オイレンシュピーゲル肆 Wag The Dog (角川スニーカー文庫 200-4)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
4.23
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本棚登録 : 364
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044729080

作品紹介・あらすじ

空港で旅客機が占拠された。首謀者の男-パトリックを捕らえ空港内留置所に拘束するも、中国服の武装集団に襲撃される。いきがかり上、パトリックと共闘することになる涼月。一方、テロリストが市民200名を人質に、空港の一角を占拠。陽炎も人質となり、両手に爆弾のスイッチを握らされる。テロリストの中には、"レベル3"の特甲児童、双子の兄弟の姿もあった…。クールでキュートでグロテスクな"死に至る悪ふざけ"、第4幕。

感想・レビュー・書評

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  • 読了してみると、他のも読んでみたくなったりして^^;

  • 3頭で一つの猋なのにこの巻ではそれぞれがそれぞれの状況に置かれてる。スプライト側とのリンクはより強固になってきた感じ。

  • 古本屋でたまたま見つけた。

    参まで読んだところでどうしても好みじゃないので
    休止していたけれどオイレンシリーズの最後巻らしいので
    『毒を食らわば皿まで』という心意気で読んでみた。

    やはりスラッシュ文体は読みにくい。
    途中かなり読み飛ばしてしまった。

    この文体は心の機微、葛藤が素晴らしく表現されている。
    陽炎のミハエルに対する素直になれない恋心とか、
    涼月の強がりの裏側にある劣等感とか。
    (逆に夕霧のような裏表のないキャラクターにはあまりはまらない)

    それでもどこか相容れないのは完全に好みの問題か。

    なんとか読み切ったけれど、
    物語はスプライトシリーズとリンクして
    まだまだとどまる所を知らない。

    あ、あれ……? この巻で全然完結しないんだ……(愕然)

  • こちらも初読の際にレビューしなかったので再読でレビュー。二つの物語が相互に連携しながら同時進行するストーリーで、電話という手段で言い合う主人公たちの語りが相互の謎に大きく関与し、二つで一つの事件という構図となっているが、これが発展的に次作のテスタメントですべての物語が一つの話という途方もない挑戦に繋がったのがよくわかる。ライトノベルの様な体裁でありながら途方のない話であり、是非、早めの次作の刊行をお願いしたい。

  • オイレンシュピーゲル4巻を再読。涼月が機械化された体や自らの境遇に対して持つコンプレックスに、潰されそうになりながらも立ち向かう姿が印象的。テスタメントで、受験によって自らの道を「選択する」ことが涼月にとっていかに重要だったか、4巻を再読してより理解できた。

    涼月と共に行動することになるパトリックは、普段身近にいない「大人」として涼月に影響を与える。パトリックが自らを米国民であることを意識したアーカンソーでの出来事と、アメリカの善が試行錯誤中の「最前線の善」であるとの考えは、涼月とは立場が違うけれども、示唆に富んだ言葉だった。

    涼月の言う「あたしの都市」という言葉が、テロリストの言う「我が国」「我が民族」等と同様の、劣等感にまみれた欺瞞の言葉にならないためにはどうすればよいか。涼月の葛藤と、拷問嫌いの涼月が「あたしの都市」でそれを許すまじと突撃するシーンは、痺れる!

    あと、脳内チップと機械義肢との関係や、レベル3のフロー状態の関係などは、結構忘れていたんで読み直せてよかったw

  • [2013.10.25]

  • 4巻
     もう一つの物語の4巻とリンク

     こちらにも猟兵2人、偽脳兵器1、中国の蟲さんも参戦
      切れた子供たち、それに過去の女
     黒犬君がメイン?己の劣等感と対峙
     謎解きの部分は少な目、すでにスプライト読んでいるのでわかっているし。
     話は収束せずにまだまだ発散中。

     メインの筋は同じでもサブの物語が違うとだいぶ趣が変わるかな。

  • 読まずに図書館に返却。
    少年少女の荒んだ感じが、読んだ時点の気分と合わなかったのか、読めなくなった。オイレンシュピーゲルの1巻は読んだが、2巻以降も図書館から来てたけど読まないで返却。
    マルドゥックの方も同じように荒んだ感じはあるが、ウフコックがいたことで和らいで読めたのかも。
    冲方さんの文章自体はうまいので読みたい作家ではあるが、シュピーゲルやマルドゥックのような荒れた感じはダメかも。

  • もう二度と手放したりしない。

  • 特甲猟兵の登場によって、戦闘が半端無く過激になり特甲児童の内面に更に迫る巻。小隊メンバーそれぞれが現状を受け入れて精神面での成長を果たす姿も素晴らしく、それを支えるミハエルとパトリックがまたかっこいいです。あと陽炎の行動と内面のギャップも見ていて面白いです。そしてスプライトとの結びつき、特に涼月と鳳の電話による会話とその姿の対比の仕方が見事。これだけ多面的に物語を破綻なく書ける作家はそういないでしょう。物語が統合されるというテスタメントにも期待です。

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著者プロフィール

1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『剣樹抄』『麒麟児』『アクティベイター』などがある。

「2022年 『骨灰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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