四日間家族

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 97
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  • / ISBN・EAN: 9784041134504

作品紹介・あらすじ

集団自殺を決意した夏美は、見ず知らずの3名と車で人の来ない山へ向かう。車中で七輪に着火しようとした時、森の奥から赤ちゃんの泣き声が。思わず赤ちゃんを保護した一同は、なぜか誘拐犯として追われることに――

感想・レビュー・書評

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  • わぁ、面白かった。
    自殺しに来たんじゃないの?と何度か突っ込みながらも、気づけば4人を応援していた。

    SNSやユーチューバーなど、今の時代ならではの要素が上手く使われており、特に置き配を利用する場面ではなるほどその手があったかと唸った。今どきの逃亡劇。ラストも爽快で、読後感がとてもよかった。

    猪ノ口は一ノ瀬ワタルで決まり。『Village』の役そのままのイメージで脳内再生されて怖すぎた。

    • shukawabestさん
      shukawabestです。
      僕のレビューへのコメント、ありがとうございます。
      「わぁ、面白かった!」僕もそんな読後感で、ラストもサッパリ、...
      shukawabestです。
      僕のレビューへのコメント、ありがとうございます。
      「わぁ、面白かった!」僕もそんな読後感で、ラストもサッパリ、キッパリでとても気持ち良かったです。4人を応援していた気持ちもムク助さんと同じでした。
      難しく考えさせられる小説も自分のためにはなるのかもしれないけれど、楽しませてくれる作品が、自分の肌には合っているなと改めて感じました。
      原田マハさん、青山美智子さん、辻村深月さん、僕の好みに合う作品がとても多いので、僕が読み終えたら、ムク助さんのレビューをじっくり読んで、比べてみようと思っています。
      今後もよろしくお願いします。
      2024/02/25
    • ムク助さん
      shukawabestさん
      ありがとうございます。
      好きな作家さんが似ているんですね。
      また感想楽しみにしてます^_^
      こちらこそ、よろしく...
      shukawabestさん
      ありがとうございます。
      好きな作家さんが似ているんですね。
      また感想楽しみにしてます^_^
      こちらこそ、よろしくお願いします!
      2024/02/25
  • 面白かったぁ〜!!

    一度は死ぬ覚悟を決めた4人
    その緊張感は半端ない
    ノンストップの展開に、息が止まりそう

    ネットで知り合った自殺志願者の4人。
    年齢も性格もバラバラで、それぞれ結構嫌なヤツ。
    もちろん4人は気が合わない。
    それが、死ぬつもりで入った山中で赤ちゃんを拾う。
    ………何としても赤ちゃんを守りたい。
    この一心で団結し、事件に巻き込まれながらも4人は赤ちゃんと共に走り続けるのだ。

    ハラハラしっぱなしの逃走劇だが、その間にそれぞれの過去が明かされていく。
    最初は全く共感出来なかった人達なのに、いつの間にか応援している自分がいる。

    次第に互いを信頼し助け合い、家族のようになっていく4人。
    「今は叫びたくなるほど離れたくはない。助けたい。
    同じ時間をともにした五人は自分にとってわけがわからないぐらい大切になりすぎている。」

    どうかこの大切な家族を胸に、前へ進んでほしいと願う。

    • aoi-soraさん
      1Qさんの好きなクズ達ですねwww
      川瀬さん初読みだったんですが、すごく面白かったです!
      みなさんが大好きな虫さんのお話は、ちょっと躊躇して...
      1Qさんの好きなクズ達ですねwww
      川瀬さん初読みだったんですが、すごく面白かったです!
      みなさんが大好きな虫さんのお話は、ちょっと躊躇しております(笑)
      2023/12/13
    • 1Q84O1さん
      そう!クズ達ですw

      aoiさん、躊躇することはないですよ!
      飛び込んじゃえばいいんですよ!
      虫の世界へ!
      ウジ、ハエたちが迎えてくれますよ...
      そう!クズ達ですw

      aoiさん、躊躇することはないですよ!
      飛び込んじゃえばいいんですよ!
      虫の世界へ!
      ウジ、ハエたちが迎えてくれますよ!( ̄ー ̄)ニヤリ
      そして、きっと虜に!w
      2023/12/13
    • aoi-soraさん
      (⁠(⁠(⁠;⁠ꏿ⁠_⁠ꏿ⁠;⁠)⁠)⁠) コワイ
      (⁠(⁠(⁠;⁠ꏿ⁠_⁠ꏿ⁠;⁠)⁠)⁠) コワイ
      2023/12/13
  •  皆さんのレビューから面白そうだなぁ…と思い、いつか読もうと思っていた作品がこちらです。赤ちゃんの表紙がインパクトありますよね!

