「応援したくなる企業」の時代 マーケティングが通じなくなった生活者とどうつき合うか (アスキー新書 187)
- アスキー・メディアワークス (2011年6月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048703734
感想・レビュー・書評
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【第一章】
今後の企業のあり方、マーケティングのあり方として、
生活者と対峙する存在ではなく、共創する存在へ
コミュニティ発想を重視し、共に商品、サービスを創る。
言葉で表すと「一人の天才よりも100人の凡人」
それが著者のいう、合い時代。合とは=イノベーション。
企業は、仲間を広げていく発想を持たなければならない。
■覚える単語
・ブランドコミュニティ
・コミュニティ発想
・withC
・DTO
■赤ペン
・本当のニーズは顕在化した意識にはない
■第1章で示した具体的な行動
・ターゲットの代わりに「ファン」セグメントの代わりに「コミュニティーグループ」という言葉を使う。
【第2章】
■覚えたい単語、
・FOR(Frame of Reference)
・POD(Point of Difference)
・越境力
・シェア拡大アプローチ
・パイ拡大アプローチ
・新市場創造アプローチ
■赤ペン
・ケーススタディは便利な一方で2つの大きな危険をはらんでいる。
ひとつは、「すでに存在している商品やサービスと同質化してしまう」
もうひとつは「既存のフレームにしらぬまにとらわれ、斬新なアイデアが生み出せない」
・生活者は甘やかされて育った子供のように、わがままで気まぐれなのだ。
・自社が所属している業界のくくりやその商品のFORが、そのまま踏襲すべきものなのかと、常に確認する目
・進んで異物をミックスする
■具体的な行動
競合企業ではなく、異なった研究を徹底的におこない、模範する。
積極的に越境して模範し、そこで学んだことをもち帰って融合させる。
【第3章】
■覚える単語
・ホスタイルブランド
・相対アプローチ
・絶対アプローチ
・リファレンスポイント
・ニューロマーケティング
・ベネフィット共感型
・スピリッツ共感型
■赤ペン
・人がなにかを好きになる“共感”という感情は、脳の反応によって、
おもに、「尊敬」「脅威」「仲間」「畏怖」の4パターンに分類でき、さらに細分化して
最終的には16パターンまで類似化できる。
・これからの時代に求められるのは、企業活動の根底から一貫した、ブレのない骨太のスピリッツなのである。
■具体的な行動
他にはない独自のビジョンやスピリッツを打ち立てる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
モノが売れない時代に対してこれからどう舵取りをしていくべきかを教えてくれる本。現代社会はモノに充足してしまい、企業からの押し付けには反応しない。従って現在のマーケティングに見直しをしなければ消費者は振り向いてくれない。しあわせを与えるという立場から、生活者と共創し、ともにしあわせを付加していくという、この企業ならしあわせを付加してくれると、応援される企業になることが必要であり、そのためには、心をオープンにできる環境、深層心理まで深く掘り下げ表面化させ、素早く対応し、期待に応える企業努力が必要になる。
無印良品の取り組みはこの応援される企業のモデルケースになるのではとかんじた。 -
メモ
らしさづくり
正、反から合の時代
二項対立の背景にある不可思議前提
ターゲット発想→コミュニティ発想
フレームを外すズラす
のこぎり職人 -
のこぎり職人。
まだ実感として理解できなかった。 -
「応援したくなる企業」の時代 マーケティングが通じなくなった生活者とどうつき合うか (アスキー新書)
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「オススメする人」
最近のマーケティング事情を整理したい企画職や、これからの時代に求められる企業を考えたい就活生にオススメ。
今流行りのデザインシンキングが、なぜ必要で、企業や個人はどんな姿勢でいるべきかという事が中心に書かれているため具体的なハウツー自体に興味がない人にもオススメできる。
用語の解説が少ないかもなので、最低限のマーケの知識はあった方が読みやすいかな。
「学び」
正でも反でもなく、“合”。
これがこの本での主題かなと。
ものが溢れる時代、組織に大きなイノベーションが期待できない時代だからこそ、カスタマーインかプロダクトアウトかのように二項対立的な固定観念に囚われず新たな落とし所を探す必要があるよね。そのためには日常を含めて色んな事に関心を持ちつつ自分のありたい姿を明確にしておく必要があるよね。って感じ。
もう少し具体度を上げると、
①自分(組織でも個人でも)のらしさを再認識してコミットメントできるまで噛み砕く必要がある
