教えて! カンヌ国際広告祭 広告というカタチを辞めた広告たち (アスキー新書 169)
- アスキー・メディアワークス (2010年11月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048688666
作品紹介・あらすじ
世界最高峰の広告賞、カンヌ国際広告祭。そこで行なわれる審査は、その先見性ゆえに批判も多い。しかし数年もすれば、グランプリ受賞作品の持つコミュニケーションの方向へ、広告界は確実に動いていく。激変する広告界への「ヒントと刺激の宝庫」カンヌを長年ウオッチし続けてきた著者が、広告の新潮流「非広告型広告」を解説する。
感想・レビュー・書評
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広告の知識ゼロでもスラスラ読めるのが良い。コミュニケーション方法の変化が広告にも影響を与え、一方的に伝える広告から受け手の感性を重視する広告を感じさせない広告へ、という時代の流れが印象的。色々な工夫が施され我々は意識せずとも広告にさらされている、そんな人によっては当たり前のことを考えさせられる一冊。
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カンヌ映画祭の本かと思って適当に図書館で借りたら違った。面白い内容なのかもしれないが、自分とは関係なさ過ぎて読む気がしなかった。積読。
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カンヌ国際広告祭といえば、捻りが効いていてクスリと笑えるものが受賞するんでしょ?という疑問があったけれど、この本を読んで、その舞台裏は結構大変で複雑なんだなぁと思った。特に今はコマーシャルの方法が千差万別で、しかもそれが有効かどうかという根源的な問い掛けが常にされている状態では、コマーシャルのあり方も刻一刻と変わっていくのだなぁと思った。
でも、前半はカンヌ国際広告祭というものがある、ということを知らないとなかなか興味を持続しづらいと思う。後半は変化していく消費者の好みの中で、コマーシャルの在り方を考えていくという本質的な部分に入っていくので、こちらのほうが興味深かった。コマーシャルって邪魔だよなぁと思われがちななかで、コマーシャルを作る側の思考が伺い知れて面白い。 -
第3章までは業界人以外にははっきり言って面白くない。「へー」という感じ。でも第4章以降の内容がその不満を補ってくれます。
「意志」「広告らしくなさ」「不完全さ」「話題にしやすさ」この本に出てきた内容が広告のトレンドになっていく可能性もありますが、その意味に消費者が気づいた時にそのトレンドがどう変わるのかが気になります。
そこで立ち返る本質は「明日の広告」にもある「メディア・ニュートラル」の考え方なのかもしれません。 -
カンヌの審査方法からこれからの広告業界まで、硬くない表現で教えてくれる。広告をやめた広告とはなにか、最後の方の作者の見解には深い理解と発見がある。「ウェブ時代の生き方とは、外界の膨大な情報の無限性を恐れず、自分の指向性のあう波長をサーチし続け、自分という有限性へマッピングする事。」というこれからのあり方も提唱。ブラビアやゴリラなどCM好きなら一度は見たことある話もちらほらあって、さらになぜそれがいいのかをわかりやすく解説してくれる。
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商品やサービスについて話す理由を人々に与え、会話が起こりやすくすることが必要で、そのためには①従来の広告らしくないこと=非広告型が、重要なファクター②意図が簡単にはわからないこと③わざと隙をつくることとしている。
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カンヌ国際広告祭という世界最高峰の広告賞から激変する広告のカタチを論じた一冊。ふるくから「広告はラブレターだ」と言われることがあったが、広告がラブレターである時代は終わり、広告は関係構築型のリアルな恋愛に近づいてきたという主張がされていた。また広告の非広告性というものが重視され、従来の広告らしい広告は現代の消費者には受けいれられにくいと述べられている。詳細に商品のベネフィットを受信者に伝えるのではなく、あくまでのブランドとしてのWILL、意志を伝えること、広告らしくなくコンテンツとしてトーカビリティがあり、アド・アボイダンスの対象にならないものがしばらくの理想型なのだと言われている。具体的な事例も交えて、古くからの広告論と最近の新広告論というのがとてもわかりやすく書かれていた。
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広告は混迷期。時代と共に変わり、今も勿論変わり続けている。そんな中、「広告というカタチを辞めた広告」も出てきたぞというお話。審査員を務めた著者が語るカンヌの裏側は面白い。
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多国籍混じりあった多種多様な審査員との審査の模様や各国の尖った広告について自分の視野が広がったうれしさがある。
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カンヌの存在意義を知ることができた。