青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
4.48
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本棚登録 : 767
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048653947

作品紹介・あらすじ

翔子からの「会おう」の手紙で、麻衣さんとのおつきあいに波乱の予感が。そんな中咲太は、おうち大好きな妹のかえでから、「重大発表があります」と告げられ――!? フツーな僕らのフシギ系青春ラブコメ第5弾!

感想・レビュー・書評

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  • ひどいいじめが原因で解離性障害になってしまった妹と主人公の物語。
    妹の「かえで」が怖気付きながらも色々な苦難を乗り越えるところは元気をもらえます。
    この小説でも名前が出てきた牧之原翔子の正体が、次の巻で知れるのではないかと期待しています。
    こう言ってはなんだが、ライトノベルにしては非常に読みやすい。

  • うー涙が止まらないよー。
    喪失感が半端ない。
    これは泣く。

    シリーズ始まった時からいつか描かれるだろうと思った妹話。
    今回はいつものようにトンデモ思春期症候群的騒動ではなくて、いやもちろんそれも背景にはあるのだけど、それがなくてもお話的には全然問題ない展開だった。

    引きこもりからの脱出を目指すかえでに、簡単な解決法なんかなくて、彼女の苦しさとそれでも頑張る姿にこちらの胸も締め付けられる。
    なのにその上、解離性障害ーいわゆる記憶喪失なんて隠し玉まで出てきて……なので途中からは引きこもりの解決とは別の心配も持ち上がってくる。
    そして現実になる”かえで”の喪失。

    パンダが好きで、お兄ちゃんが好きで、目標を達成しようと頑張って、明日にはお昼の学校に行こうと約束したのに! 
    なんでいなくなるんだよ!
    と言う咲太の叫びは自分の叫びそのものだ。

    ラストの彼女の日記がまた卑怯。
    こんなん、泣かないわけないだろう。
    かえでがお兄ちゃんのことが好きだった理由が今更ながらによくわかる。
    そりゃ、自分を自分として観てくれて、それでいいのだと許してくれるただ一人の人ならば、そうなるよね。
    そんな大好きなお兄ちゃんを悲しませないために、後悔させないために、いっぱい頑張って目標を達成しようとしたかえで。
    ああもう、泣けてくる。
    このかえでの姿しか知らないから、彼女がいなくなったことをうまく消化できない。
    僕らには翔子さんはいないんだ。

    いなくなったかえではどこへ行ってしまったんだろう。
    本当にもうどこにもいないんだろうか?
    もう二度と会えないのか?
    そう思っただけで苦しい。
    そうじゃない世界を期待してしまう。
    でも、彼女の最後の望みはきっと花楓に引き注がれるんだろう。

    実は読んでて「長門有希ちゃんの喪失」を思い出してしまった。
    あれも切なかったなあ。

    もちろん、咲太と麻衣さんとの会話はニヤニヤだったし、萌絵とのやり取りはいつも通り愉しかった。
    前作の主人公の姿もちらっと見えたのもうれしい。

    そして、いよいよ翔子さんの登場で、これまたシリーズ最初からの謎にいろいろ想像させられる。
    前から彼女は未来からきたんじゃないかと思ってるんだけど、今回の事に対する彼女の言動から、もしかしたら萌絵の時と同じように世界はループしているのかもしれない。
    その世界で今度は咲太には記憶はないけど翔子さんにはあるんじゃないか?とか。
    さて、その真相は次巻で語られるんだろうか?
    読まねば。

  • 私はこの作品がとても感動的でした。咲太の妹・かえでが引きこもりから脱出しようとする姿や、咲太がかえでを支える姿が切なくて涙が出ました。かえでは、2年前にいじめに遭って解離性障害と思春期症候群を発症し、自分の記憶を失ってしまったことが明らかになります。そのため、かえでは自分の本当の名前である花楓という名前を忘れてしまっています。しかし、咲太はかえでを花楓としても受け入れてくれます。かえでは、咲太や麻衣、のどかの協力を得て、「今年の目標」というリストを作り、電話や外出などの練習を始めます。その中で、かえでは自分に自信を持ち始め、学校に行くことも決意します。しかし、学校に行こうとするときに思春期症候群が再発し、かえでは苦しみます。そんなかえでに、咲太は夜の学校に連れて行って「今年の目標」を達成させます。その後、かえでは自分の記憶が戻り、花楓として生きることを選びます。咲太と別れることになったかえでは、咲太に感謝の言葉と笑顔を残して消えていきます。この作品は、引きこもりや不登校などの社会問題や、解離性障害や思春期症候群などの心理的な問題について考えさせられる作品です。かえでや花楓の気持ちや苦悩がリアルに描かれています。また、咲太や麻衣、のどかなどの周囲の人々がかえでや花楓を支える姿も心温まります。特に、咲太とかえでの兄妹愛は素晴らしいです

  •  青春ブタ野郎シリーズの第5巻。
     今回のヒロインは、妹の「梓川かえで」。これまでも、何故引きこもりになったのかの経緯は触れられてきましたが、本格的にその原因と、引きこもり、記憶喪失の問題に対峙する巻です。
     二人の妹「かえで」と「花楓」の間で心が揺れる様が、咲太が如何に良いヤツか、というのが全面に出ています。
     かえでの、特殊な環境下で自分を見てくれた兄に対する兄妹愛も凄いなと思うところ。

     それにしても、翔子さん、良いところで出てきて、これは惚れてしまいますよねー。
     修羅場で終わって、思わせ振りな5巻。

  • 今作はいじめが原因で解離性障害を発症した妹が治癒していくお話。

    解離性障害というギミックも、作中で自己言及されているけれども、やっぱり使い古されたものだし、「別離」の悲しさもそう。

    でも、それをベタにやっていくのがこのシリーズなんだなと思った。

  • かえでとパンダ

  • 妹がいじめによる過度のストレスで解離性障害。それに伴い咲太も胸に謎の傷。母親は精神を病む。梓川家は壮絶な日々を過ごしていたんだな。

    でも双葉や麻衣やのどかも症状は異なるとはいえ、思春期症候群に悩まされた過去があるから、同じ境遇を経験したものとして理解してくれることがどれだけ支えられていたか。

    そして次回、長い夜が始まる 笑

  • 咲太と翔子さんの最後の会話が心に沁みる。シスコンな咲太と理央の会話に和む。咲太と花楓の二年前がつらい。咲太の急な頼みにも快くバイトを代わってくれる佑真はやはりイケメン。咲太を心配するのどかは良い子。かえでとの日々が唐突に断ち切られた喪失感が心にくる。かえでの日記に込められた思いと花楓の「私はひとりじゃないもん」にじーんとくる。ラストで幕を開けた修羅場の続きが気になる(妹のことで大変な状態に陥った咲太を支えたのがまたしても翔子さんだったこの状況で恋人の麻衣はどうするのか)。

  • 家族に優しくなろうと思う話
    咲太の妹『かえで』
    少女は今おるすばん妹から卒業する

  • アニメは視聴済みだけどだいぶ忘れています。ちょうど劇場版『おでかけシスター』を観てきたところです。花楓が気にかけていたかえでの頑張りが分かります。先を知ってしまうと、この結末で一安心というわけにはいかないけれど、花楓の思いがかえでに伝わったように、かえでの思いは花楓にちゃんと伝わって、ほっと胸をなでおろす。これは応援するしかない! このシリーズお決まりの終章での波乱の予感。これは次に行くしかないでしょう。

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著者プロフィール

1978年生まれ、神奈川県出身の作家。代表作は『さくら荘のペットな彼女』、『青春ブタ野郎』シリーズなど。

「2023年 『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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