妖奇庵夜話 千の波 万の波 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 246
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041135952

作品紹介・あらすじ

東京下町にひっそり建つ妖奇庵。
そこは妖人茶道家・洗足伊織の茶室だ。
《管狐》の夷、《小豆とぎ》のマメとともに、穏やかな日々を過ごす伊織のもとへ、
久しぶりに刑事の脇坂がやってきた。
もと水泳選手であり、トラブルを抱えた妖人《河童》を連れて……。
ほか、青目と二人きりで密やかに過ごした時間を、
伊織視点、青目視点それぞれで綴られた物語も収録。
中村明日美子のコミックも収録した、真の完結巻!

*妖奇庵夜話の「き」は王扁に奇です。

感想・レビュー・書評

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  • あ〜ついに終わってしまった(/ _ ; )
    父親「鵺」が射殺され、弟の「鬼」青目と行方不明になった後に義眼で戻ってきた伊織。
    前作ラストシーンから2年越しの真の完結!!

    発売予告にファンは狂喜乱舞し、ラストシーンで書かれていなかった青目と過ごした日々が書き下ろされました‼︎
    「千波万波」最高だった〜♪
    そして中村明日美子先生の書き下ろし漫画がもう最高に素敵&エロティック笑
    初回特典ペーパー明日美子先生の漫画も完全収録されて嬉しい‹‹\(´ω` )/››

    最高の余韻と悲しみで胸がいっぱいです(u_u)

    また最初から読もう…




    • 土瓶さん
      この表紙を見ると小豆洗いのおはぎが食べたくなります。
      この表紙を見ると小豆洗いのおはぎが食べたくなります。
      2023/07/21
    • みんみんさん
      マメちゃんのぜんざいが食べたい‹‹\(´ω` )/››
      マメちゃんのぜんざいが食べたい‹‹\(´ω` )/››
      2023/07/21
  • あー本当に終わってしまった。
    この独特な世界観が好きなんだよなぁ。
    洗足の厳しさの中の優しさも、話し方もマメも脇坂も夷さんもみんな大好きだなぁと思える大好きなシリーズ。

  • まさか9巻のあとの話が読めるとはおもっていなかったので、本書が出たときには本当に驚きました…

    本書は「妖奇庵夜話」シリーズ10作目にあたり、9巻の続きの物語と、3作目以降の初版特典であったコミックペーパーが収録されています。
    そして今回、普通の文庫よりも上質の紙?な気がします…硬さがあって、白くてツルツルです…

    この中のお話は、確かに9巻の続きなのだけれど、本編としては9巻で終わりだったのだなあ…と強くおもいました。
    まるで、長いエピローグを読んでいるような…そんな気持ちになりました。
    でもそれがダメということではなく、9巻の衝撃が大きすぎたため、この10巻でゆっくりとそのことを“昇華”しつつ前を向くためには、必要な巻だったとおもいます。

    また、1巻の冒頭で出てきた妖人の情報(本編ではあまりいかされてなかった)が、まさか最終巻の短編「河童」につながるとは…!!
    えっ、榎田ユウリ先生、ここまで考えてあの情報を1巻で書いていたのか…??
    真相は定かではありませんが、もしそうだとしたら榎田先生、構成がすごすぎます…

    て本巻は、短編2本挟む形で描き下ろしショート、中編1本巻、最後にペーパーコミックが最後に収録されています。
    ペーパーコミックの内容は、もう戻れない過去のお話。
    過去の、日常の、たわいないお話。
    だからこそ、なのでしょうか…
    何回も読み返してしまいました。

    榎田ユウリ先生、そしてイラスト・ペーパーコミックを担当された中村明日美子先生、10巻を出していただき、本当にありがとうございました。

  • 【収録作品】千波万波一/濤声/千波万波二/河童/閑話種々 初回特典ペーパー掲載コミック集

    ファンサービスの巻。
    青目と伊織が二人で過ごした日々をそれぞれの視点で語ったもの、その日々を含めたコミック、そしてアルコール依存症の「河童」の妖人をめぐる話。