②興味や人脈を広げて人生の経験できるシーンを増やしている必要がある。
→本文でもでてきた6-2-2のやり方で本業、遠心力、求心力が働くようにする方法がこれからの働き方として大切だと感じた。 -
社会が豊かになり、様々な事がやり尽くされ、明確なゴールが見えなくなってきている。商品開発に関
しても、今までのマーケティング発想では、「ターゲットにモノを売る」とか、「差別化のポイントはどこ」
「ニーズはなんだ?」を追求してきているが、生活者自身が「自分が欲しいものを自覚していない」為、
いままでの考え方が通用しなくなってきた。そもそもターゲット・セグメントなどという軍事用語を使う
事がおかしい。と著者の疑問は現在の複雑な市場を反映している。
これからは、「ターゲット発想」から「コミュニティー発想」となり、企業においても本質的な信念や
ビジョン・哲学が問われる様になってくる。
「応援したくなる企業」の時代
マーケティングが通じなくなった生活者とどうつき合うか
博報堂ブランドデザイン 宮沢正憲
第1章「ターゲットにモノを売る」という間違い
「ターゲット」や「セグメント」という言葉は軍事用語
生活者は敏感。自分たちの生活を本当の意味で向上させてくれる商品を買いたいと思っている。
「ターゲット発想」から「コミュニティー発想」へ
「to C」から「from C」そして「withC」へ
第2章「差別化のポイントはどこ」という不見識
ケーススタディー重視で、すでに存在している商品やサービスと同質化してしまう。
→新鮮なアイデアが生み出せない
→市場創造に目線をシフトする
第3章「ニーズはなんだ?」と問うあやまち
生活者に聞いても、なにも出てこない
「ベネフィット発想」こそがマーケティングの本質であるととらえられてきた。
しかし、生活者自身が本当のニーズを自覚できていない
ブランドに関しては、「支持層は広いが、あまり他のブランドと大差ないブランド」よりも「人によって好き嫌いがあるようだが、自分自身は共感できるブランド」へと向いてきている。
「ビジョン」とは企業が一丸となって取り組む理念や哲学のこと。「こうなりたい」という理想像。
第4章「勘でものをいうな」がもたらす損失
生活者たちは「自分が欲しいものを自覚していない」人間は頭のなかにある事を5%しか言語化できず、95%無意識。
「ニーズ」も例外ではない。95%は無意識。表面的な要望を聞き取るような調査を重ねても新しい手がかりはほとんど得られない。
3Mの「プストイット」は接着力の強い接着剤を研究する中で「良くつくがはがれる接着剤」ができあがった。→失敗作であったが、有効に使えないかと「勘」は働いた。
あえて未完成を生活者と共有する
完成品をリリースするのではなく、完成品を目指し続けるというアプローチ
1980年代から、マーケティングは「ものからコトへ」と発想されてきた。
所有価値だけでなく「経験価値」同時に提供する。
第6章 「下から意見が出ない」という勘違い
トップダウンでもボトムアップでもない。「管理型社会」から「共創型社会」へ
社会が豊かになり、さまざまな事がやりつくされて明確なゴールがみえにくくなってくると、スピードや効率だけで勝負できなくなってきた。非連続な飛躍を生むようなイノベーティブなアイデアがなければ現状を打破するのは難しい。
→「共に創り上げていく組織」
部門横断的な 「クロスファンクショナルチーム」→共創チーム
第7章 「仕事にプライベートを持ち込むな」という非常識
「公私分離」から「公私混同」へ
十人1色から十人十色 一人十色の時代へ
生活者は、企業の本質的な信念やビジョン・哲学をも問うようになってきている。
企業がどれだけ、生活者目線を打つ出していようと、従業員や取引先に対して無理や不利益を強いたりすれば、生活者の支持を得る事は出来ない。
これから企業は志しや思想などの哲学的な部分が問われる。
たとえば企業は何をやりたいのか?
その企業が活動することによって社会に対してどう貢献するのか? -
いまいち
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企業はどうあるべきか?
→新しい共創型の発想をもち、どうしたら社会がしあわせになるかを考え、独自のやり方でそれを提供しようとする高い志が求められる時代になる
コミュニティ発想とは、フラットな目線で一緒になってみんなの幸せを考えていくwithCという姿勢
プルーオーシャンを望むなら他業界を参照にしながら慣習や前例を破り新しいフレームを再構築、市場創造型アプローチすることが必要
今までのあるフレームの中で競合と差別化を行う相対アプローチから明確なビジョンにもとづいて価値や市場を創造する
そのために基準点、リファレンスポイントをビジョンに設定する
そもそも発想をもち、現状の前提に疑問を持ち続ける
次世代のブランディングとは他にはないしあわせに関する理念と哲学をもち、らしさを追求し続けること -
博報堂の人が記述した、実践的なマーケティング論を記述した一冊。
可もなく不可もなし。