教養としてのお金とアート 誰でもわかる「新たな価値のつくり方」

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046046284

作品紹介・あらすじ

世界と比較してみても、日本人の中でアートとお金が苦手な人は多い。
けれど、時代はすでにグローバルになり、苦手を克服し、教養として身に付けておく必要がある。
それに、今やビジネスパーソンの間で話題になっている「アート思考」。
ビジネスパーソンでも絵画を学ぶことが大切であり、反対にアーテイストでもお金を勉強することが大事になってくる。
そうやってアートと会計をつないで学ぶことで、
これまで日本人に足りていなかった「正しい知識」が身につくに違いない。

本書は、『名画で学ぶ経済の世界史』『会計の世界史』の著者であり、公認会計士の田中靖浩氏が、
ビジネスパーソン代表として、東京画廊代表の山本豊津氏へ絵画を勉強しにいく。
アートと会計という一見関係のなさそうな両者が、つないで学ぶことでこんなにも共通点があった!

・アートを知るとなぜ「価値のつくり方」がわかるのか
・なぜお金を知らないで会社を経営する人が多いのか
・ビジネスパーソンにもアートの知識は必要なのか

お金とアートの専門家が語る異色の対談、つに完成!


目次
第1章 なぜアートは日本に浸透しなかったのか
第2章 簿記という芸術的なプラットフォーム
第3章 日本で会計の礎をきずいた福沢諭吉と渋沢栄一
第4章 価格から考える「アートの問題点」
第5章 これから絶対に必要な「価値と評価」の話
第6章 「未来の資本主義」の話をしよう

感想・レビュー・書評

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  • コード(歴史的文脈における表現方法)とモード(時代とセンス)
    世界の美術マーケット7兆円 44%アメリカ、イギリス21%、中国19%、日本7%
    日本国家予算100兆円
    興味(文化レベル)、お金(経済レベル)、買い方(目利き)が足りない
    アメリカ パブリック思考、 日本 プライベート思考

    言語技術と共通の土台
    保税倉庫

    標準化(文明)から差異化(文化)
    13世紀 ヨーロッパにアラビア文字
     経済に金利の導入 簿記がイタリアからオランダ、イギリスへ
    日本
     江戸時代 数学を解く楽しみ KPIで楽しみや美しさが失われる
     キャッシュレスで日本人の暗算力が低下する?
     マイナスを△にしたのは書き換え防止のため
     電子媒体は原価計算ができない
     美術品の評価機構がない

    会計の価額=価値
    ポップアート
     価格から価値を逆算
     誰もが知っている素材を自分のコンテクストに引用

    40代でもう一度とんでもないことができるのが天才
    人生の後半で価値転換は大変だがチャンスでもある
    日本人は長所を見つけるのが不得意

    会計の公準 
     貨幣的評価の公準
     継続企業の公準
     企業実態の公準
      なんでも金銭的評価するが、人間はバランスシートに載らない銭

     日本の博物館は寺からの寄託作品が多い。
     金銭のやり取りはないので貨幣的評価に影響がない。

    資産
     所有権ではなく、経済的利益を有するものに
     誰かに依存していないか?継承する仕組みがあるのか?

    美意識
     「自分の人生を作品化しようとする志」
      商品化と反対側のテンションが高い人のほうが化ける
    芸術家の才能 
     これ以外のことはやることがないという自分を追い込む才能

    トーナメントプロ=個人プレイヤーと レッスンプロ=教育者

  • 本筋とは異なるかもしれないが、「初期教育の失敗」に関する箇所が印象的であった。

    ・会計においては簿記、美術においては写生といった「作る」重視の教育が入口となっている
    ・一方、決算書や絵画を「観る」ことは疎かにされている
    ・「作る」と「観る」とは全く異なる行為である

    自身を振り返ると、小学生の時分、絵を描くことは苦手で気乗りしなかった。入口で躓いたがゆえに、「観る」に興味が湧くこともなく、30歳を過ぎてしまった。
    今になってみれば、絵画を観ることには魅力を感じるが、憧れに近い感情である。全くスキルを持ち合わせていないからだ。
    そこに適性がなければ即挫折しかねないという点で、一側面を過度に重視した初期教育はとてもったいない。

    と文句を言っても始まらないので、自助努力で絵画を「観る」ことを楽しめるようになりたいと思った。遅すぎるということはないだろう。
    (flierでのみ読了)

  • 著者の田中靖浩さんの大ファンで手にした本です。

    著者名のとおり「お金」と「アート」。
    画廊の山本豊津さんとの対談が本になっています。
    コロナ禍でモノの価値観がまさに変わろうとしている今のこの時に、
    アートの価値、それは「美意識」の変化にまで話が及びます。
    田中先生お得意の会計と歴史が沢山でるなか、高齢の山本さんの
    考え方が野をかける少年のように興味津々な対談内容です。

    帯に書いている、アートを通して「価値と価格の本質」即ち、
    その「もの」が持っている力・価値をどう計るかという問い。
    一人一人が主体的に、「もの」をどう捉えるかといった、
    今の社会に求められているけど、情報の渦の中、なかなか難しいこと
    だけど、これからとても大事なことであると新たな視点を得ました。

    私にとって「美意識」とは、「価値」とはとずっと考える
    気持ちにさせてくれる本でした。

  • 絵画とイラストレーションの違い、日本と海外のアートに対する価値観や経営マインド、経済や美術の歴史など、幅広い話題をわかりやすく、しかも脚注付きで対談しています。 そのせいか、話があっちこっち行ってしまうのですが、それもまた面白く、知っている単語や人物もたくさん出てくるので、とても為になる楽しい一冊です。

  • 自分が学んできた会計と興味のあるアートの視点が交わるということで、ぜひ読まなくてはと思って手に取った書籍。ビジネスマンにアートが必要なだけではなく、アートにもビジネスの視点が大事。

  • 2021年末の大掃除で発掘した本です、この本は2021年の間に読む本の様ですね。読みかけになっていたために、評価は「★一つ」にしております。内容が不満足だったわけではありません。

    2021年12月29日作成

  • 自分の人生を「作品」として生きる心がは今後役に立つ可能性があるので覚えておきたい

  • 教養としてのアートの理解の仕方がやっとわかった。本文中に出てくる作家の作品をネットで確認しながら読み進めるのがオススメ

  • ちょっと難しくて、私の勉強不足でわからないこともあるけど、着眼点が面白くて、最後まで読み切れました。

    アートと経済って、実はこんなに繋がっていたのかと驚きます。

    今回難しかった所は、もう少し勉強してからもう一度読みたい本。

  • 簿記や会計という視点からアートの歴史や現在について考察しているが、対談形式なので堅苦しくなく読み易い。

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著者プロフィール

1963年、三重県生まれ。作家、公認会計士。田中靖浩公認会計士事務所所長。早稲田大学卒業後、外資系コンサルティング会社などを経て現職。中小企業向け経営コンサルティング、経営・会計セミナー講師、執筆、連載を行う。著書に『会計の世界史』(日本経済新聞出版社)、共著に『お金にふりまわされず生きようぜ!レストランたてなおし大作戦』(岩崎書店)など多数。

「2022年 『会計と経営の七〇〇年史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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