ブレない子育て 発達障害の子、「栗原類」を伸ばした母の手記

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046020475

作品紹介・あらすじ

発達障害を公表した、モデルで俳優の「栗原類」氏(23)の母が、
自身も発達障害と告知されながら、
シングルマザーとして、我が子をどのように育て、
導いてきたかがわかる、感動の手記。

「類が8歳のとき、NYで発達障害だと診断されて、
どんな弱点や苦手があるのか、じっくり観察するところから、
私の発達障害の勉強と理解は始まりました。」(本文より)

類氏の小学1年での留年や、帰国後中学での不登校、高校受験の失敗など、
様々な困難や壁を乗り越えながら、「ネガティブすぎるイケメン」として注目を浴び、
モデル・俳優として歩み始めるようになった現在まで、傍らで常にサポートしてきた。
2016年に発表した類氏の自伝的著書、『発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由』
(KADOKAWA)は15万部のベストセラーとなった。

本書では、母の泉氏が試行錯誤しながら実践してきた、
ブレない子育てのための「8つのマイルール」を書き下ろした。
発達障害の子育てに限らず、すべての子育てに役立つヒントが満載。

母を誰よりも信頼する息子「類氏」との対談も収録。

<ブレない子育て マイルール>
1、周囲の雑音に振り回されない知識を持つ
2、我が子に今何が必要かじっくり観察する
3、頑張らせることの優先順位を決める
4、子どもと一緒に学ぶ、感動を共有する
5、人生への前向きな姿勢、社会常識・マナーを教える
6、子どもの将来を見すえて教育ヴィジョンを持つ
7、親のエゴをはずして、子どもの意思を尊重する
8、子どもとの約束を守る、言行一致する

感想・レビュー・書評

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  • 俳優 栗原類のお母さんの子育てに関わるエッセイ。

    正しいとか間違っているとかではなく、自分がどう考えるか、ということを大切にしている点が印象に残った。

    類君にとってはこの接し方は幸せな結果になったのではないかと思う。

    日本、アメリカどちらでも育っているが、どちらもそれなりに制約があり、息苦しい。
    発達障害に対する意識が進んでいるアメリカに行ったことはやはり大きいと思う。

    日本の常識はアメリカでは常識ではない、逆にアメリカの常識も日本の常識ではない。

    マイノリティーは、当然だがメジャーじゃないということ。
    日本、アメリカを比べることで、「メジャーの作った”常識”からはずれることは問題ではない」ことを知れた。
    世間の常識を疑えることは大きいと思う。

    行動し、体得していくお母様の潔さがすがすがしい本。

  • #読了 2022.5.10

    息子栗原類さんの本に続いて。
    いやもうほんとにすごい。図書館で借りた本なので、改めて購入しようと思う。私の子育てバイブルだ。

    栗原泉さんご本人も発達障害だと診断されたらしいが、非常にクレバーな人という印象。必要だと思えば勉強し、スルスルと知識を蓄積していく。そして知識だけでなく、一般常識や固定概念にとらわれない目線で、一貫した社会性・人間性を丁寧に伝えていく。どうしてそんな発想に辿り着くのかと感嘆することも多かった。日本と海外、両方で働いた経験からくる視野の広さや異文化の捉え方なども影響しているように思う。

    発達障害の子をどのように育てたか、接したか、サポートしたか、ということが書かれているが、定型発達児にも必要なことをより丁寧に根気強く伝えている点において、どんな親にも必要なことがたくさん書かれていた。

    「子どもには幸せになってほしい」という願いは親ならば当たり前にある想いだと思う。でもそれのために具体的に何をするのかってなるとすごく難しい。こうした方がよりいい方向に行くのでは?とサポートしたい反面、やりすぎれば親のエゴだろうし、だからといって道を外してほしくもない。正解は無い。でも間違いはある。子育ては難儀ですわ。

    余談ですが。
    栗原類さんの著書を読んだとき、何よりこの母親はどんな幼少期を過ごしてこのような考え方ができるようになったのだろうと気になった。その答えがここにあった。家庭環境に共感するところもあって、今更ながら救われる内容もあって思わず涙がこぼれた。そうだよね。親を憎んだっていいんだよね。

    ◆内容紹介◆
    我が子に今必要なものは? じっくり観察する、親子で乗り越える。発達障害を公表した、モデルで俳優の「栗原類」氏(23)の母が、自身も発達障害と告知されながら、シングルマザーとして、我が子をどのように育て、導いてきたかがわかる、感動の手記。

「類が8歳のとき、NYで発達障害だと診断されて、どんな弱点や苦手があるのか、じっくり観察するところから、私の発達障害の勉強と理解は始まりました。」(本文より)

類氏の小学1年での留年や、帰国後中学での不登校、高校受験の失敗など、様々な困難や壁を乗り越えながら、「ネガティブすぎるイケメン」として注目を浴び、モデル・俳優として歩み始めるようになった現在まで、傍らで常にサポートしてきた。2016年に発表した類氏の自伝的著書、『発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由』(KADOKAWA)は15万部のベストセラーとなった。本書では、母の泉氏が試行錯誤しながら実践してきた、ブレない子育てのための「8つのマイルール」を書き下ろした。発達障害の子育てに限らず、すべての子育てに役立つヒントが満載。母を誰よりも信頼する息子「類氏」との対談も収録。

