ウェルベル・コレクション I 蟻 (角川文庫 ウ 19-1 ウェルベル・コレクション 1)
- KADOKAWA (2003年6月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
- / ISBN・EAN: 9784042915010
作品紹介・あらすじ
「地下室に立入厳禁!」死んだ伯父が遺してくれたパリ郊外の古いアパート。遺言にはたった一言、こう書かれていた。誘惑に抗しきれずに地下へおりたジョナサンはそのまま姿を消してしまう。そして後を追った妻と幼い子供も帰ってはこなかった。数々の苦難の末、地下に潜入した救助隊が見つけた衝撃の世界とは…!?一方フォンテーヌブローの森の奥で、堅牢な都市と連合を築き、力を蓄えるアリの社会。そして、ついに地球上の二大文明が衝突する日がきた-。人間とアリのファースト・コンタクトを描く衝撃の異色サイエンスホラーミステリ第一巻。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
失業中のカギ職人ジョナサンは、伯父が遺したアパートに引っ越した。その地下室には立ち入り禁止と書かれてあったが、好奇心に負けた彼はその禁を破り姿を消す。その後に続き妻のルーシー、息子のニコラも姿を消す。そしてその捜索隊たちも。
一方、蟻の王国の話も同時に進む。蟻同士の戦い、やがてくる旅立ちと新しい女王の誕生と王国の形成。
この二つの話がどこでどう交わるのか。
ある意味SFであるが、非常に哲学的な話でもある。この話が現実になれば非常に面白く、一方では非常に恐ろしい。 -
アリ好きの人に勧められて読んだ。
確かにアリ好きな人には堪らないだろうなぁと思うほど、アリの生態がみっちり書いてあった。それだけではなく、人の世界の失踪事件とアリの世界の話がうまく繋がってるところが見事。面白かった。
異文化コミュニケーションなSFとしても読めるように思えた。 -
蟻の生態を元に蟻と人間のコミュニケーションを主に物語が展開。
-
蟻の世界と人間の世界が交互に入れ代わり、次第に交わってゆく。
蟻の世界の複雑さに驚く。もちろん、創作の部分もあるだろうが、人間より蟻の方が賢く生きているのではないかと思ってしまう。 -
2010.7.20 紹介
-
なんだ蟻かと侮るなかれ。戦闘に兵器を用いたり、生活面でもさまざまな発明を生み出したり、その知能はかなりのもので、それだけでも面白いのに、生態描写がまたすごい。殺戮シーンは正直気持ち悪いほどだが、ひとときのロマンスもあったりして、人間とは違う思考に興味をひかれた。そんな蟻たちの生き様と平行して、人間世界ではある館で人々が次々に消えていた。彼らははたして無事なのか。蟻と人間たちはいったいどこで交錯するのかと、じりじりしながら読んだ。とても読み応えのある小説。
-
作者のベルナール・ウェルベルは蟻の生態を13年間もかけてこの蟻3部作を書きました。
人間の文化と蟻の文化の決定的な違いにハラハラする話です。
これを読み終えると、足元に蟻が居ないか気になるようになってしまうので不思議です。