THE WINDS OF GOD ‐零のかなたへ‐ (角川文庫 い 49-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043579013

作品紹介・あらすじ

売れない漫才コンビ、田代誠と袋金太はお笑い名人大賞を目指しネタの練習に明け暮れていた。ある日二人乗りしていた自転車がダンプと衝突。気がつくと見知らぬ部屋に寝かされていた。しかも、窓の外には零戦!?二人は事故のショックで昭和二十年の航空隊基地にタイムスリップしてしまったのだ!しかも実在の特攻隊員の魂とすり替わってしまったらしい。平和とはまったく無縁の世界に愕然としながらも、二人は周りの隊員達と少しずつ心を通わせていく。アメリカも泣いた芸術祭賞受賞の舞台をついに文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 現代に生きる漫才コンビが、ダンプとの衝突事故に巻き込まれた。次に気が付いたときには、太平洋戦争末期の特攻基地にいる兵士として生まれ変わっていた。
    現代に戻りたいという想い、ここで生を全うすべきという想い。この葛藤が読んでいて心に残る。兵士と漫才師のやり取りが笑いを誘うので、全てを通して重い空気があるわけではなく、その辺りのバランスのよさが、作品を読みやすくしてる
    感じがする。でも、切ない。

  • 戦争を知らない世代。
    という言葉自体が遠く感じられるほど、
    年々、戦争から意識が離れていくように思う。
    もちろんウクライナでは今も戦争が起きているし、
    世界各地で紛争が絶えることがない。
    少なからず生活にも影響が出てもいる。
    それでも自分のことではなく、
    どこか他人事、
    自分とは無関係だと感じているように思う。

    けれど僕らが歩くこの町で、
    確かに戦争はあったのだ。
    少し意識して見回せば町のあちこちに、
    少したどれば意外にも幾人もの人が、
    戦争の大きな爪痕をその身に潜めている。
    僕らは普段、見たいものしか見ない。
    見るべきものを見過ごして生きる。
    でも少しだけ目を凝らしてみれば、
    それはどこかしこに転がっている。

    映画「ウィンズ・オブ・ゴッド」を観たのは、
    もう30年近く前のこと。
    売れることを目指すダメ漫才師の二人が、
    1920年の8月のタイムスリップし、
    特攻隊員になってしまう内容だ。
    戦争時代の人たちというと、
    今と考え方や生活にはるかな違いがあると思いきや、
    そこにあるのは地続きの感覚だ。
    愛する人を想い、夏の暑さに汗を流し、
    一日一日を必死に生きる。
    ただ違うのはそこに戦争があること。
    戦争が問答無用で人の命を奪っていくこと。

    ずっと読みたいと思っていた小説版を、
    やっと読むことができた。
    2022年8月、僕らはあの夏の延長線上を生きている。
    あの夏があったからこそと、今年の夏がある。
    大切なものが何か、見失わず生きたい。

  • 永遠の0を読んで零戦や特攻隊に関する本を読みたくなって、これを手にしました。

    漫才コンビが自転車事故をきっかけに太平洋戦争末期にタイムスリップします。

    2人は生きて現代に帰りたいという気持ちがあるのですが、途中から国を守りたいという気持ちが芽生え、その葛藤を受容し覚悟を決めます。

    なんとの言えない気持ちになります。

    これは映画や舞台も観てみたいですね。

  • 個人的には、この小説以外に映画2作と舞台にも機会があれば触れてほしいと思う。

  • ノーコメント。
    登録し忘れてたし、読んだから入れた。それだけ。

    内容はない。

  • 話自体はとても面白い設定で読みやすかった。
    漫才師を目指す若者二人が神風特攻隊に転生するという設定も独特で一気に読み終えました。主人公の漫才師を志す若者二人の掛け合いもテンポがよく、軽快に物語が進んでいきます。

    ただ、もう少し、周りの環境だとか主人公たちの心情を細かく描写してくれるともっと深く、面白くなったような気がします。

  • 序盤はとてもおもしろかったのですが、
    タイムスリップ後の場違いな二人のテンションについてゆけず途中で断念。

    “ゼロ戦”という言葉を聞いてもパッとこなかった主人公が
    対空砲火や歩哨といった言葉を急にすらすら出し始めたのには
    だいぶ違和感がありました。

    これは舞台だったら楽しいんだろうな~

  • 現代の「軽さ」と、戦時中の「重さ」のギャップが、軽やかなタッチで描かれている。もともとは演劇の台本。ぜひ舞台を見てみたい。でも見れないので、DVDを観ようと思う。

  • 売れない兄弟漫才コンビ。自転車二人乗りで信号無視して爆走中にトラックと衝突した。目が覚めると、どこか懐かしい見慣れぬ景色。そして二人はそこで、自分たちが特攻隊だと知らされた――

    永遠の0もだが、物語の主人公たる現代人の兄弟がかなりの阿呆で、中盤までは結構苛々させられる。その分、終盤の彼らの変容が心に迫るのだけれど。

    ていうか、この作品、もとは舞台作品だったのですね。どんなふうにこの特攻の様子や時代を舞台で表現していたのかめちゃくちゃ気になります。見てみたい。

  • 実は、ずいぶん昔に読了した本です。
    同名の舞台作品も、先行で見ました。

    永遠の0と並べて置きたかったのです。
    とにかく、設定はハチャメチャです。
    何しろ主人公の二人は、現代の名もない漫才師で、
    その二人の意識が、交通事故で時空を超え、やはり名もない
    戦時中の特攻隊員の体に入り込んでしまうというのです。

    でも私は、0よりこちらの方が、オススメだったりします。

    ☆が3つなのは、舞台の方が数段素晴らしかったから。
    舞台は、☆5ですね

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