
    「頭のねじが一本足りてない」ドジぶりが可愛い看護師ロボットのひまわりさん、
    子どもの入院患者を慰めるために作られた大きなくま型ロボットのテディ、
    愛する者を守るためにサーベルタイガーに変身する少年 ソウタ、
    そして♪銀色の体に渦巻き模様の縞、背には黒い翼を生やした猫のアルファが

    心躍る冒険の気配を漂わせて、待っています!

    心優しいけれどひ弱で、現実世界では臨に守られるばかりだったのに、
    冷凍睡眠で臨を生き永らえさせるために、血の滲むような努力をして医者となり
    心を込めた立体映像の手紙を遺した従兄弟の優、

    魔物が徘徊する世界を旅して、散り散りになって生き延びた人間のため、
    「旅の記者」として新しい地図を描き続けた風野老人など

    臨とソウタを支える人々も、もちろん素敵で

    夢の中で臨が出会った「赤い魔女のハルシャ」との再会は訪れるのか、
    現実世界で優が読んでいた本『黄金旋律』と、ふたりの冒険はどう関わってくるのか
    いくつもの謎を残して閉じられる、序章の物語。

    発行からそろそろ4年が経つようなので、ぜひぜひ続きを書いていただきたいものです♪

    • kuroayameさん
      レビューを拝見させていただき、もう興奮状態になってしまいました♪。
      どきどきわくわくーっ★。
      早速本屋さんにて探してみたいと思います。
      この...
      レビューを拝見させていただき、もう興奮状態になってしまいました♪。
      どきどきわくわくーっ★。
      早速本屋さんにて探してみたいと思います。
      この本は今まで出会ったことのない世界だと実感したので、たまらなく読んでみたいです★。
      素敵な本を知ることができとても感謝です。
      ありがとうございます(>・)。
      2012/11/21
    • まろんさん
      kuroayameさん☆

      ずしりと重い第一章から、数百年後の第二章に変わるときに
      ぱあっと視界が開けて自分も遥か未来に飛ばされるような
      不...
      kuroayameさん☆

      ずしりと重い第一章から、数百年後の第二章に変わるときに
      ぱあっと視界が開けて自分も遥か未来に飛ばされるような
      不思議な感覚が味わえる本です♪
      コウモリ翼の猫アルファ、ナースロボットのひまわりさんが、私としてはお気に入り(*'-')フフ♪

      ただ、村山さんが『コンビニたそがれ堂』のヒットで忙しくなっちゃって
      こちらの続きを書いてくれないんじゃないかと
      それだけが心配です(笑)
      2012/11/22
  • カバーあるあらすじには、ファンタジー世界に迷い込んだ少年が野性的な少年や翼の生えた猫と出会うとある。
    これはきっと異世界ファンタジーの流れをくむ物語だろうと読み始めたらびっくり。大好きな兄の事故死によりどこか歪になる家族。優しいがどこか頼りない従兄弟へのわだかまり。兄のようになろう母親の期待に応えようとして自分を亡くしていく主人公。
    そのように主人公の臨の周辺と内面が緻密に描写されているのです。

    ファンタジー世界はどこ? と思っていると所々に挿入される臨の夢。
    魔女と名乗る赤髪の少女、荒廃した地を旅する少年と老人。これこそきっと臨が赴く異世界だろうと思っていると、現実世界の歪みが限界を超え崩壊を始め、臨は交通事故に遭ってしまう。

    すわ異世界転生かと思いきや、臨が目覚めたのは数百年後の世界だった。冷凍睡眠処置されているうちに、世界は戦争と隕石衝突により様変わりしていたのだった。
    SF的設定ですが、世界観はファンタジー要素も強くごった煮の感じ。地図を更新し手紙を届ける老人が共に旅する少年ソウタに語る世界は、様々な物語世界が組み合わされたようなもの。
    そして出会う臨とソウタ。物語はここからはじまる。というところで終わるのです。

    丁寧に臨の内面が描かれ、これから冒険する世界が語られ、読み手の心に世界が広がる。これこそが物語の面白さでしょう。広がった世界は読者の心の中にあります。そこに新たな物語がやって来ることを待っています。
    文庫版には書き足しも多くあり、作者も続きを書く気が強くあると聞きました。楽しみに待ちましょう。

