- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041879962
作品紹介・あらすじ
今日、パパが死んだ。昨日かも知れないけど、どっちでもいい。でも私は知っている。ママがパパを殺したことを。みにくい大人の世界を垣間見た十三歳の少女、有紀子に残酷な殺意の影が。
感想・レビュー・書評
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物騒なタイトルなのにユーモアたっぷりで読みやすく、おもしろい。
それなのに本格的なミステリーで、さらにおもしろい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
微熱に浮かされた真夏の夜の夢って感じ
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父の突然死から始まるこの物語は、一貫して13歳の主人公の視点で描かれている。大人びている主人公という体をとっているが、実はまだまだ子どもであり、知恵も経験も足りていないことが随所でわかる。自分自身が年を取ったからかもしれないが、主人公が最後まで理解できなかったであろう母や叔父たちの弱さや気持ちの方に共感してしまう。
謎解きそのものは少し肩透かしだったが、子ども時代に子どもでいられなかった人間の歪みと悲しみに考えさせられるものがあった。 -
赤川次郎のミステリー小説。
240ページ程で読みやすく、内容も面白い。余談だが、カバーイラストが中村佑介であることも嬉しい。
だいぶ昔の作品であり、現在では表現などコンプライアンスやセンシティブな問題の影響でおそらく構図が変わるだろうと感じるが、推理小説としてはかなり出来がよく面白い作品だ。
主人公の有紀子は13歳の設定だが家庭環境が特殊でかなり大人びた印象がある。いきなり父親の葬儀からスタートするが、プロローグの時点で死の真相が明らかにされ、この後どの様に展開していくのだろうと引き込まれてしまった。実際の物語は、海辺の別荘で進んでいく。
登場人物はそれ程多く無いし、起承転結がはっきりしていて、更に作中で犯人が少しずつ明かされていくため読み進めやすい。ある程度で驚きを提供するのが作家の礼儀だとしたら、ほぼほぼ各章毎に驚きを提供する筆者はとてもサービス精神が豊かなのだと思う。それだけ驚きに満ちている。
警察が主人公と事件について会話している部分は、全く何も話さない近代ミステリーの警察像とかけ離れているが、このくらいが丁度読みやすい。
この作品品には沢山の驚きに満ちているが、話の締め方が秀逸(言葉は違うかも知れないが。)現代の作品を読み慣れた人達にもおすすめ(倫理観は考慮して)だ。 -
主人公の大人びた言い回しであったり、行動ひとつひとつがツボでした。
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2013年7月28日に開催された、第7回ビブリオバトルinいこまで発表された本です。
テーマは「夏休み」。 -
赤川次郎でこれとさようならが一番好きです
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推理とか殺人のハラハラとかじゃなくて主人公の心情にとことん引き込まれるのが面白かった。