ペルシアの彼方へ 上 (角川文庫 コ 13-1 千年医師物語 1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (492ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784042881018

感想・レビュー・書評

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  • スコットランド、中東を舞台にしたスケールの大きな物語。若い少年が使命を持ち、医学を極めていく。つい自分もこんな生き方ができたらと夢描くストーリー。

  • 文体がストレート、見たまま、感じたまま、それも新鮮で引き込まれます。貧しい一家がバラバラになっていく様子から始まり、悲哀を乗りこえる姿に共感

  • 再読。
    面白い!すばらしいです!
    千年医師物語、三部作の一作目。
    これが一番濃い。
    珍しい中世のイギリスが舞台。
    しかもこの職業というのが…医師の仕事の進歩と変遷を描いていくのです。
    2作目、3作目は同じ家系の医師が主人公で、時代がずっと進みます。

    貧しい一家のけなげな長男が主人公。
    母親は教育を受けた女性だったが、大工と恋に落ちて結婚。浮気な夫だが、それでも農場を出たことには満足していた。
    だが親たちを亡くして、子供達はばらばらに。大工のギルドが葬儀はしっかり行い、落ち着き先の紹介も行った。

    長男のロブ・Jは、外科医兼理髪師の弟子に。
    当時は外科医、内科医の下に、こういう存在が成り立ったのです。
    医学というほどのものでなく、鋏をふるう職業として共通したとは。
    しかも旅回り。
    医者などいないような町の広場に箱を置いて立ち、なんと手品など芸をして客の気をひいてから、仕事をとっていたんですね。
    誰にでもそう呼ばれているからと、弟子にも名前ではなく職業で「床屋さん(バーバー)」と呼ばせる。
    じつは彼も孤児で、身元を探られたくない事情があった…

    ヴァイキングに襲われると、なすすべもなかったイギリスの民。
    ついにデーン人の王クヌートを戴くことにもなった、そんな時代。
    このクヌート王は意外に善政をしいて、人気だったとか。

    いつか兄弟に再会することを夢見ながら、成長していくロブ・J。
    当時のイギリスは決して先進国ではなく、医療は遅れていた。
    はるか東方へ学びに出ることを決意するロブ。
    キリスト教徒としてはとてもペルシアに入れないので、ユダヤ人のふりをすることにするとは。

    東方へ向かうキャラバンで、スコットランドから羊の買い付けに来ているという農場主の父娘と出会う。
    娘のメアリ・カレンと惹かれ合うが…?!
    情熱と努力の物語。異国情緒も溢れ、冒険旅行記としても迫力。

    時代は荒っぽいけれど~
    料理が意外に充実していて、床屋さんの手料理がまた美味しそう。
    前の登録は2011年7月。その時点で再読。

  • 「千年医師物語」三部作の第一部ですが、医学の歴史に興味のある方には強くおすすめします。舞台は11世紀、公衆衛生の概念のまったくない混沌とした街ロンドンで幕開けます。そこで孤児になった少年が医学を志し、遠い異教の地ペルシアで医師になるまでのサクセスストーリーなのですが、そんな言葉では片付けられない奥の深いドラマが展開します。

  • タイトル通り千年に渡って連なる医師の家系のコール家の物語りです。
    1では、初代のロブ・Jがイギリスの貧しい大工の家の長男に生まれた所から始まります。
    9才で両親を相次いで亡くし兄妹も離ればなれになって外科医兼理髪師の弟子になったロブは“床屋さん”と二人っきりでイギリスを放浪しながら大人になっていきます。
    19才で“床屋さん”がなくなってしまって、しばらくは一人で外科医兼理髪師の仕事を続けるのですが、自分が患者さんにできることの限界を感じて、正式な内科医になるためにペルシアに旅立つことを決意します。
    ところがペルシアはとても遠くいくつもの国をこえてゆくので、言葉とか生活とかにとても不安があります。そしてそれよりもなによりもペルシアのイスファハンにある大学病院はイスラム教徒とユダヤ教徒しか教えてもらえないのです。そこでキリスト教徒の彼がしたことは…

  • 上巻ではロンドンからペルシアまで辿り着くまで,主人公ロブの為人から,その運命的いきさつまでが網羅的に物語られる.文章量も情報量も多いが,すいすいと読み進められるのは,新聞記者である著者の書いた元の英文の構成の妙と翻訳の佳さの賜だろう.しかし上巻はあくまで序章だが.

  • 4.12/110
    千年医師物語(1「ペルシアの彼方へ」→2「シャーマンの教え」→3「未来への扉」)

    内容(「BOOK」データベースより)
    『千年医師物語―それは医師となるべく力を宿した家系の、世紀を越えた運命の物語。始まりは十一世紀ロンドン。いまだ争いと迷信の絶えない時代、一人の少年が遙かペルシアへと旅立った―ロブ・J・コール。手に触れた相手の死期を瞬時に悟るその能力に、彼は両親の死をもって気づいたのだ。運命に導かれ、医師への道をたどるロブ。貧困と孤独に打ちのめされながらも、数奇な出逢いに助けられ、ついにペルシアへ足を踏み入れる!ヨーロッパ各国で大絶賛、ドイツでは五百万部の大ベストセラーとなった不朽の名作。夢、希望、愛、友情、憎悪、全てが盛り込まれた壮大な物語が今、感動の嵐を巻き起こす…。』


    原書名:『The Physician』  (Cole Family Trilogy #1)
    著者:ノア・ゴードン (Noah Gordon)
    訳者:竹内 さなみ
    出版社 ‏: ‎角川書店
    文庫 ‏: ‎492ページ(上巻)

  • 11世紀にロンドンからペルシアまで旅をして医学を学んだロブ・J・コールの物語。両親の死後、床屋さんの外科医兼理髪師の見習いとして修行を積み、ペルシアの内科医学校の存在を知って長い道のりを歩み出す。ユダヤ人のネットワークに助けられキャラバンと共にトルコへ、そしてユダヤ人となりペルシア、イスファハンを目指す。その年月は2年。
    床屋さんは実に魅力的な人物でその死には涙した。またユダヤ人の緊密な連携は見事の一言に尽きる。歴史の教科書に載っているイブン・シーナも登場する本書は、読み応えのある壮大な物語だった。

  • 映画化されるというので、昔々読んだこの本を引っ張り出してきた。自分の知り得る医学とは全く別の世界、社会背景、それでも真実を知りたいと思うロブ・Jの、医学への貪欲さといったら・・・!カタルシス!

  • ドラマ色々、終盤ちょっと

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