帝国の娘 上 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 549
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043944859

作品紹介・あらすじ

女神の僕たる神鳥リシク、その翼から生まれたテナリシカ大陸の西に位置する大帝国・ルトヴィア。辺鄙な山村で平凡に暮らしていた少女カリエは、ある日突然さらわれ、ある高貴な人の身体わりにされた。礼儀作法から武術まで、過酷な訓練の日々、冷徹な教育係エディアルド、宮廷をゆるがす謀略-カリエは持ち前の負けん気と行動力ですべてを乗り越えてゆく。ただひたすら、生きるために-魂ゆさぶる大河少女小説開幕。

感想・レビュー・書評

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  •  「大河少女小説」という文句に惹かれて。
     コバルト文庫からの復刊ということと、王族の身代わりということで、ご都合主義な恋愛小説なのだろうな、とあまり期待しないで読み初めたら止まらなくなりました。

     鄙びた山村で育ての親と暮らしていた14歳の少女カリエは、突然現れた青年エディアルドにさらわれ、病床の皇子の身代わりとなることを強要される。

     皇子の身代わりに仕立てられ、厳しい訓練に耐え、後戻りの許されない運命をときに嘆きながらも果敢に立ち向かっていく。
     カリエ一人の頑張りを追いかけていくだけでなく、彼女を取り巻く人物の行動や心情を上手く絡めているのがいいなと思いました。このあたりの描写がないと「大河小説」にはならない。
     なにかと気が強く感情をすぐに態度に示す直情的な少女が主人公で、最初はなかなか馴染めなかったのですが、次第に「彼女だからこそ」と納得できました。

     上巻は世界観の説明が多く、神話の価値観が強く根付くファンタジー世界なだけに、呑み込むのがけっこう大変。
     でも、のちのちこの神話が重要なファクターになってくるらしい。

  • 「革命前夜」で気になった須賀しのぶを読んでみようとこちらに手を出したのだが、読み終わってみてはじめて全25巻の大作の冒頭にすぎなかったことに気がつく。
    近年大量に生まれた異世界ファンタジーものの一つといえばそうで、10年前に角川で復刊、そして最近になってマンガ化と今頃わざわざとりあげられるのもわかる。ただ歴史に翻弄される主人公のアップダウンはハンパなく、彼女をおそう運命の追い込みの厳しさは相当なもので、近年の王道作品にみられがちな、ぬるい俺TUEEE的な異世界チートものとは一線を画する。むしろ貴種流離譚的な構成は、より伝統的な神話的物語として受け入れられるものだろう。
    僕にとっては全くうもれていた存在で、こんなに長くて面白い作品がこれからずっと読めるかと思うと幸せ。コバルトから角川に入ったことで、僕のような男性の新たな読者を得ることになるだろう。

  • 再読。『流血女神伝』というものすごいタイトルのシリーズ。
    読み進めたら内容もすごい。少女ものだけど、あんまり子供にはおすすめできない。
    おすすめする人をかなり選ぶ、、、。
    だけどものすごく面白い、、、。
    初めてこれに出会ったときの興奮よ。
    再読やっぱり面白くてテンションだだ上がる。

  • ★3.5
    思ったより面白かった!女の子が皇子の影武者として辛い事をどんどん乗り越えてくのが好き。

  • あっという間に物語に入り込んで気づけばカリエに同情していた。特に髪を切り落とされたところ、この仕打ちは14の子には辛いと気持ちが沈んだ。カリエは自分の頭でよく考える賢さがあるから、応援したくなる。
    王族としてのあるべき姿をグラーシカから学ぶところが良かった。
    化けの皮が剥がれないか心配だが、今のところはエディアルドがいるから大丈夫、でも下巻だとどうだろう?
    面白くて一気読みだ。

  • ストーリーとしてはありがちだけど、面白くて読みやすい一冊。
    こう表現して良いか分からないけど、この作者の本はどれもわたしの厨二心に突き刺さります。

  • 奥付で、これが世に名高い流血女神伝か!となりました。世間知らずだった少女が大きな運命に飲み込まれ、強く逞しくなっていく、これぞ少女小説。大長編の序盤だけどもう絶対面白い。

  • 子供向けな感じかな。
    ストーリーが、男装に帝位争いと結構シンプルなので、映像化とかしやすそうな感じ。

  • 皇子の影武者に仕立て上げられていく少女の物語。

    あの氷室冴子さんと彩雲国物語の間ぐらいに書かれたのでしょうか。

    感想は下巻で。

  • また1つ、好みのファンタジー小説を見つけてしまった。詳細は下巻にて。

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著者プロフィール

『惑星童話』にて94年コバルト読者大賞を受賞しデビュー。『流血女神伝』など数々のヒットシリーズを持ち、魅力的な人物造詣とリアルで血の通った歴史観で、近年一般小説ジャンルでも熱い支持を集めている。2016年『革命前夜』で大藪春彦賞、17年『また、桜の国で』で直木賞候補。その他の著書に『芙蓉千里』『神の棘』『夏空白花』など。

「2022年 『荒城に白百合ありて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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