自閉症の僕が跳びはねる理由 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 209
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784044001506

作品紹介・あらすじ

「僕が跳びはねている時、気持ちは空に向かっています。空に吸い込まれてしまいたい思いが、僕の心を揺さぶるのです」(本文より)
人との会話が困難で気持ちを伝えることができない自閉症者の心の声を、著者が13歳の時に記した本書。障害を個性に変えて生きる純粋でひたむきな言葉
は、当事者や家族だけでなく、海をも越えて人々に希望と感動をもたらした。世界的ベストセラーとなり、NHKドキュメンタリー「君が僕の息子について教えてくれたこと」でも放映された話題作、待望の文庫化!
デイヴィッド・ミッチェル(英語版翻訳者)による寄稿を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 「自閉症」という言葉をそのまま捉えると、「自ら心を閉ざす病気」というように聞こえる。私も大まかはそんな理解だった。しかし、一つの映画をキッカケに本書を読んで認識は大きく変わった。

    いまイギリス発のドキュメンタリー映画が、全国で順次公開されている。「僕が跳びはねる理由」(ジェリー・ロスウェル監督作品)。世界5人の「自閉症者」を取材して、東田直樹原作の内容を映像で「証明」した作品である。

    ずいぶん前から東田直樹さんのエッセイはビッグイシューで読んでいた。それなのに、それは普通の若者の文章で、彼はどれだけ重度の「自閉症者」なのかを私は認識していなかった。
    「大きな声はなぜ出るのですか」
    「いつも同じことを尋ねるのはなぜですか」
    「どうして目を見て話さないのですか」
    「声をかけられても無視するのはなぜですか」
    「跳びはねるのはなぜですか」
    「どうして耳をふさぐのですか」
    この数倍ある疑問のひとつひとつに、13歳の東田さんは「理路整然」と、自閉症者として答えている。そのこと自体が、私の見ていた自閉症者の実態が、その心の中では全く違っていたことの証明だった。私は間違っていた。

    映画は、先ずは自閉症者が見る世界を映像として見せる。79pで東田さんは言っている。
    「みんなは物を見るとき、まず全体を見て、部分を見ているように思います。しかし僕たちは、最初に部分が目にとびこんできます。その後、徐々に全体がわかるのです」
    だとしたら、私たちの認識とは全然別のものになるだろう。そして世界は、なんと美しく見えるのだろう。部分が美しすぎて、それが気になって、隣の人の言葉なんか聞こえなくなるのも当然だ。

    「(僕が同じことを尋ねるのは)みんなの記憶は、たぶん線のように続いています。けれども、僕の記憶は点の集まりで、僕はいつもその点を拾い集めながら、記憶をたどっているのです」
    これは衝撃的だ。映画では、随分前のことがほんの一瞬前のように感じることを映像として見せていた。ベッドで飛び跳ねている場面に、海で嬉しくて全く同じように飛び跳ねているフラッシュバックがつくのです。脳がそうなっているとはいえ、私たちの見る世界とはやはり違う。

    じゃあ知的思考はできないのか?できるということは、この本が明確に証明している。文字盤、やがてはPCのキーボードで、彼は思考も会話もできるようになったのである。東田さんだけが特別なのではない。映画では、アメリカの男女の幼友達が、かなり高度な会話をしていた。

    自閉症についてどう思いますか?
    この質問に対して東田さんは以下のように答えている。少し長いが書き写す。教えなければ、誰がこの文章を13歳の男の子が書いたと思うだろうか?いや、そんなことが凄いのではない。私は、もしかしたら世界的に重要な哲学的発見を読んだのかもしれない。自閉症説明を超えて人類の本質を示唆しているのではいか。
    「僕は、自閉症とはきっと、文明の支配を受けずに、自然のままに生まれてきた人たちなのだと思うのです。
     これは僕の勝手な作り話ですが、人類は多くの命を殺し、地球を自分勝手に破壊してきました。人類自身がそのことに危機を感じ、自閉症の人たちを作りだしたのではないでしょうか。
     僕たちは、人が持っている外見上のものは全て持っているのにもかかわらず、みんなとは何もかも違います。まるで、太古の昔からタイムスリップしてきたような人間なのです。
    僕たちが存在するおかげで、世の中の人たちが、この地球にとっての大切な何かを思い出してくれたら、僕たちは何となく嬉しいのです。」

