警視庁捜査一課特殊班 (角川文庫 も 15-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043762019

作品紹介・あらすじ

誘拐や立て籠もりなど極めて卑劣な犯罪に対峙する特殊班は、その任務が重大なあまり、姿が表面に出ることはない。彼らが手がけた事件を再現し、捜査テクニックから歴史、今後の課題まで、その全貌に迫る!

感想・レビュー・書評

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  • 誘拐犯は、お金を引き渡す現場で、実行犯逮捕される。
    そういう意味では、金を奪うには、あまりにもリスクが多い。
    お金を収奪するということでは、時代の変化によって、進化して行く。
    警視庁捜査一課の特殊班が、誘拐班を専門に捜査している。
    また、人質を監禁、生活維持するのも、一人の犯罪としては難しい。
    電話機の逆探知能力の発達。
    キャッシュカードにおいても、どこで引き出すかが可能に。
    殺人犯捜査は、過去に向かって進んで行くが、
    誘拐犯は、あくまでも現在から未来に向けて捜査していく。
    立てこもり犯も特殊班が対応する。
    銃器を使うかどうかが、重要な犯罪の質の変化が生まれた。
    特殊班だけでなく、SWATが登場することとなる。
    特殊班とSWATでは、方法論的に違うが、SWATの訓練などは秘密とされている。
    公安や自衛隊の特殊部隊もあるはずなのだが。

    グリコ、森永事件のような 食品に毒物を入れて 
    消費者を人質にして、企業と取引をするというものも
    同じように、警視庁捜査一課特殊班の仕事となる。
    飛行機のハイジャックも、同じような守備範囲となる。

    臨場感があって、面白かった。

  • 誘拐や立てこもり、ハイジャックなど、きわめて卑劣な犯罪に命がけで対峙する刑事の一群がいる。警視庁捜査一課特殊班。その任務が重大なあまり、姿を表に出すことを許されない秘密部隊だ。身代金誘拐犯や企業恐喝犯との攻防、指名手配犯の逮捕、オウム真理教教祖の逮捕など、彼らが手がけた主要事件を克明に再現。

  • SITの成り立ち、実際の事件から活動内容や問題点を取材したドキュメンタリー。脅迫電話をかけているらしき人物を確保したい。ただし近寄ることが出来ないた め、電話を取り上げることはできない。という時の対処の仕方が経験から編み出した方法って感じで面白かった。ドラマや小説でもSITとSATが縄張り争いでもめる 場面を見かけることがある。蓄積された経験や情報を共有しないのは勿体ない話だと思う。

  • ノンフィクション。特殊部隊の本の定番らしく手堅い印象

  • 警察小説(マイ)ブームなので手に取ってみた本。
    実際起きた事件を再現しつつ、警視庁捜査一課特殊班の成り立ちや仕事や功績、問題点を紹介してゆく内容。今野敏さんの『TOKAGE』を読み返したくなってきました。

  • 面白い。

    愛知県の立てこもり事件でSAT隊員が殉職されましたが、
    そんな時期に読んでまさにタイムリー。

    現在進行形で動く、立てこもりや誘拐に対応する
    警視庁捜査一課特殊班。

    しかし日本という歪んだ人権国家では、
    銃を持ち込み女性を人質をとり、あまつさえその人質を
    ナイフで切り刻みながら逃走手段と金銭を要求してくる
    凶悪な犯人に対し、狙撃することも射殺することも許されない。

    この事件は結局、人質は射殺され犯人も自殺、
    警察にも重傷者を出すという凄惨な結末を迎える。
    (八大産業社長宅立てこもり事件)

    おそらく国民の大半が納得していないにも関わらず
    加害者の人権が過剰に保護されるわが国において、
    限られた手段でミッションを遂行する特殊班の活躍。

    凶悪犯罪の恐ろしさと警察対応能力の限界、
    法整備の矛盾と理不尽さが改めてわかる秀作。

    よむべし。

  • 特殊班が出動するのは、現在進行形且つ捜査員の失敗が人質の生命に直結する事案です。そのため凄まじい緊迫感を感じます。


    著者はその緊迫感を見事に描きだしています。その取材力にはただただ感服です。

  • 途中、放り投げ

  • ここまで操作方法の詳細を書いちゃって
    いいんですかね?
    読み応えがありました。
    実際の捜査はテレビドラマと本当に全然違うんですね。

  • 誘拐、人質立てこもりなどの凶悪事件担当の警察の中でも生え抜きの集団が「特殊班」これまで社会を震撼させた実際の誘拐事件やハイジャックにおいて、捜査にあたる刑事達はどのような緊張にさらされていたのか、事件や現場の状況が克明に描かれていてどれも夢中で読んでしまった。そして最も重要なキーワードが「指揮系統の連携」だということも。最近警察ミステリーでも良くとりあげられているが「良い指揮官」と「指示を忠実に実行する現場」というものが警察でも軍隊でも人質無事救出の為には絶対に不可欠だ。しかし刻一刻と変わっていく現場において、指揮が乱れて思わぬ初歩的ミスにより、悲劇的な結末となることは珍しくない。そしてその後の責任のなすりあいも。日頃からの訓練、冷静で的確な判断、そしてチームワーク。これらすべてが集結した時、犯人逮捕、人質救出となるのだろうが…昨今の凶悪事件の増加率を見ると警察の負担も相当なものなのだろうとは思う。現実に警察の不手際により犯人を取り逃がしたり人質が殺害されるという最悪の結果になっている事もあった訳で…常に訓練して備えても、実際に機能させるのは本当に難しいのだろう。非常に精緻に再現された事例を興味深く読めたノンフィクションだった。横山秀夫の警察ミステリーが好きな方に特にオススメかもしれない(笑)殺人班の方も読んでみようっと♪

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著者プロフィール

1963年静岡県生まれ。警察問題や司法問題を中心に取材活動を行っている。

「2004年 『警視庁捜査一課特殊班』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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