  • 泉さんご自身も発達障害で、ご両親も今でいうところの「毒親」。ご苦労が多かっただろうに悲観的にならずにとても冷静に分析して人生設計と子育てをなさっている。
    子育てのノウハウが載っているわけではなく、あくまで類君の場合というスタンスで書かれているので参考になるかならないかは読みとり方しだいだけど、子育てに対する覚悟のようなもの(それがブレないということになるのかも)が素晴らしい。例えば、子どもにとってのベストな選択や環境は探すけれど、最終的には子どもの判断に任せるという部分。わかっていてもこれがなかなか難しい。ついつい「こっちの方がいいよ」と誘導しがちだ。けれど泉さんは類君の選択を否定しない。「向き」「不向き」ではなく継続して「頑張れそう」なことなら困難があっても大丈夫だと考えている。必要なら手はさしのべるけれど、自立の邪魔はしないというこのさじ加減は見習いたい。


  • 文章が好き ◯
    作品全体の雰囲気が好き ◯
    内容結末に納得がいった ◯
    また読みたい ◯
    その他

    読んでいて伝わってくる、芯の強さ。
    私もこうありたい、と思う。

    付箋いっぱいつけて読みました。

  • 海外の、特にアメリカの教育システムと日本とのギャップに衝撃を受けた。特に、日本におけるリーダーシップの育成欠如は大きな問題だと思う。

    まずは、大人が教育機関に積極的に関わっていくべきで、日本のように役員逃れをしている状態を改善していくべきなのだろう。

  • 視野の広さと、選択する判断の鋭さ、そして潔さというか強い覚悟を感じた。子供を成人するまで育てた人の言葉は説得力があるなと思う。

    【学びメモ】
    ・泉さんの両親の対応は反面教師にした。世間体を気にして本人と向き合わない。塾に通わせたのに受験させないという一貫性の無さ。怒鳴る。言葉遣いが荒い。

    ・周りから言われる雑音に振り回されないよう、知識を持つ。医学博士の育児書を読む。信頼できる専門家の相談相手を持つ。

    ・向き不向きでなく、「何なら頑張れそうか」を見つける。

    ・頑張らせることの優先順位を決める。みんながやっているからという理由で選択しない。勉強よりキャリアを優先する場合もある。

    ・子どもと一緒に学ぶ姿勢を見せる。塾ではなく親子の勉強旅行に費用をあてた。

    ・アメリカでは、子供を下に見るのでなく対等な存在として見る。だから丁寧な言葉で頼むし、感謝や褒める言葉をたくさん使う。

    ・教えたい行動規範などは繰り返し伝え続ける。学校の先生にも、すぐに変わらないのは承知の上で、要望を伝え続ける。

  • かなり手放したと思っていた「ねば」「べき」が、まだまだ残っていることに改めて気付いた。

    その当たり前は、誰のもの?

  • 発達障害、そうなのか程度にしか理解できない。でも親は違う、その子が自立できるまでは死ねない。自立するまでの道筋も半端ではないだろう、でもそうしたことにも意味がある。と思いたい!

  • 長男が一時発達障害を疑われたことがあるので、必死に発達障害について勉強したことがある。
    今もクラスでは「注意散漫でよく注意する四天王のひとり」だとか。
    とほほなことはよくあるが、私は彼は大丈夫!と思っている。
    でも、発達障害の子に対するアプローチは長男にも有効で、それは長男がグレーな発達障害だからとかじゃなく、子どもを、人を育てるにあたって基本的な接し方だからだと思う。

    例えば、長男は「空気を読むのが苦手」って指摘されたけど、「空気を読め」と言うのではなく「みんなが◯◯しているときは◯◯するんだよ」と言わないと伝わらないとか→要するに抽象的な言い方じゃなく具体的に、ということだけど、多分これは、当時、第三子が産まれて間もなくで、自分に注目を引きたいために敢えて集団行動から外れる行為をしてたのだろう、と今なら思えるが、当時は真剣に悩んだ…

    「我が子に今何が必要か観察する」とか「人生への前向きな姿勢、社会常識やマナーを教える」「親のエゴをはずして子どもの意思を尊重する」とか。

    だから栗原さんの育児体験に頷き、心に留めようと思うところがあるんじゃないかと思いました。

  • ADDの栗原類の親の子育て本。著者もADHDの診断を受けており、発達障害の親による子育ての本という意味でも貴重だと思う。(子どもが発達障害という発信はよくあるが逆はなかなか少ない)

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著者プロフィール

翻訳家。米国セント・メリー大学卒業。主な訳書にナイジェル・ウォーバートン『哲学の基礎』(講談社、2010年)、ジョゼフ・ギースほか『大聖堂・製鉄・水車』(講談社学術文庫、2012年)、ピーター・ヘスラー『北京の胡同』(白水社、2014年)など。

「2014年 『朝鮮戦争論 忘れられたジェノサイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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