     ストーリーはネットを介して集まった集団自殺希望の4人が、遺棄されそうになった赤ちゃんを救うために奮起する内容で、その裏の大きな犯罪組織の存在をも明らかにしていくというもの…。死を覚悟して集まった4人が赤ちゃんを守りたいという共通認識のもと、疑似的な家族のような強い絆も生まれていくその過程は読み応えがありました。

     この4人の出会いはネットだったけれど、犯罪組織を明らかにするために駆使したのもネット…、今ネットってすごい!そして小さな命を蔑ろにするこの犯罪組織の実態を知ったとき、ザワザワぁ~っとしました。息つく間も持たせないほどの早い展開でした。最強で最悪なパーティーである4人、こんな経験をしたのだから乗り越えらない壁はないはず…この4人のこれからが明るいものでありますように!!

    • かなさん
      1Q84O1さん、おはようございます。
      ホント、気がつけば一気読みしてましたね!!
      この4人、どうしようもない人ばかりだけれど
      憎めな...
      1Q84O1さん、おはようございます。
      ホント、気がつけば一気読みしてましたね!!
      この4人、どうしようもない人ばかりだけれど
      憎めないんですよね(*^^*)
      2024/04/11
    • つくねさん
      かなさん、こんいちわ!

      この作品読んでみたいと思っていて忘れ去られてしまった本でした。
      ザワザワぁ~ってしてみたいので予約しておきま...
      かなさん、こんいちわ!

      この作品読んでみたいと思っていて忘れ去られてしまった本でした。
      ザワザワぁ~ってしてみたいので予約しておきますww
      2024/04/12
    • かなさん
      つくねさん、こんばんは!
      この作品、登場人物のアクが強くて、
      でもそこがいいんですっ!
      最後にはこの4人の4日間がすごくかけがえのない...
      つくねさん、こんばんは!
      この作品、登場人物のアクが強くて、
      でもそこがいいんですっ!
      最後にはこの4人の4日間がすごくかけがえのない時間に
      感じられるようになります♪
      ザワザワもします(;・∀・)
      2024/04/12
  • ネットで繋がった年齢もバラバラの男女4人。
    山奥の車中で自殺しようとしたそのときに不審な車が走り去ったあと、森の奥から赤ちゃんの声が…。
    見捨てるわけにはいかず、だが何か訳ありな感じがして警察に届けるのを躊躇している間にSNSで連れ去りの汚名を着せられる。
    瞬く間に身バレ炎上。
    彼らがとった行動は…。
    一気読み。

    それぞれ何らかの事情があって自殺しようとした4人が、無垢な赤ちゃんを前に自らの行動を振り返り正すという…それほどまでに尊い生命なのだからと自然に思えるのは凄いこと。

    途中で2人になったとき、16歳の陸斗の言った「チームって不思議だよね。できるやつが抜けてもだいたい代わりはすぐ見つかるけど、役に立たないどうでもいい人間が抜けると、なぜかチーム全体の士気が下がることがある。」
    口煩いおっさんの長谷部にしろ、最年長の千代子にしても存在感が半端なくて、いなくなればこれほどの喪失感を与えてくる人間だったのかとなるのもわかる気がした。
    赤ちゃんを介して密度の濃い時間を共有した4人。
    最悪で最強のヤバい仲間だったな。

  • 想像していたより ずっと濃いキャラクターたちで
    ハラハラドキドキのサスペンスなのに
    なぜか笑ってしまうという
    コミカルさを私は感じて 楽しめました

    自殺志願者たちが みな一筋縄ではいかぬ
    強かさや逞しさがあり
    自殺しそうじゃない玉だというのが
    唯一の難点ですが(笑)
    でも だからこそこれだけの
    逃避行が出来たんだよなぁ 

  • 赤ちゃん…

    それは可愛らしいく愛おしい存在

    見るものすべてをやさしい温かい気持ちにさせてくれる存在

    そして無条件で守りたくなる存在

    そんな赤ちゃんが人には言えない過去の過ちや行いを起こしたクズたちの心を鷲掴みにする!w



    集団自殺をするために集まったら見ず知らずの4人
    気が合わないうえに、集団自殺というきっかけがなければ一生かかわることもなかったであろう4人

    そんな4人が1つの目的を果たすために手を結ぶことになる

    その目的とは、森に捨てられた赤ちゃんの命を悪の手から救うということ

    その目的のために、4人は不運すぎるほど次から次へと問題に巻き込まれていく

    襲ってくる問題を乗り越え、赤ちゃんの命を守るという使命が、時を追うごとに4人に変化をもたらし信頼関係が結ばれていく

    スピーディーな展開で進む物語にどんどん惹き込まれ一気読み間違いなし!

