- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047035669
作品紹介・あらすじ
日本の中世に暗躍した「怪しいもの」とは何者か。山伏、占い師、ばくち打ち、勧進聖……。神仏の威光を利用した彼らの活動は多様であり、心の平安を与える方法は多岐にわたる。一見すると詐欺のようにも思えるが、殺伐とした環境に置かれた人々に夢見る喜びを感じさせ、人間らしい感情や希望、未来について考える機会を与えていたのだ。中世の「宗教」の果たした知られざる効用を、豊富な事例から解き明かす新しい中世史。
感想・レビュー・書評
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p.11
_第一章 中世の博打
cf) 網野善彦氏「職人歌合」
__博打と山伏
日本の山々を歩き回遊することで担う情報ネットワークについて。
__山伏・鋳物師・遊女
山伏・鋳物師・遊女の出てくる物語での、山伏の語られかた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自由と悲惨は表裏一体、強者は弱者に。
そんな中世社会を跋扈した「怪しいもの」とは何者だったのか。
第一章 中世の博打・・・詐欺を行う者たち。「博打」と行者との関係。
第二章 夢みる人々・・・卜占も夢も神意の現れ。
第三章 勧進の時代・・・浄土思想と勧進。永観と重源。
第四章 異形の親王・・・院政開始から増えた天皇や院の御落胤たち。
以仁王の子らの運命。清盛は果たして?
第五章 法勝寺執行の系譜・・・院政を行い、絶大な権勢と富を得た
白河天皇が造営した法勝寺。その寺院経営の
中核であった執行たち。信西の息子や俊寛も!
参考文献有り。系図も複数。
平安時代末期から鎌倉時代初期。
政治、信仰、人々の世界は混沌としている中世社会。
白河天皇が始めた院政は、政治のみならず、貴族や武士、宗教にも
影響を及ぼす。婚姻ネットワーク、認知されない皇子女たち。
権勢と富を得た法勝寺執行の人間模様。
庶民の世界に現れる信仰を騙って詐欺を行う者たち。
神仏の威光は多様に人々に作用し、夢見、希望を与える。
魑魅魍魎は生ける者・・・人。
一般的な歴史書では語られない「怪しいもの」の姿は悲喜こもごも。
以仁王や北陸宮、承久の乱の乱に関わる法勝寺執行の尊長等、
興味深い内容があり、楽しめました。 -
歴史
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「あやし」に俗っぽい期待を持つと裏切られます。純粋な中世日本史です。
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異人・異形・非人などに触れるかと思いきやちょっと想像と違いました。