つくもがみ貸します (角川文庫 は 37-2)
- 角川書店(角川グループパブリッシング) (2010年6月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043888023
作品紹介・あらすじ
お江戸の片隅、姉弟二人で切り盛りする損料屋「出雲屋」。その蔵に仕舞われっぱなしで退屈三昧、噂大好きのあやかしたちが貸し出された先で拾ってきた騒動とは!? ほろりと切なく温かい、これぞ畠中印!
感想・レビュー・書評
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「しゃばけ」シリーズのほんわか雰囲気が大好きで、やっぱりこの本もほんわかした気持ちにさせてくれた。
畠中恵さんの本に出てくる人間や妖、付喪神は、何かしらの欠点を持っているのだけど、区別なく丸ごと包み込む優しさがたまらなくいい。
ほんと、癒されました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白かったです。付喪神達のかわいいことといったら私も会話に聞き耳立てたいくらい。
最後清次と一緒に心の中で拍手。
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「つくもがみ貸します」、どういう意味か気になり手に取った。
そして読了後は、個性豊かなつくもがみたちの裏での活躍がとても印象に残った。はじめは人間に対して無愛想というかそっけないような感じがしたが、最後はちゃんと人間の見方をしてくれるかみさまなのだと、心があたたかくなった。
やはり蘇芳の話は印象的で、一つの”もの”を介して繰り広げられる壮大なストーリーを追うのに夢中で、ページを捲る手がとまらなかった。
章ごとのページの色への拘りも感じ、あまり馴染みのない「似せ紫」や「蘇芳」の色に想いを馳せることができた。 -
時代物だけど、取っつきやすい。
つくもがみ達がいい! -
好きな著者だったので。
付喪神を(も)貸し出す損料屋のお話。
しゃばけシリーズとは違って、のっけから恋愛がらみ。
それは良いのだが、
登場人物たち、
このシリーズでは付喪神たち、のキャラクターが立っていない感じ。
自ら動くことができない「物」ばかりなので、
仕方がないところはあるが、
そこらへんが物足りない。
冒頭、深川の様子が詳しく書かれていたのは面白かった。 -
江戸深川で古道具屋兼損料屋(レンタル業)を営むお紅と清次の店の物で100年をこえたものは妖となり付喪神と化している。古道具として貸し出されていった先の噂話をする、という設定。
付喪神のお喋りをヒントに清次とお紅が問題解決していく。気楽に読める一冊。 -
つくもがみ達がとても面白く、個性的。ストーリーや登場キャラクターたちはどこか暖かい。畠中さん独特の暖かさである。そして、お紅の捜し人は…?これは最後まで読んでからのお楽しみである。
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NHKの深夜アニメ『つくもがみ貸します』の原作。5話くらいからハマって、再放送を心待ちにしているのだけど、ついになく、でも原作があると知ってすぐに本屋さんで買い求めました。お江戸深川のレンタルショップ出雲屋を営む姉弟と、そこで暮らす、長い時を経て心を得た古道具たちの、ほのぼのストーリーです。
物に宿る思い。物と共に旅する物語。使い捨てが当たり前の現代から、ろうそくの燃え尽きた最後の残り芯さえ再利用して大切に使っていた時代に想いを馳せる。良い物が後世に残るのではなく、永く大切にすることを前提にしているからこそ、お金をかけて生み出された一品であり、そういった物が世に残る。大切にされた物や、長き時を経た物には命が宿る。付喪神とは、そういうものなんだろうなと思う。