- Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048682909
作品紹介・あらすじ
ある夜、舞原零央はアパートの前で倒れていた女、譲原紗矢を助ける。どこにも帰る場所がないと語る彼女は居候を始め、次第に猜疑心に満ちた零央の心を解いていった。
やがて零央が紗矢に惹かれ始めた頃、彼女は黙していた秘密を語り始める。その内容に驚く零央だったが、しかし、彼にも重大な秘密があって...。
巧妙に張り巡らされた伏線が、いくつも折り重なったエピソードで紐解かれる、新感覚の青春群像ストーリー。
感想・レビュー・書評
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好きな作家さん、綾崎先生のデビュー作ということで手に取りました。
ある雨の降る夜、舞原零央はアパートの前で倒れていた女・譲原紗矢を助けます。
どこにも帰る場所がないと語る彼女は居候を始め、次第に猜疑心に満ちた零央の心を溶かしていきます。零央が紗矢に惹かれ始めた頃、彼女は黙していた秘密を語り始めます。その内容に驚く零央ですが、彼にも重大な秘密があって……?
まず、物語の中で煮え切れない感情から話が二転三転したり、いじめの描写がかなり生々しい・痛々しいものだったりと、読みやすさとは別に好き嫌いが分かれる作品かなとは思いました(ヒロインの行動や選択なんかは特に……)。
しかしさすが透明感のある文章に定評のある綾崎先生。テンポ良く各登場人物の視点で描かれる物語は、残酷なだけでなくとても美しく、彼らの置かれた状況への感情移入がしやすかったです。
多くの方が仰っているように、自分も夏音のキャラクター性と彼女のお話が好みでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
レッドスワンシリーズから知り読んだ本。
様々な登場人物が意外な過去で繋がり。
そこに関わる人間、恋愛模様を描いた作品。
各章における物語。それが全体にも繋がっていて。
楽しく読みました。
人の純粋さに触れたような。そんな作品でした。 -
土砂降りの雨が降る夜、アパートの前で倒れていた譲原紗矢と言う女性を助けた舞原零央。お金がない。帰るところもないという彼女に、零央は仕方なく居候をさせてあげることにした。
綾崎隼さんは二冊目。言葉の選び方や表現がやっぱり素敵です~。
同じ時を重ねている間にふたりの心も寄り添っていくのですが。それではい、終わりといかないのが、この作者さんらしいです。
まさかの!えええ~。
意図せず出来上がった三角関係ですが、このメインの三人にはある双子が絡んできます。
これが紗矢にとってはかなりエグい。
…はずなのですが、姉の夏音がさらりと流します。
他のキャラがやったらうそ臭さを感じるかもしれませんが、その前に夏音のお話が挟まれているのでなんとなく頷けてしまう。
そしてこの夏音のお話が、私は一番好みでした。 -
図書館で借りた本。
ある日雨の日、アパートの前で倒れていた女性。行くところが無いからしばらく置いて欲しいと懇願される。事情を尋ねてもいつか言うと約束し、1ヶ月後に事情を知ることになる。 -
ライトノベルですかね。
最後まで読みましたが、どうしてもオバさんは「ハイハイ」となってしまいますね。
10代の頃ならガッツリ読んだでしょうけれど…心が錆びたかしらね〜… -
「ヤコブの梯子で雨宿り」
見知らぬ彼女とひとつ屋根の下で。
いくら男でも見知らぬ人を簡単に部屋にあげるのはどうなのだろう。
彼女は何か彼のことを知っているようだったが、一体何者なのだろう…。
「雨、ときどき嘘」
彼と彼女がついていた嘘。
お互いが初めから本当の事を話していればこんな事にはならなかったんだろうな…。
嘘が分かった今、この二人はどうするのだろう。
「哀しい雨には濡れないで」
嘘をついてまで隠したかった事。
ここまで悪趣味な振り回し方をする姉はどうかと…。
彼女の行動がなければ、もう少し平和にサプライズが成功していただろうな。
「日の照りながら雨の降る」
誰にも知られてはならない秘密。
血は繋がっていなくとも世間からみたら兄妹に変わりないもんな。
彼の手紙が届き続ける限り、彼女は中々前に進めないのではないのだろうか。
「君の隣なら雨宿り」
曖昧にし隠していた真実を。
彼女がした事は狡いことかもしれないが、気持ちを抑えて接する二人も同じだろうな。
相手のためと考え行動していても逆に相手を傷つけている場合もあるもんな…。
「雨がくれたもの」
自分と向き合い伝える想い。
一度伝えた好意を否定するのも酷いが、相手を傷つけるとわかっている言葉で突き放すというのは最低な事では。
自分を守るためとはいえ、ついていい嘘ではないな…。 -
いくつかの伏線が心地よく手繰られながらさらっと読めた。
とにかくジャケ借り(笑)キャラ読みに走りました。
作品タイトルには時雨。中身は冷たい雨とくもりを行ったり来たりしてた感じ。
最終的にはきれいにまとまってよかった。
今回はとにかく名前とジャケットの絵から登場人物を想像するのが楽しかった。
朱利は黒髪短髪スーツ
零央は金に近い茶髪黒Yシャツ
紗矢は(ジャケットは黒髪だけど)ブラウンの超ロング、ワンピース
稜は黒髪短髪よれた白Yシャツにジーンズ
夏音はつり目に泣きぼくろ黒髪ショート
風音は茶髪のミディアム…
いろいろ設定とは違ってるけど楽しいからいいか(笑) -
ずっと本棚にしまってあった本だが、ブクログの評価を見て気になり、読みはじめた。
1日で読み終わってしまったが、個人的には好きな話。夏音の話がとてもよかった。
次作も読んでみたくなった(o^^o) -
物語的にはハッピーエンド
だけど、どこか切なくてなぁ
特に朽月夏音の所は不覚にもないてしまった
ピッタリな言葉を探すなら「儚くて綺麗な」って感じかな