前巷説百物語 (怪BOOKS)

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (729ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048737692

作品紹介・あらすじ

大損まる損困り損、泣き損死に損遣られ損。ありとあらゆる憂き世の損を、見合った銭で肩代わり。銭で埋まらぬ損を買い、仕掛けて補う妖怪からくり。寝肥、周防の大蟆、二口女、かみなり、山地乳、旧鼠-小股潜りの又市が、初めて見せる御行姿。明治へ続く巷説が、ここから始まる百物語-。

感想・レビュー・書評

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  • 最高、とまでは言えないがかなり楽しめた。
    又市のこれまでが明らかになるシリーズ第四弾、かな。

  • これがために、前作をすべて読み返しました。
    大変でした。だって厚いの3冊だし。
    しかーし、今回は若き?日の又市が主役なわけで、
    全体が又市のべらんめい口調でして、
    それが読みづらかったです。
    ただ、それが又市の若さ、青臭さを
    かもしだしているように読めます。

  • 超人然としていた又市さんの人間味が感じられました。
    いつもこのシリーズは、読んでいて辛いが読まずにはいられないですね。
    後巷説、西巷説も続けて読もうと思います。

  • 又市が御行装束をまとうようになる、そのきっかけが描かれている。

    前シリーズまでで百介の視点から掴みどころなく超人然とした姿で語られていた又市の、やわらかく敏感で青臭い人間性が何とも心地よくもあり、くすぐったくもあり、痛くもあった。
    彼の感覚は、無情な世にあって苦しいほどまっとうだ。それ故に多くの人に頼みにされるのだろうけれど、彼はおそらくその重さを仕事と割り切らずに引き受けてしまっている。そして、その荷、仕掛けのために、自分のやわらかで大切な部分をそぎ落としていく。痛みとともに白装束を身にまとう不器用な姿に、更に後に黒装束に身を沈めることをも思い起こした。
    御行の又市、見ていてくるしく、しかしとても惹かれる人である。
    巷説以外のシリーズにも登場しているとのことなので、読もうと思う。

    作品全体としては、相変わらず良質な娯楽時代小説だった。
    登場人物などに、他メディアでのシリーズに対するアンサーともいえる仕掛けが施されているのには思わず笑ってしまった。
    この方は本当に、うまい。

  • 成程、あの又さんはこうやって出来上がったのかと納得。読み始めの頃の又さんの若さが何ともこっ恥ずかしかった。あと、このシリーズ中で一番といっていいほど山崎さん気に入ってたので、死亡フラグがたった時に不覚にも彼がどうなるのか飛ばし読みしてしまった。
    あ~、久々に他のを読み返すか・・・しかしこのシリーズはどれも読後半端無く寂しい気持ちになるな

  • 又市シリーズの最高傑作!
    てか、京極さんの作品の中でも1番かも。

    誰がなんと言おうと、この世界観が好きです!

    もう4回は読み返しましたが、
    この先も何度も読むと思います。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「独立した作品ですので」
      そうなんですか。独立していると間が空いても問題ないので読みやすいかな?(連続していると、一気に読もうとしてしまいま...
      「独立した作品ですので」
      そうなんですか。独立していると間が空いても問題ないので読みやすいかな?(連続していると、一気に読もうとしてしまいます)
      ところで、「前」と言うのは、話が遡るのでしょうか?
      2013/04/16
    • ポ・ガンボス・サクラさん
      ごめんなさいnyancomaruさん。
      「嗤う伊右衛門」のレビューと間違えてました。

      「前」は時系列的に1番最初の話となるのですが、...
      ごめんなさいnyancomaruさん。
      「嗤う伊右衛門」のレビューと間違えてました。

      「前」は時系列的に1番最初の話となるのですが、
      やはり読むなら「巷説百物語」からがオススメです!!
      2013/04/16
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「「巷説百物語」からが」
      ありがとうございます。図書館に予約しました、そうしたら「京極夏彦『巷説百物語』の世界」も引っ掛かったので同時予約。...
      「「巷説百物語」からが」
      ありがとうございます。図書館に予約しました、そうしたら「京極夏彦『巷説百物語』の世界」も引っ掛かったので同時予約。。。
      2013/04/17
  • 異様に説教臭い、説明臭い。青臭いと自称する又市含め臭いもの尽くし。仕掛けもこじつけに思えるものばかりで残念。前作の伏線が回収されるカタルシスが幾許かあるだけだった。

  • 又市が如何にして御行になったかを語る、哀しい、悲しい物語。最初の数話はテンポよく進む損料屋の仕事で青臭い又市を楽しめますが、最後はあまりにも哀しく、全員の心の傷が癒える日などこないという気持ちになります。最後の最後の山崎さんの姿が特に…。しかし、棠庵先生はどこ行っちゃったんでしょうね…。

  • 巷説、続巷説より前の話。又市がまだ御行として裏の世界に入る前の話。

    若いだけあって青臭いけどそこがいい。妖怪絡みの仕掛けで依頼人の損を埋めるけど死人が出たり恨みを買ったりと仕掛けとしてはまだ甘い。
    又さんにもこんな時代があったんだなー…

    ところでチラッと出てきた蝋燭問屋の若旦那はあの人ですよね(笑)

  • シリーズ3冊目を読む。

    刊行順としては「後・・・」が先になるようだけれど、内容としては問題無し。

    いやあ、面白かった。相当な分厚さなのでさすがに一気読みとはいかないものの、かなり夢中になって読み切った。

    やあ、又市の、若いのなんのって・・・(笑)。
    まだ若く、青かった彼が“御行の又市”となるまでのおハナシなのだが、なんと哀しい結末よ。バッタバタバタと、人が死にまくり・・・。

    既読の2作で軽~く触れられていた因縁(?伏線?)も、ほとんど全て繋がって・・・スッキリ半分、寂しさ半分。

    ★5つ、10ポイント。
    2016.01.06.図。

    ※ちょいと出てきた“おぎん”さんには、まあまあたしかに「そうだったなぁ」とニンマリと。

    ※“まかしょい”を追っかけた蝋燭問屋の三代目・・・・は、京極さんのファンサービスか?こちらもやっぱりニンマリと。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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