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      kuma0504さん
      ちょっと知らない間に東田直樹の本が結構な数に!
      それだけ認知度が高まっているってコトですね。
      kuma0504さん
      ちょっと知らない間に東田直樹の本が結構な数に!
      それだけ認知度が高まっているってコトですね。
      2021/06/19
    • kuma0504さん
      東田直樹さんのFCを疑うかなり真剣なネットユーザーからのツイート来ました。
      それなりに調べましたが、藪の中です。
      でも、10数年本が出ている...
      東田直樹さんのFCを疑うかなり真剣なネットユーザーからのツイート来ました。
      それなりに調べましたが、藪の中です。
      でも、10数年本が出ていることは、それなりに検証されているのだと判断しています。
      2021/06/19
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      kuma0504さん
      そう言う話があるんだ、、、知りませんでした。
      ちょっと調べてみます(だから何?の話になりそうですが)
      kuma0504さん
      そう言う話があるんだ、、、知りませんでした。
      ちょっと調べてみます(だから何?の話になりそうですが)
      2021/06/20
  • こっとんさんの、『わたしの心のなか』のレビューで、紹介されていた本書は、私にとって、とても得るものが多く、大切な気付きを促せてくれた、素晴らしい作品でした。
    改めて、ありがとうございます。

    私がまず驚いたのは、作者の「東田直樹」さんが、当時、13歳で執筆されていた事(自身で執筆できないので、尚更、困難さが加わる)と、Q&A方式で構成された、内容の具体性です。

    『僕たち』という表現は、当時の自閉症で悩む人達へ向けて、そうしたということですが、見方によっては、自分がどういう人間なのかを、自問自答しているようにも思われる、当時の閉鎖的な社会環境において、この何とかしたいんだという、彼の思いの強さに、とても心を打たれました。

    そして、その心の声を聞いたことで、東田直樹さんって、こういう人なのだということが分かると共に、おそらく、自閉症の方々の、心の中の思いを知ることも出来たのではないかと、実感できた、この点が、とても素晴らしいと感じるのです。

    例えば、

    コントロール出来ない声は、反射的に出てしまう。

    皆の記憶は線のように続いていくが、僕らの記憶は点の集まり。

    答えようとするときに、言いたいことが頭の中から消えてしまう。

    自分の体を自分のものだと、自覚したことがない。

    などは、おそらく、普段の表向きの言動からは理解できない、心の声を教えてくれた気がして、このような、今日まで私が知らなかった、気付きを促せてくれる質問が、58もあるのだから、彼がどれだけの思いでいたのかを、推測できると思います。

    それから、本書の「はじめに」の中に、『自閉症を個性と思ってもらえたら』とあるのですが、これについて、まさしく個性だと肯けることを、私なりに考えてみました。

    例えば、本文の中にある、「僕たちは美しいものを見たり、楽しかったことを思い出したりしたとき、心からの笑顔が出ること」。
    また、「人の批判をしたり、馬鹿にしたり、騙したりすることには笑えないこと」。

    これらについて、「楽しいと思えることやおかしいことが、みんなとは違うのだと思うのです」とありますが、私からしたら、馬鹿にしたり、騙したりする話で笑わない人の方が、好感をもてますし、美しいものを見たとき、心からの笑顔が出るのは、誰もが持ちうる個性だと思います。

    また、それに加えて、他のテーマでは、「自然を友達だと思う心を、僕はいつまでも大事にしたい」といった言葉もあって、そう思うのは私もだよ、なんて、つい言ってしまいそうな、親しみやすさを感じるとともに、東田さんの自然の表現も素晴らしく、少し掲載すると、


    自然は、いつでも僕たちを優しく包んでくれます。
    きらきらしたり、さわさわしたり、ぶくぶくしたり、さらさらします。
    見ているだけで吸い込まれそうで、その瞬間、僕は自分の体が生まれる前の小さな分子になって、自然の中にとけていくような感覚に襲われます。とてもいい気持ちで、自分が人だということも、障害者だということも忘れてしまうのです。

    上記の文章を見て、どこが病気なんだろうと思いませんか?
    私はそれを読んで、ものの見方や感覚が、とても繊細で、どこか詩的な一面もある、それが彼の個性なのかなと思いました。


