武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50 (角川文庫)
- KADOKAWA (2023年11月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784046066008
作品紹介・あらすじ
「使える哲学本」として、ビジネスパーソンから圧倒的支持!知的戦闘力を最大化する、リベラルアーツ超入門。コンサルの現場で一番役立ったのは哲学だった――。「役に立たない学問の代表」とされがちな哲学は、ビジネスパーソンの強力な武器になる。経営コンサルだから書けた、「哲学の使い方」がわかる1冊。【本書で紹介するキーコンセプト】●第1章 「人」に関するキーコンセプト 「なぜ、この人はこんなことをするのか」を考えるために・ロゴス・エトス・パトス――論理だけでは人は動かない(アリストテレス)・悪の陳腐さ――悪事は、思考停止した「凡人」によってなされる(ハンナ・アーレント) ほか●第2章 「組織」に関するキーコンセプト 「なぜ、この組織は変われないのか」を考えるために・悪魔の代弁者――あえて「難癖を付ける人」の重要性(ジョン・スチュアート・ミル)・解凍=混乱=再凍結――変革は、「慣れ親しんだ過去を終わらせる」ことで始まる(クルト・レヴィン) ほか●第3章 「社会」に関するキーコンセプト 「いま、なにが起きているのか」を理解するために・アノミー――「働き方改革」の先にある恐ろしい未来(エミール・デュルケーム)・パラノとスキゾ――「どうもヤバそうだ」と思ったらさっさと逃げろ(ジル・ドゥルーズ) ほか●第4章 「思考」に関するキーコンセプト よくある「思考の落とし穴」に落ちないために・シニフィアンとシニフィエ――言葉の豊かさは思考の豊かさに直結する(フェルディナンド・ソシュール)・反証可能性――「科学的である」=「正しい」ではない(カール・ポパー) ほか
感想・レビュー・書評
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何か考えるに当たってのキーコンコンセプトがたくさん紹介されており、(本書の場合は哲学)、とてもおもしろかった。BIBLIOTHECAで山口周さんがお話しされる内容が、詳しく述べられていて、理解が深まった。
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ビジネスパーソンが「哲学」を武器として使いこなすための案内書。著者は、ビジネスパーソンが哲学を学ぶ理由を大きく4つ挙げている。
①状況を正確に洞察する。
②批判的思考のツボを学ぶ。
③アジェンダを定める。
④二度と悲劇を起こさないために
以上のような観点に立って、著者にとって有用性があるかどうかという基準で選択した50人の哲学者(思想家)とそれに関わるキーコンセプトが、人について、組織について、社会について、及び思考についてという4つの使用使途別に整理、紹介される。
取り上げた哲学・思想のエッセンスが簡潔に紹介された上で、それらの考え方がいかに私たちの生き方や仕事に活かすことができるかが論じられる。経営コンサルタントという著者のバックグラウンドもあり、イノベーション、意思決定、報酬政策、人事評価等具体的なビジネスとの関わりにを例にしつつ著者の視点が明確に説かれているので、各人の説自体は良く知らなくとも、読んでいてなるほどと思うものが多い。
次の学者たちの思想・説についてはほとんど知らなかったので、本書を参考にしながら、まずはそこから学んでいきたい。
・フロー ~ ミハイ・チクセントミハイ
・予告された報酬 ~ エドワード・デシ
・解凍=混乱=再凍結 ~ クルト・レヴィン
・マタイ効果 ~ ロバート・キング・マートン
・ナッシュ均衡 ~ ジョン・ナッシュ
・権力格差 ~ へールト・ホフステード
・反脆弱性 ~ ナシーム・ニコラス・タレブ
・格差 ~ セルジュ・モスコヴィッシ
・公正世界仮説 ~ メルビン・ラーナー
・未来予測 ~ アラン・ケイ
・ソマティック・マーカー ~ アントニオ・ダマシオ
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22.6.3
よきかな
「小人の交わりは甘きこと醴の如し 君子の交わりは淡きこと水の如し」
老子とか荘子とか読んでみたいけど絶対飽きる(. ̯. ) -
高評価であるのが大いに納得のいく内容。前作も含めて著者の作品には冗長なところかなく、難しい話しも極力平易に解説がされており、読み易く、内容も多くの示唆に富む。50の哲学・思想が紹介され、その多くが時に振り返って参照・思い出しをしたいと感じた。
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何冊も哲学関連書を買い、何回も途中で挫折したのですが、この本は最後まで読むことができた。
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とっつきにくい哲学をうまくわかりやすく整理して実用的な形に落としこんでおり、よい気づきが多くあった。時折読み返して身につけていきたい。
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哲学というのは批判と提案を常に繰り返してきたものである。だからこそ、そこに人の思考のプロセスがある。その思考のプロセスは、目の前の出来事を相対化するための道具となる。目の前の状況に対して新しい切り口をくれるものでもある。哲学を学ぶことで、あらゆる分野を横断的に進んでいかなければならないということを知ることができる。それは、結局、自分の思考を深めることにつながる。
哲学という営みが、自分の思考を深めると言う作業である。そして、哲学という分野に確固たる答えはない。常に時代の中で変容していくものである。 -
無知の知
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特にビジネスマンとしての考え方(人事評価制度や自己成長など)について書かれていた。このような哲学書はあまりなかったため、とても面白かった。