  • 【あらすじ】
    医者を夢見る少年・臨は、数百年後の廃墟と化した病院で目が覚めた。ファンタジーの世界に迷い込んでしまったかのような未来に戸惑いながらも、優しい看護師ロボットたちと共に生活をはじめる。しかし人との触れあいを求め病院を飛び出した臨は、地図にない街に手紙を届ける野性的な少年・ソウタと、どこか懐かしさを感じさせる黒い翼のはえた猫のアルファと出会い…!?希望の旋律が暗闇に光を照らす子供たちの新世紀ストーリー。

    【感想】

  • 何だかすごく胸が苦しくなる物語でした。目が覚めたら、自分の最後の記憶から何百年も先って悲しい。自分だったら生きていけないと思う。臨は強い。みなさんの感想を見るところ、続編ができるかもしれないそうで。でも、ここで終わってもいいかなって思う。

  • 知らなかったが、児童文学の文庫化のよう。内容は、私が子供の頃の児童文学を彷彿とさせる。
    続編が同じレーベルで、ゆっくり発行される模様なので楽しみ。

  • 心が傷ついた少年が目覚め、みんなの思いをしり、前へと歩き始める物語。
    設定がすごい。この後、二人がどうなったのかいろいろ想像がひろがります。

  • 表紙が気になり、手にとってみた。
    いざ読んでみるとなかなか話が重たくて。
    そしてとんでも世界観、先が読めない展開。
    読んでいるうちにこれからどうなっていくんだ、という気持ちに。
    たぶん、この本好きなんでしょうね、私。
    続きまだ出てないんですね。気になる。
    続き待ってます。

  • 荒廃した未来(今からだいたい300年後)の日本を舞台にした壮大なファンタジーです。第一巻なので、ページの大半はキャラクターの説明と物語世界の説明で占められます。
    300年後の世界は、戦争と疫病と彗星衝突のため、壊滅的な打撃を受け、文明は中世のヨーロッパ程度まで退化してます。一方で動物たちはさまざまな進化を遂げ、まるでRPGの世界のような異形の生き物が跋扈してます。主人公は冷凍睡眠によって激動の数百年を生き延びた、ひとりの少年。
    荒廃しきった世界はもちろん、天涯孤独という言葉は彼のためにあるんじゃないかという、冷凍睡眠から目覚めた少年と彼に懐く空飛びネコなど、まずは舞台設定だけでご飯三杯はいけるほど美味しいですね。
    本筋が動き出すのは第二巻以降のようですし、これだけ冒頭部分に重量があるので相当長い物語になりそうですが、まだ続きは発刊されておらず、今後の展開については未知数。

  • ファンタジー。実は夢オチとか、創造の中の世界、だと思っていたら違うかった。なんだかなぁという感じ。2013/368

  • 医者を夢見る少年-臨は、数百年後の廃墟と化した病院で目が覚めた。ファンタジーの世界に迷い込んでしまったかのような未来に戸惑いながらも、優しい看護師ロボットたちと共に生活をはじめる。

    第1章の哀しい話に、何処がファンタジー?って不安になりましたが第2章が始まってあぁやっぱりファンタジーだ!っと思いました。ただ、;SFぽいなぁ~っと思いますが……
    臨とソウタ.猫のアルファ.山羊のタロウの旅が始まる。
    続刊はまだでていないですが、作者も書く気満々みたいだし、早く出ると良いなぁ♪

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著者プロフィール

1963年長崎県生まれ。『ちいさいえりちゃん』で毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞。著書に『シェーラ姫の冒険』(童心社)、『コンビニたそがれ堂』『百貨の魔法』(以上、ポプラ社)、『アカネヒメ物語』『花咲家の人々』『竜宮ホテル』(以上、徳間書店)、『桜風堂ものがたり』『星をつなぐ手』『かなりや荘浪漫』(以上、PHP研究所)、げみ氏との共著に『春の旅人』『トロイメライ』(以上、立東舎)、エッセイ『心にいつも猫をかかえて』(エクスナレッジ)などがある。

「2022年 『魔女たちは眠りを守る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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