巷説百物語 (怪BOOKS)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (511ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048731638

作品紹介・あらすじ

時は、江戸。巷の闇の色は濃い。その闇を縫うように、あやかしたちの姿がほのかに立ち上る。小豆洗い、白蔵主、舞首、芝右衛門狸、塩の長司、柳女、帷子辻…。それは、現か、幻か、それとも-と、その刻、小股潜りの又市の鈴が密やかに鳴り、山猫廻しのおぎん、考物の百介、事触れの治平の姿が現れる。「御行奉為-」いつの世も、不可解な事件は決して跡を絶つことがない-。

感想・レビュー・書評

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  • おもしろくってたまらない。
    いったいこれは「何物」とよべばいいのだろう。
    時代物? 推理? ミステリー? はたまた妖怪物?
    おもしろいのでなんでもいいか。
    「巷説百物語」シリーズの第一巻です。

  • 又吉さんの本で紹介されていたので、読んでみることに。中学生のときに京極夏彦さんの作品を読んだことあったので、その縁もあって、図書館で借りて読んでみた。分厚い本だが、面白くて夢中で読んでしまった。妖怪の話しなのかとおもいきや、すべては人が作り出したもの。人は妖怪よりも恐ろしく奇妙なのかもしれないと感じた。語り手の視点が、複数であるがそれらが絡み合って、最後に「そうだったのか!」となぞが解ける爽快感が、おもしろかった。後半の二つの話の下手人がとてもサイコパスで、ぞっとした。続編も読んでみたい。

  • 七本の短編から為ります。
    それぞれ妖怪の名前がタイトルになっており、
    その妖怪をモチーフにした事件が起こる。
    物語の結末もその妖怪のしわざで決着がつく。
    主にこの七編は単純に怪異があり、
    そこに山岡百介が仔細を知らぬまま否応なくからくりに絡み、
    最後に「いったいどういうカラクリだったのですか」と問うて、
    又市の種明かしとなる。
    他の本とあわせると、かなり凝ったツクリ。

  • 昔読んでますが、再読。 馬肉を食べる話と女の人が腐ってく話あったなーぐらいしか覚えてませんでした。当時はネットで調べるという習慣がなかった、またはそんな気軽にネット使える環境になかったため、分からない言葉とか調べられなったんですが、今はいいですね。気になったものはすぐ調べられる。 脱線して江戸時代の職業とか見てました。 「舞首」の話は全然覚えてませんでした。
    最初に読んだ時はどう思ったか忘れましたが、今回改めて読んで「柳女」が好きだなと思いました。 子供見ると殺したくなる理由がなさ過ぎてえー…と思いました。 九相図見たことないと思ったんですが絵を覚えててなんでだろうと思ったら、 表紙裏にありました。単行本版すげーと思いました。ただ肩が凝りました。

  • 悪人が多い中、好好爺が登場する狸の話が一番好きでした。しかし読みづらい…登場人物の名前も覚えづらい。『姑獲鳥の夏』も読むのに苦労したので、私とこの作者の相性がよくないのだろう

  • 目次
    ・小豆洗い
    ・白蔵主(はくぞうす)
    ・舞首(まいくび)
    ・芝右衛門狸(しばえもんだぬき)
    ・塩の長司(ちょうじ)
    ・柳女(やなぎおんな)
    ・帷子辻(かたびらがつじ)

    山岡百介が初めて一味の仕事を目にする「小豆洗い」から始まって
    視点人物の心と行動が一致していないため、読者を翻弄する「白蔵主」
    さらに時系列も含めて一層複雑になった「舞首」
    しかけの大仰さが悲惨な事件の苦みを薄める「芝右衛門狸」
    因果応報の見本ともいえる「塩の長司」

    読者がこの世界に徐々に慣れていけるように、上手く工夫されていると思う。
    そして、最後の2作は、「え!?この人が!?」と驚愕し、胸が悪くなる。
    しかし、人間ってのは表面だけでは分からないのだ。
    本人にでさえ。

    怖いのは妖ではなく、本来の性質をも飲み込んでしまう人の心の闇。
    妖は、そこに現れる。

    ま、ぶっちゃけ、妖を使った必殺仕事人ってところなんですが、本家・必殺シリーズを見ていても思ったのは、彼らは手にした報酬を何に使っているのか?
    決して贅沢をしているわけではない。
    命がけの仕掛けをしたところで、割に合わないんじゃないかなあ。

  • 妖怪物だと思って読むのを躊躇してたが、読んでみると人情話っぽい。 文章が口語体口調が多いし少し読みづらい感じがするが、段々引き込まれる。 内容・トリックはそんな大そうなものではないが、やはり文章力というか活字の力がすごい! 「桃太郎」や「浦島太郎」なんかも京極にかかれば最高の恋愛小説になりそう!

  • 借りて読了。2017年1冊目。久々の京極さん。面白くて、でもグッと心に響く言葉も多くてくすっと笑ったりじんわり泣けてきたり楽しめました。次の巻も借りてるから続き読むー。

  • 10年ぶりくらいの再読。結構内容を忘れていて2度めでも止まらなくなるくらい面白かった。
    必殺仕事人的に恨みを晴らしていく内容だけど、妖怪を絡めた仕掛けでターゲットを精神的にじわじわ追い詰めたり、直接手を下さないで自滅するよう仕向けたりする小又潜りの手口にワクワクした。

  • 妖の正体は、人の業の深さだと思わされました。
    御行乞食を筆頭とした小悪党一味が、果たせぬ恨みを果たしてゆく、必殺仕事人的な物語です。
    ただそれにとどまらず、妖怪と人間の境が分からなくなる恐ろしさも描かれています。

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著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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