    『自分を好きになれるのなら、普通でも自閉症でもどちらでもいい』

    ただ、それでも、その理解できない感覚を理解することの難しさというのは、あると思います。
    それが、おそらく上記の言葉にも表れているとは思いますが、よくよく見てみると、自分を好きになれれば自閉症でもいいと思える、彼の気持ちの中には、自閉症をどうするかというよりも、彼自身の心の喜びを満たすためには、どうすべきかというのが、最も大切なことのように感じられ、彼自身の創った、「ショートストーリー」や、「ちょっと言わせて」で感じられた、メッセージも素晴らしく、私が見習うべき点は、たくさんありました。

    今では本書も、28か国で翻訳されているそうで、彼の、その心の中の思いは、世界各国へと届き、きっと、多くの自閉症の方々の支えになっていることでしょう。

    『ホント、僕らの言葉はミラクルだね』

    • たださん
      こっとんさん、こんばんは。
      昨日は、大変失礼をいたしました。

      改めて、コメントありがとうございます。

      『わたしの心のなか』もそうでしたが...
      こっとんさん、こんばんは。
      昨日は、大変失礼をいたしました。

      改めて、コメントありがとうございます。

      『わたしの心のなか』もそうでしたが、私も含め、あまりにも自閉症の方の事を知らなかったんだなということを、本書を読んで、再実感いたしました。

      外見や、目に見える行動だけが、その人の全てでは無いことは、私たちも同じはずなのに、その誤った先入観や、無知によって、自閉症の方々が辛い思いをされるのは、おかしいと思いますし、じゃあ、どうすればいいのかとなった時に、本書が、自閉症の方々の心の中を知ることのできる、ひとつの指針になると感じました。

      感想でも書きましたが、本書を読むことで、東田さんがどんな人なのかを知ることができる、ということは、自閉症の方がどんな人なのかを知ることができるということになると思います。

      例えば、『どうして上手く会話できないのですか?』という質問に対して、

      「僕も話せないのはなぜだろうと、ずっと不思議に思っていました。
      話したいことは話せず、関係のない言葉は、どんどん勝手に口から出てしまうからです。」や、

      「話せないということはどういうことなのかということを、自分に置き換えて考えて欲しいのです」

      を読んだ時に、自閉症の人だって、話せないことを不思議に思わないはずがないよねと、感じましたし、これって、自分に置き換えて考えれば、想像出来うる事なのではないかと痛感し、想像力が足りなかったなと反省しましたし、実際に聞こえてくる声ではない、心の声を聞くことの大切さを、改めて教えてくれた気がしました。

      理解出来ないことの恐怖は、私も分かります。
      しかし、それを知って安心するために、こうした本が存在するのだと考えれば、東田さんの為さった事の大きさは、計り知れない程の素晴らしさを感じ、その勇気を称えたいですし、恐怖を感じている人にこそ、是非、本書を読んで欲しいと思いました。
      2022/09/21
    • こっとんさん
      たださん、おはようございます。
      まず、不快な思いは一つもしていないので、ご心配なく♪

      実は私、身内に障害者がいるのです。なので、障害を持つ...
      たださん、おはようございます。
      まず、不快な思いは一つもしていないので、ご心配なく♪

      実は私、身内に障害者がいるのです。なので、障害を持つ人たちのことを理解しているつもりになることもあります。でも、きっとピントがズレているのだろうな、と思うのです。言葉を持つ私たちでさえ、完璧に理解し合うのは到底無理ですものね。
      なので、東田さんの本や、『わたしのこころの中』を読むことで、少しでも彼に近づくことができるかな?と思えるのです。でも、きっと、ほんの少しですよね。
      そして、たださんのように、こういった本を読んで彼等を理解しようと思ってくれる人が一人でも増えれば優しい世の中になるなぁ、と思います。
      たださんのような方が彼等にとって、そして私にとってとてもありがたい存在なのです。
      ありがとうございます♪
      これからも色んな本で繋がっていけたら嬉しいです♪
      2022/09/22
    • たださん
      こっとんさん、こんばんは。

      そうだったのですね。
      身内の方で障害を持たれている人がいらっしゃる、こっとんさんでも、ピントがズレていると思う...
      こっとんさん、こんばんは。

      そうだったのですね。
      身内の方で障害を持たれている人がいらっしゃる、こっとんさんでも、ピントがズレていると思う・・しかし、それこそ、私たちと同じ人間であることの証明ですよね。

      東田さんは東田さん、他の自閉症の方々もきっと、それぞれの個性を持っているということだと感じましたし、私も本書を読んだだけで、自閉症の全てを知った気にならず、その人、それぞれの心の中を、考えていきたいと思いました。