    脇坂くんが後輩を指導する立場になっていて、ワーカホリック気味なのはしんどくて、伊織に心配されるのももっとも。妖琦庵の時の流れが愛おしく感じられる。

  • 終わってしまった。ずっと読んでいたかった。
    でも先生がいうように彼らは東京のどこかにいるのかも。

    脇坂さんと先生の朝の散歩は、読みながら脇坂さんと同じ様に泣きそうになり、堪らえようと喉がしめつけられるようになり、でも結局涙してしまった。

    忙しいって、つい言ってしまいがちだけど、気にかけてくれる人に不用意に言わないように気をつけよう。

    先生の義眼が青かったのは、青目の色々な想いがあるんだろうな。

  • 前作が最終巻だと思っていたから、またこうしてシリーズを手に取る事が出来て嬉しい。

    胸に突き刺さるような切なさも、軽快で微笑ましい会話たちも、読んでいてやっぱり好きだなと感じる。

    何より、登場人物一人一人が愛おしい。
    目は見えずとも、変わらぬ伊織の静かで凛とした佇まいが好きだ。

    これで終わりなの寂しい。
    漫画もほのぼのとしてて良いけど、ちと配分が多かった。
    最後はやっぱり読み物として、もっと沢山読みたかったな。

  • みんなの前から姿を消していた時の青目と伊織、
    2人兄弟で過ごした日々の
    それぞれの心のうちの話と
    洗足伊織が妖琦庵に帰ってきてからの話。

    指導する立場になった脇坂は
    色々と悩みすぎで周りが見えない…
    でも口の悪い先生のお小言があって
    変わりゆく日々の中でも
    変わらないものがあると知る。

    また人一倍努力してきたのに
    〈河童〉と言うことで全てを失った瀬田…
    今までの人生絶望しかなったけど
    脇坂から妖琦庵を紹介され、
    これからの人生光が見えてきたんじゃないかな?

    そして初回特典ペーパーコミックの
    完全収録が嬉しいヾ(≧∇≦)〃



    ホラー文庫だとは思えないほど優しい本だった
    確かに真の最終巻だけあるわ(*ᵕᴗᵕ)⁾⁾ゥンゥン

  • 冬の海から始まり、夏の海で締めくくられる。
    伊織と青目の海辺の散歩と、伊織と脇坂の海辺の散歩。
    対極的な二つの散歩。

    伊織が脇坂を労る会話のシーンでは、脇坂の弱さを包み込むような優しさで涙を誘われた。

    視覚を失っても、強く聡い伊織に戻って、夷とマメの家族と慎ましく暮らしている感が幸せな気持ちにさせられた。

    脇坂はどんどん重くなる責任・期待に押しつぶされそうになったり、大人の階段を絶賛登っていて、伊織のことを思って妖琦庵から足が遠のいていたって言うのが、脇坂らしい。
    伊織との会話で吐き出せて、救われて、また妖琦庵に行きたいと思えるようになってよかった。
    伊織と脇坂の漫才のようなやりとりをずっと読んでいたい、と思えるお話でした。

  • 久々の雰囲気。良かったです。
    全然中身とは関係ないのですが、本の紙がめちゃめちゃいい紙でビックリです(笑)今ってこんな素材なのですか??

    先生と脇坂君の散歩のシーンが特に良かった。自分に置き換えて心に留めておこうと思いました。

  • 前作「ラストシーン」後の伊織と青目、2人だけの日々がそれぞれの視点で描かれる。

    青目のしたことは許せることではないが憎み切れない、伊織を手に入れたと思っていたが、想像していたものと違ったという思い、二人の思いが波となっていく。

    「河童」でも海岸に佇む伊織の姿が描かれている。波の彼方に青目を思っていたのだろうか。

    中村明日子さんの漫画が半分以上を占めているのは微妙。小説としての読後感に浸りたかった。

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著者プロフィール

東京都出身。おもにライトノベルにて活躍する気鋭。代表作は「カブキブ!」シリーズ、「魚住くん」シリーズ(角川文庫)、「妖き庵夜話」シリーズ(角川ホラー文庫)、「宮廷神官物語」シリーズ(角川書店ビーンズ文庫)など。榎田尤利名義でも著書多数。

「2023年 『妖奇庵夜話 千の波 万の波』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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