下読み男子と投稿女子 -優しい空が見た、内気な海の話。 (ファミ通文庫)
- KADOKAWA/エンターブレイン (2015年6月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047305151
作品紹介・あらすじ
平凡な高校生の青は、実はラノベ新人賞の下読みのエキスパートだ。そんな彼は、ある日応募原稿の中に、同じクラスの氷ノ宮氷雪の作品を見つける。"氷の淑女"と呼ばれる孤高の少女が、フォント変えや顔文字だらけのラノベを書いて投稿している!?驚く青だが、その後ひょんなことから彼女の投稿作にアドバイスをすることに。評価シートに傷つく氷雪をあたたかく導き、世界観、キャラ設定、プロットと、順調に進んでいくが…。爽やかな青春創作ストーリー!
感想・レビュー・書評
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実に野村さんらしい安定感のある作品。
なんだか自分もライトノベルの書き方をレクチャーされた気分になった。
みんなの知らないその子の秘密を知ることから始まる物語は割とメジャーだと思う。
そう言う意味で、その後の展開も含めて、非常に王道なボーイミーツガール物語。
作中の物語と実際の展開が重なるのは作者お得意の構成だ。
主人公が自分のことだけ疎いのはお約束なのだけど、それってやっぱりおじさんが言うように主人公気質だったんだ?(笑)
でも、もうちょっと積極的な主人公も見てみたいなあ。
ラストの下読み評価シートが実に効果的。
こんなこと書かれたら、もう惚れるしかないよなあ。
ハイライトはもちろん、氷雪がその評価シートを読んで涙を流す場面。
嬉し涙っていいもんだなあ。
自分もこんな評価シートが欲しい(爆)
ちなみにヒロインの書いた最初の小説の1ページ見開文で吹いた(笑)
これが二人で創った投稿作ではどうなったのか、ぜひ作者にはその投稿作を描いて読ませて欲しいところだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
流行りの長文タイトルで読書候補から外していたけれど、読書メーターでの評判の良さと作者が野村美月であることから購入。広い心を持ちどんなライトノベルでも楽しさを見つける、下読みバイトをしている主人公と、厳格な祖母の元萎縮して育つもライトノベルの楽しさをし知りこっそり投稿している孤高のヒロインの恋物語。日常を積み重ね、ヒロインの制作する小説と心情がリンクし、周りの大人たちが場を固める。主人公の相手の良さを見つける長所も、ヒロインの内気で押し秘めた想いも、そんな二人が心を近付ける日々も、丁寧に積み重ねて描かれていて良かった。1冊の青春ものとして非常に面白かった。
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さすがの一言。
なかなかくっついてくれない主人公たちにジレジレしつつ読了。
ラノベの教科書みたいな作品でした。創作の仕方・考え方は人それぞれだと思うし、実際に新人賞に投稿している方の中には「影響を受けないため」にあまり本を読まないようにしている方もいるかもしれませんね。
でも、そういう方にこそ、この作品は効力を発揮すると思います。
なんたって初心にかえれる。
主人公、ヒロイン、主人公の叔父……読書が好きであったり出版業界を志す(興味がある)という方なら、三人のうち誰かには絶対共感できると思います。
『ヒカル~』以降は作品を追っかけてなかったので、久しぶりに野村ワールドに浸れて楽しかったです。
とにかく青春!
ファンタジー要素いっさいなしで、なんか逆に新鮮さを感じました。 -
思い描いた世界を伝えるために。
意図を知っていれば理解しようとするだろうが、ただ厳しくするだけでは意味が無いだろう。
純粋な読み手として沢山の作品を見ていたからこそ、求められているものが分かるのかもしれないな。 -
2.8
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全1冊完結。祖母の呪縛の檻に閉じ込められたヒロインを好男子がライトノベルの力で助け出す、青春キュンキュンラブストーリー。屋上両手逃げ道塞ぎとかフェンス越しの✕✕とか。自己評価が低くい者同士だとこんなにもめんどくさくなるのだね。主人公の青が何事も肯定から入るところに伯父と似た女殺しの素質をみた。
声優の人可愛いけどけっこうな歳とは……いい -
男子が女子に教えるという構図が効いている。
全てを肯定的に受け取れるのに、自分には自信を持てない男子。自己評価が低く自分を出せない女子。そんなふたりの想いのやり取りが素敵。
ラノベを書くためのポイントは、そのままラノベの魅力にも繋がるだろう。 -
下読みという仕事を丁寧に書かれているラノベ
色々な情報が入っていて、斬新
昔にこれ読んでたら、投稿してみたい欲から、書いて投稿してみる、まで実行してたかも
本当にこんな下読みしてもらえるなら
話の中身は、ボーイミーツガール
あらすじ通りで、特に斬新な展開はなし
良い意味で児童文学に近い感じの、普通に良いお話
残念なのは、やたら地の文が、ですます、でした、が多くテンポ悪いこと
展開的にも、キャラ的にも、記憶に残るほどの何かがなかったこと