      それから、東田さんの『自閉症の僕が飛び跳ねる理由2』もある事を知り、こちらは高校生編のようなので、当時、彼がどのような思いを感じ、生きていたのか、とても知りたいので、日をおいて、読んでみようと思います。

      私のこと、迷惑をかけたのに、ありがたい存在だなどと、仰って下さり、恐縮です。

      ありがとうございます。
      私も、また色々な本で、こっとんさんと、関われることを楽しみにしております(^_^)
      2022/09/22
  • いつだったか、どこかの誰かが「人の心の中には地球の外と同じように宇宙が広がっている」と書いてあったのを思い出した。
    一見、近よりがたい、声をかけることを躊躇してしまいそうな、もし話しかけても通じなかったらどうしよう、となりそうな自閉症スぺクトラムの方にも広大な宇宙が広がっているんだ、と教えられた。
    想像しがたいくらい苦しく、辛いのに、泣けてくるほど優しい。

    一問一答形式で読みやすく、パラっとめくって1ページ読むだけで新たな視点が開ける。
    「こんなときこう感じてたんだ」
    「意味不明に見える行動にこんな意味が」
    もちろん、解説でデヴィッド・ミッチェルさんが書いているように、「彼は導師ではない」ひとりの人間だから、すべての自閉症スぺクトラムの方にあてはまるわけじゃないと思うけど。

    タイトルの『自閉症の僕が跳びはねる理由』も書いてあるのだけど、私は自分が子どもの頃に感じた思いに近いものを感じ、懐かしくて懐かしくて...。
    他の感覚も「全く分からないではない」気分にさせられるのは、東田さんの文章力と「他の人の感覚で分かるように書いている」というバランス力の賜物だろうか。

    皆さんに読んでもらいたいけど、『誰か』を『お世話しなくちゃならない』という立場の方にもおすすめ。

    この本はブクログのレビューで知りました。
    書いてくださった方、ありがとうございました。

  • 知人に「絶対読んで」と言われ手に取った。

    息子が発達障碍で、生きづらさを抱えている。
    ずっと不思議でたまらなかった彼の言動……
    話せるし日常生活は送れるのだけれど、私には???
    そして、私自身深く深く悩んだ。
    理由があることは分かっていたけれど、それが何故なのか、もどかしくて、辛かった。
    なぜ、挨拶ぐらいができないのか?
    目を見て話せないのか?
    本書はとても具体的で納得がいく。
    感謝でいっぱいだ。

    ≪ 傷ついて わけがあるんだ 自閉症 ≫

  • 自閉症を有する著者東田さんが13歳のとき書かれた本。ある時期からマスコミのあいだで、自閉症、発達障害についてとりあげられるようになった。そんなとき、書店の平台に積まれた本書と目が合った。
    人と話をしようとすると言葉が消えてしまう。言葉を使う能力を奪われた。それは、頭の中の思考を司っている編集者が、何も言わずに出て行ってしまう。と。
    著者は会話によるコミュニケーションは、ほぼ難しく。ご本人の努力により、文字表の上に直接言葉を綴ることができるようになられた。
    この本には、有名な医師や関係者ではなく、東田さん自身が自分からの世界を語っている。
    私(たち)がふだん自閉症のかたに持つ理解が難しい疑問(あえて触れないところ)に一つ一つ解説しておられる。
    冒頭(はじめに)にこうあった。自分が障害を持っていることを、僕は小さいころは分かりませんでした。どうして気づいたのでしょう。それは、僕たちが普通と違う所があってそれが困る、とみんなが言ったからです。しかし、普通の人になることは僕にはとても難しいことでした。と。

    息子たちがまだ小学生のころ。街を歩いていたら、(今でいう)特別支援学級の子供たちが列をなして歩いている集まり(クラス?)とすれ違った。見入る息子たちに、後で私は、特別な目で見てはいけないよ、と言った記憶がある。言葉に困った私がとっさに出たのである。今思えば特別という先入観を持っていたのは、自分という大人(見かけだけ大人の自分)。
    それからわたしは、少しは変わった。年も重ねたし。

    最後の章の「側にいるから」は胸が張り裂けそうだった。東田さんが13歳で書かれた短編小説。
    自分の愛する人に気持ちを伝えられないもどかしさ、辛さ悲しさを小説にたくされています。