    • 1Q84O1さん
      かなさん、こんにちは!
      ムシさんは登場しませんので安心して読んでください(#^.^#)
      けど、私としてはぜひ「ムシシリーズ」も読んでもらいた...
      かなさん、こんにちは!
      ムシさんは登場しませんので安心して読んでください(#^.^#)
      けど、私としてはぜひ「ムシシリーズ」も読んでもらいたいですが…w
      2023/11/21
    • mihiroさん
      一休さーん、こんにちは(≧∀≦)
      昆虫じゃない川瀬さん!面白そうですね〜!
      どうせ死ぬ気なら怖いもんなしで危ない事にも突っ込んでいっちゃいそ...
      一休さーん、こんにちは(≧∀≦)
      昆虫じゃない川瀬さん!面白そうですね〜!
      どうせ死ぬ気なら怖いもんなしで危ない事にも突っ込んでいっちゃいそう。
      あ〜読みたい本が増えていく〜〜
      2023/11/22
    • 1Q84O1さん
      mihiroさーん、どーもです!
      やっぱり川瀬さんは昆虫が一番ですが、これも面白かったですよ(≧∇≦)
      展開が早くてあっという間に読めるので...
      mihiroさーん、どーもです!
      やっぱり川瀬さんは昆虫が一番ですが、これも面白かったですよ(≧∇≦)
      展開が早くてあっという間に読めるので、よければ是非読んでみてくださーい♪
      2023/11/22
  • 面白かったです♪ちょっと都合良く行き過ぎだけどキャラも良くてスピード感ある内容!

    ネットで集まった4人の自殺志願者達
    工場が倒産し保険金が欲しい中年男
    コロナ禍裏営業して客6人を死なせた婆さん
    理由を言わない中学男子
    ヤクザに追われるキレた女性

    自殺場所に選んだ山で女が赤ん坊を遺棄するのを目撃した4人は遺棄された赤ん坊を拾い逃走するのだが…
    いったい何の為に捨てられたのか?何の犯罪が絡んでるのか?誘拐犯としてSNSに拡散された4人はSNSを逆手に取って犯罪を暴き赤ん坊を救い出す‼︎

    この作家さんは昆虫シリーズしか読んでなかったから新鮮でした\(//∇//)\

    • 1Q84O1さん
      みんみんさん、ムシロスから立ち直ってきましたか?w
      みんみんさん、ムシロスから立ち直ってきましたか?w
      2023/05/22
    • みんみんさん
      阪神園芸の書いた人が面白い!
      ちょっとスポ根もの行きます笑
      阪神園芸の書いた人が面白い!
      ちょっとスポ根もの行きます笑
      2023/05/22
    • 1Q84O1さん
      穴埋めはスポ根もの!
      青春ですね〜(>ω<)
      穴埋めはスポ根もの!
      青春ですね〜(>ω<)
      2023/05/22
  •  ネットでの集団自殺の呼びかけに応じて集まった4人の自殺志願者たち VS 嬰児売買専門の闇組織の攻防を描いたサスペンスミステリー。
     なお物語は、自殺志願者の1人である坂崎夏美の視点で描かれる。
             ◇
     坂崎夏美は後悔し始めていた。

     夏美は現在、廃車目前のようなハイエースの中にいる。今夜のうちに車内で練炭自殺する予定で、山中に向かっているところだ。

     ハイエースを運転しているのは長谷部という初老の男。集団自殺の発起人で、場を仕切りたいのか、とにかくよく喋る。しかも偉そうだ。
     長谷部の隣には千代子という老婆。年齢に似合わぬ派手な格好で、その言動にはしたたかさが見え隠れしている。
     夏美の隣に座っているのは陸斗という少年だが、妙に落ち着いた態度で冷めた目を3人に向けている。

