新版 南洲翁遺訓 ビギナーズ 日本の思想 (角川ソフィア文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044002572

作品紹介・あらすじ

「己れを尽し人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ぬ可し」--。偽りのない人生を生き、そして死んでいった西郷。その言葉は、新政府への批判を含みながら、国家や為政者のあるべき姿を示し、人として広い度量と高潔な精神を持つ必要性を説く。「敬天愛人」に代表される西郷の遺訓四一条と追加二条すべてを、原文、現代語訳、くわしい解説で丁寧に読みとく。大きな文字で多くのふりがな付し、読みやすくなった新版。略年譜・読書案内付。

【もくじ】
遺訓
    一   徳懋んなるは官を懋んにし、功懋んなるは賞を懋んにする
    二一  敬天愛人
   三二 人の意表に出て一時の快適を好むは、未熟の事なり  …など
解題
西郷隆盛略年譜
読書案内

感想・レビュー・書評

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  • 心の師です。

  • 狭量な人間世界に拘らず、天を相手する。
    己を尽くし人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ぬべし。
    日頃、天道を実践すれば大事な局面で対応可能。準備が大事。
    無事、有事の如く、有事、無事の如し。

  • この本はとても勉強になる。人間としての倫理観、生き方、その時の状況から想像できること。歴史は、時間とともに繰り返すと思う。いつ何が起きても、対応できる精神力を始めとした準備は大切だ。

    悩んだ時は人としてどれが大切かを優先する事だ

  • 1.この本を一言で表すと?
    ・西郷隆盛が残した名言・遺訓集。明治という時代を築いた浮かれている同士たちへの苦言。

    2.よかった点を3〜5つ
    ・徳さかんなるは官をさかんにし、功さかんなるは賞をさかんにする(p16)
     →職位は人徳がない人がやってはいけない、人徳がない人が功績あげた場合は賞で報いる、という考えは初めて聞いた。非常に納得感がある考え方だと思う。

    ・文明とは道の普く行はるるを賛称せる言(p48)
     →西洋文明を鵜呑みすることなく、文明を本質が何かを西郷なりに理解した言葉。制度などの相違に関わらず一貫している道義があるかどうか、という考えはその通りだと思う。

    ・敬天愛人(p107)
     →達観した考え方。この考え方が西郷は偉大とされる所以だと思う。

    ・道を踏むには上手下手も無く、出来ざる人も無し(p153)
     →生きているうちには色々な事があり、苦しいことも数多くあるが、あまり関係なく、天から与えられた道をまっすぐ歩けばいい、と言ってくれるのはとても前向きで明るい。

    ・官位も金もいらぬ人は、仕抹に困るもの也。仕抹に困る人ならでは、国家の大業は成し得られぬ(p158)
     →今の政治家にこのような考えを持っている人は少数だと思う。

    ・平生道を踏み居る者に非ざれば、事に臨みて策は出来ぬもの也(p169)
     →ボーイスカウトのモットー「そなえよつねに」と同じ考えで面白い。

    ・南洲翁遺訓の成立事情(p208〜)
     →なぜ戊辰戦争で敵対した、「庄内藩」の有志らによって編集されたのかがわかって面白い。本書は西郷の人間性によって生まれたといっていい。

    3.参考にならなかった所(つっこみ所)
    ・似た内容の遺訓が多く、また解説も同じことを何度も言っている箇所が多く気になった。

    4.全体の感想・その他
    ・為政者のあるべき姿を考え、政府の仕事を離れて客観的にみることができたから出来た本だと思う。
    ・若い時の苦労はしておくべきだと感じた。

  • 「西郷どん」の影響で読みました。深く理解するには、中国古典や儒教の知識が必要ですね。

  • 「 南洲翁遺訓 」 100分de名著 より。敬天が 西郷隆盛の思想を理解するポイントだと思う。西南戦争の動機、西郷隆盛が目指した政府、国家、天皇の姿が見えてくる

    敬天の意味
    *天=私心でないもの
    *人を相手にせず、天を相手にせよ→狭量な人間社会にこだわるのでなく 広大無辺の天を相手にせよ

    西郷隆盛が目指した政府、国家
    *天皇主権の国家を目指す→西郷隆盛は 憲法で天皇を規制することに 反対したのでは?
    *政府は 国が辱めを受けたら 戦うべき→政府は 戦争には弱腰→武士の地位低下に反対


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著者プロフィール

1827(文政10)年~1877(明治10)年。明治維新の指導的政治家。下級藩士ながら、薩摩藩主島津斉彬に見出され庭方役となる。斉彬急逝後、三度の島流しとなるが、64年、赦免。以後、討幕の指導者として薩長同盟・戊辰戦争を遂行、江戸城無血開城を実現。大久保利通、木戸孝允と共に、維新三傑の一人と称され、71年に参議、73年に陸軍大将兼参議となるが、征韓論争で大久保らと対立し下野。77年、私学校の生徒らと挙兵。8か月に亘る戦いの後、新政府軍に敗れ、鹿児島城山で自刃。89年、憲法発布の大赦で正三位を追贈される。

「2017年 『新版 南洲翁遺訓 ビギナーズ 日本の思想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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