    思うのは、これは東田直樹さんの書かれた本であり、(しょうがい)は人それぞれ、皆さん違うので、それぞれが(ご家族も)人並みならぬご苦労努力をされていることをどこかに置いておきたい(と私は思った)。

    • hiromida2さん
      kazekaoru21さん、こちらこそ、ありがとうございます。仰る通りです。
      障害があってもなくとも、相手の話してる事は分かるのに、上手く言...
      kazekaoru21さん、こちらこそ、ありがとうございます。仰る通りです。
      障害があってもなくとも、相手の話してる事は分かるのに、上手く言葉が出てこない、纏まらない、結局何を言わんとしてか?忘れる事態に陥ることは…よくある でも、それをちゃんと待ってくれる人(やっと、出てきた応えが自分の思い通り、期待した言葉でなくとも)自分で考え、答えを出すことに気づく本人を気長に見守ってゆく努力がまわりに必要なんだと思います。やはり、特に親となる人は なんて心広く、受け止めてる姿に感心します その人自身を愛して理解し、理解されるものが、自分の出来る範囲でどれ程、それに応えゆけるかが大事だろうから 東田さん本人も努力を惜しまない人だった 誰でもあるように、こう思っていても、少し時間が過ぎたら不機嫌になったり、全くやる気なくなったり、と、思ったら 自分のパワー加減が上手く調整出来なくなったり…不思議な行動があっても、とても、じっくりとそのことに付き合うまわりの方々の姿に感銘したのと、何となく、その信頼関係に少しずつ心開き、なりないものになるって本人の姿が生き生きしていました。最近になって、漸く関心が向けられた自閉症だけでない障害についての理解と行き易い世の中に期待しますね。
      何か、本を読もうとブクログさんの本棚を参考にしようとしたら、そちらのレビューの方にすっかり、心惹かれ感心してしまい、一冊の本を読んだ気分と時間が経って…私なんか、いつもです(ついつい、本題の読書遅れがち)(笑)映画観るのは、ずっと好きで沢山見過ぎて選ぶのも大変になってる今日この頃、洋画が好きだったから、邦画はあまり観てない事に今更のように気付いていますが、何が良いのやら?ブクログさんのを参考にしたいと思っても、やはり、ここは本棚の世界
      (^。^)でも、本も大好きなので 映画は記録として、本はここを通じて出会えて、ブクログさんには感謝然りです。
      「風香る…」お名前から素敵 風を感じて長々とコメントしてしまいました、ごめんなさい。今後ともよろしくお願いします。
      2020/08/23
    • hiromida2さん
      PS.「なりたいものになる」です この頃(前からかも)誤字脱字が多くなって 適当に読んでね ごめんなさい。
      PS.「なりたいものになる」です この頃(前からかも)誤字脱字が多くなって 適当に読んでね ごめんなさい。
      2020/08/23
    • kazekaoru21さん
      hiromida2さん、こんばんは。日中、まだまだ厳しい暑さですが、夜は少し風が気持ちよくなってきました。
      そうですね、障害あるなしに関わら...
      hiromida2さん、こんばんは。日中、まだまだ厳しい暑さですが、夜は少し風が気持ちよくなってきました。
      そうですね、障害あるなしに関わらず、気長に見守り、待つ姿勢が子供とも信頼が生まれ、成長に繋がるのですよね。わたしは、なかなか言うことを聞かない(かった)子供に業をにやすこともしばしば。
      最近テレビで放映される、発達障害等の特集では、昔(以前)ほど、世間の目を気にすることなく個性ととらえる風潮がありますね。好きと得意を伸ばすことで意欲が出てくるのですよね。今のコロナ渦では、とても困難な壁が多いでしょうが、生き抜くしかありませんよね。つくづく自分の子供たちは(今より)生き易かったので、わたしも助かっていたのだと思います。

      わたしは映画は(特に洋画は)ほとんど詳しくありません。邦画を少し観るくらいです。なにせ、字幕が苦手で;お話に入り込むのに時間がかかりそう(私の理解不足)。洋画を観てる人をカッコイイと思います!でも、話題の良い作品は観たいと思います。なんとか付いてゆけるように!
      そうそう、読書よりレビュー見る時間が多かったりして!
      名前のこと、ありがとうございます。実はほんとは違う名前にしたかったのですが(もっと地味な)気づいたら私はそれをIDにしてしまっていた!入力する場所を間違えて。で、まあとっさに浮かんだのがこれです。こらからもレビュー楽しみにしています。よろしくお願いします。
      2020/08/23
  • 心に直接「言いたいことは伝わりました」と届けたくなる、勉強になる言葉が沢山綴られていました。心の奥の方が静かに揺さぶられて、今もなお余韻が残っています。