     いずれもひと癖もふた癖もあるようで信用できそうにもない連中だ。中でも特に問題なのは発起人たる長谷部に死ぬ覚悟ができていないように見えることだ。

     夏美がグループから抜けると言い出して長谷部たちと揉めていたところ、前方の少し離れたところに赤いミニバンが止まるのが見えた。
     すぐに運転席から降りてきたガラの悪そうな女は、大きなリュックを持って雑木林に入り、しばらくすると手ぶらで出てきて車で去って行った。

     不審に思った夏美たちが雑木林に入りリュックを探し出して開けてみると、中にいたのは生後3ヶ月くらいの赤ん坊。女の態度から衰弱死目的での遺棄と見た夏美たちは、自殺を中止して赤ん坊を保護することにした。
     だが、その直後から4人は誘拐犯としてネットに晒されることになった。
      (第1章「最悪への扉」) 全5章。

         * * * * *

     ヒューマンドラマのおもしろさと現代社会のリアルな恐ろしさが十二分に味わえる作品でした。

     おもしろかったのは、人生に嫌気が差し自殺する気でいた4人の老若男女が、拾った赤ん坊を守り抜くことで生きる気力を取り戻していく過程。
     しかもこの4人はいずれも、他人のことなど考えない身勝手な人間だったのだけれど、赤ん坊を守るためにやむなく協力して苦難を乗り越えるうちに、思いやりや謙虚さに目覚めていくという、心温まるストーリーになっています。
     やはり川瀬さんはうまいなあと思いました。

     戦慄したのはネット社会の闇の部分。
     サバンナを徘徊するハイエナのごとき輩が無数に存在し、獲物になりそうな対象を常に探している。そして生贄が見つかれば我先にと個人情報を暴きたて晒していく。
     恐ろしいのは彼らがゲーム感覚で、そんなエグい行動をとっているところでした。

     けれど、そんな連中を利用して敵を撹乱したり、迷惑系ユーチューバーを抱き込んで敵を葬ろうとしたりする、夏美たちの戦法がとてもおもしろい。

     また、主要人物として登場する4人のキャラも魅力的です。リーダーシップのある夏美、若き軍師の陸斗、豪胆な老将の長谷部、しぶとくしたたかな老媼の千代子。なんてバランスの取れたいいチームなのでしょう。

     『フォークロアの鍵』もそうだったけれど、絶妙な人員配置こそ川瀬七緒さんの真骨頂なんだと感心しました。

     四日間限りとなった擬似家族。永久解散はあまりに惜しい。図らずもチーム再結成の続編ができないかなあと思っています。

  • よかった。
    4人の、ビフォーアフターが想像以上!笑

    子どもの力の偉大さと、生命力を改めて知る。

    人物の描き方がとても上手で、だんだんと4人のことを好きになってしまう…!

  • ネットで出会った4人の自殺志願者が決行日に赤ちゃんを拾い事件に巻き込まれていく。

    勇気づけられ気分爽快になる小説で、とても面白かった!2章以降はハラハラドキドキの連続で、スリリングな展開にすっかり引き込まれました。

    清廉潔白とは言えませんが、悪人とも言い切れない4人の足りない部分を補うような関係がとてもよかったです。前半は嫌な面が全面に出ていて好きになれそうにないと思っていたのに、徐々に愛着が湧いて、後半は「もっと活躍がみたい。終わってほしくない。」と思うほど。4人の良心が赤ちゃんというのもよかったです。

    希望を感じるラストは胸がいっぱいに。
    映像化してほしい一冊です。

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著者プロフィール

1970年、福島県生まれ。文化服装学院服装科・デザイン専攻科卒。服飾デザイン会社に就職し、子供服のデザイナーに。デザインのかたわら2007年から小説の創作活動に入り、’11年、『よろずのことに気をつけよ』で第57回江戸川乱歩賞を受賞して作家デビュー。’21年に『ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介』(本書)で第4回細谷正充賞を受賞し、’22年に同作が第75回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門の候補となった。また’23年に同シリーズの『クローゼットファイル』所収の「美しさの定義」が第76回日本推理作家協会賞短編部門の候補に。ロングセラーで大人気の「法医昆虫学捜査官」シリーズには、『147ヘルツの警鐘』(文庫化にあたり『法医昆虫学捜査官』に改題)から最新の『スワロウテイルの消失点』までの7作がある。ほかに『女學生奇譚』『賞金稼ぎスリーサム! 二重拘束のアリア』『うらんぼんの夜』『四日間家族』など。

「2023年 『ヴィンテージガール 仕立屋探偵 桐ヶ谷京介』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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