    テレビで見たことのある人にしても、数少ない出会ったことのある人にしても、自閉症者の心のうちというのはどうにも理解しがたくて、感情も読み取れなくて、正直あまり考えたことがありませんでした。その状態を彼らは普通だと捉えているのか、楽しんでいるのか、苦しんでいるのか、も分かりようがなく。もっとも、そんなことが汲み取れるほど寄り添った経験がないのですが。だから、今、自閉症者本人が症状を苦しく感じることがあるのだと知ることが出来ただけでも見える世界が少し変わった気分です。

    それから、障害を持たない人の理性や様々な概念の形成が極めて社会的なもので本能によるものではないのだろうということを改めて思い知らされました。「太古の昔からタイムスリップしてきたような人間」という表現はあまりに秀逸です。自閉症のように名前が付かなくても、気が利かないと言われがちな人や集中力が足りない人など、どうも社会適応能力が無いというレッテルを貼られる人は世の中に結構居るものだと思います。そういう風に言われる人の中には自分の状況を言語化して説明することが叶わなくて理解を得られないままになっている人もいるのではないでしょうか。悪意や怠慢が原因で社会に適応出来ない人の考えは別として、本能に近いレベルの「こんな風に生きたい(あるいは、しか生きられない)」には一定の理解が必要だと考えます。それに、自分は理解「してあげる」側だと思い込んでいても、自分にも理解「してもらいたい」部分があるかもしれないわけで、何事においても、自分が寄り添う姿勢を見せることは回りまわって自分にとっても良い影響を及ぼすかもしれないわけで。

    より良い共生を考えるための良い教材です。これからも沢山の人の目に触れますように。

  • 当事者である東田直樹さんの文章は、正直で丁寧。英訳して世界に広めるきっかけになった、ディビットさんにも感謝します。彼らの交流のドキュメンタリーDVDも買いました。本書とDVDは、周りの人に薦めまくってしまった。それくらい、目から鱗が落ちる、本です。

  • 昔短期間ですが、ゆる〜く自閉症の人たちと関わった時に感じた謎が解き明かされた気がします。

    作者は言葉も喋れないくらいの重度の自閉症で、しかも13歳の時に執筆されたとあります。
    素晴らしいです。
    最後の小説なんかはとても面白くて13歳とはとても思えない作品です。

    自閉症の方と関わられことがある方は、とてもわかりやすく書かれているので、一度読まれると良いかも知れません。

  • とにかく衝撃的だった。
    凝り固まった頭をガツンと殴られた気分。

    世界の見方が変わった。
    見方を変えれば、今までなんでもないことが、とても貴重で素晴らしいことなんだと実感。

    世界はこんなにも美しく、愉快で、気持ちいいところなのだと教えてもらった。

    重度の自閉症の13歳の男の子が書いた文章とは信じられないほど、とても素晴らしい表現力!

  • たまたま「僕が跳びはねる理由」と言う映画の紹介を目にした。
    そしてこの本を知った。
    30ヶ国以上で出版された大ベストセラーであるにも関わらず、知らなかった自分は、きっと自閉症というものにあまり関心がなかったのだろう。
    しかし、この本に書かれている文章はとても新鮮で、発見の連続で、しかも著者が13才の時に執筆したとは驚くしかない。
    今まで私達は、自閉症の人はこうであろう、と勝手に思い込んでいたのだろう。
    この本は自閉症の著者が、自らの気持ちをそのまま分かりやすい文章にしている。
    心の叫びだ。
    巻末に収録されている短編小説「側にいるから」には、心を激しく揺さぶられる。
    自分の気持ちを表現できない、相手に伝える手段がない。とは、どんなに苦しいことだろう。
    この本に出会えて良かったです。

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著者プロフィール

1992年生まれ。重度の自閉症でありながら、パソコンおよび文字盤ポインティングによりコミュニケーションが可能。著書『自閉症の僕が跳びはねる理由』が現在30か国以上で翻訳され、世界的ベストセラーに。

「2020年 『世界は思考で変えられる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

東田直樹の作品

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